よろず屋の猫

コージー・ミステリーの良作・“崖っぷち転職ミステリー”シリーズの三作目を読みましたので、その感想です。



あらすじはamazonから。

崖っぷち生活継続中のヘレン、目下の仕事は電話セールス。
拒絶や罵倒にひたすら耐えて売りこみをかけるある日の業務中、電話越しに“殺人”が起きるところを聞いてしまう。
ところが、警察は事件のあった痕跡を発見できず、勘違いとして処理される。
納得のいかないヘレンはみたび探偵活動を始めるが、成り行きでトンデモない相棒と組むことになり…。
大好評転職ミステリ第三弾。


結構前に読んだので、細かいところが今一記憶が・・・なので、簡単な感想です。

今回のヘレンのお仕事は、「これだけはやりたくない」と思っていた電話セールス。
相変わらず仕事場描写が面白いです。

そして仕事中に、殺人現場に電話をかけてしまい警察に通報。

私がこのミステリーを好きなのは、主人公・へレンを「素晴らしい女性」にしてないところなんです。

とにかく怒りっぽいし、負けず嫌いだし、バカにされたと思うとカーっと頭に血が上る。
そうなるともう手がつけられない。

へレンが逃げて今の状況になっているのも、そもそも裁判でその性格が出ちゃったせいだし、今回の事件もそう。

自分が聞いたことから、これは殺人があったと信じる気持ちももちろんありますが、警察が現場に出かけて調べて勘違いとなったことから、「バカにされている」と感じてしまって、その意地から事件に係わり始めた側面が最初はあったと思う。

幾ら事件の真相を突き止めたいからと言って、トップレスのウェイトレスまでやっちゃう突っ走りも凄いです。

そしてまた惚れっぽい、って言うか、ロマンスを渇望しているんでしょうか?。
ちょっと好みのタイプを見ると、良いところしか見ない。
むしろ欠点すらも良いところに変換しちゃってる感じ。
アメリカらしいんですが、さっさとメイクラブしたは良いけど、後から激しく後悔する繰り返しです。

ところで今回は意外な人物が大変身して、ヘレンの気持ちも動いてます。

一作目で知り合った男が、二作目でとんでもない奴に落とされてしまってましたが、この人はこれからも素敵な男であって欲しいな。

次はどんな仕事について、どんな事件に首を突っ込み、どんなロマンスがあるのか。
そんな楽しみを持たせてくれるシリーズです。