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2009年02月18日
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木曽駒ヶ岳・夏(2)

 すぐ下の頂上木曽小屋に入り、受付を済ませて荷物を置き、一服。翌日は月曜だし、この小屋は千畳敷から離れているので心配していた混雑はなさそうで一安心。小屋の主人にコンロを使っていい場所を訊くと食堂か外、と言われたが、食堂は既に宴会が始まっており、喧しいことこの上ない。外に行こうとすると「すいません」と泣きそうな顔をして声を掛けてくれた小屋の主人の気持ちが嬉しくて、むしろうきうきして小屋の外に出た。寒い。しかし何か心地よい寒さだ。この日二つめのカップ麺と、とっておきのおむすびの夕食。後はおやつとコーヒーと煙草である。この時、今日の行程を思い返して達成感に浸った。伊那谷を4時前に出て17時過ぎに登頂やから13時間半位かあ、よう歩いたなあ…自分の足だけでアルプスの山一つを登りきったことに満足した。
 小屋に戻ってしばらくすると、急に明るくなった。陽が出ている、霧が晴れた!私は急いでカメラと三脚を持って山頂へ向かった。下に多くのガスが残っているものの空は晴れ上がり、夕暮れの暖かい光が辺りを優しく包んでいた。あまり劇的な景色は見られなかったが、私は十分満足していた。何より、人が少なかったことが良かった。小屋はすぐ近くなのだが、頂上まで上がってくるのは億劫なのだろう。陽が沈んでかなり寒くなったが、19時から打ち上げられる伊那祭りの花火が見られるかもしれないと思って頂上に残っていた。辺りの山々や、街の夜景を見ていると退屈はしなかった。結局、19時をだいぶ過ぎても花火は見られず、だいぶ暗くなって小屋に戻った。食堂に入ると、人懐っこそうなアルバイトの高校生が「いい写真、撮れましたか?」と訊いてきた。私は、まあまあと答えた後、「今日は伊那祭りの花火の日だけど、ここから伊那は見えないようやね?」と言うと、高校生は急に嬉しそうに「お客さん、伊那ですか?僕も伊那なんですよ、そうか、伊那祭りか」と言って、窓を見に行った。「お客さん、あれ、花火ですよ」と言うので、外に出てみると確かに、かすかに音がする。そしてちょうど今日登ってきた将棊頭山あたりの尾根が光っていた。実は先ほどから音は聞こえていたのだが、山頂で長野方面に雷が見えていたのでてっきりその音だと思っていた。花火は期待はずれだったが、そのまま星を見ることにした。まだ月は出ておらず、快晴の空は満天の星であった。写真を撮ろうかとも考えたが、面倒で、何より私の隣の人が既に眠っていたのを思い出し、止めておいた。はあ、しかしなんと素晴らしい…こうして山で星を眺めるのは幾度かあるが、何度見てもやはりイイものだ。しかし、また独りやねんなぁ…もったいない。幾つ目かの流れ星を見た後、小屋に戻って眠る。
 翌日、2時過ぎに目が覚めてしまった。もう少し眠りたかったが、一度起きるとなかなか寝付けない。仕方なしにそのまま起床。外に出ると月明かりでだいぶ減ったものの、星がキレイだった。朝食の間、写真を2枚だけ撮った。

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星と御嶽山・頂上木曽小屋より。左端に流星が写っている。

 4時過ぎに山頂に上がって朝陽を待つ。昨日よりガスも減り、御嶽、北アルプスや南アルプス、八ヶ岳や富士もよく見える。雲海も良い感じ。甲斐駒の左に朝日が昇る頃にはいつの間にか辺りはまたもや大賑わいで、そそくさと山頂を去る。南に下り、駒ヶ岳頂上山荘から中岳を通らず、巻き道を行く。

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雲海と甲斐駒ヶ岳・木曽駒ヶ岳山頂より

 どうしても、見てみたい花があった。コマウスユキソウ、エーデルワイスの仲間で、駒ヶ岳の特産である。巻き道に入るといきなり咲いていた。朝露がついているふわふわの綿毛が何とも可愛らしい。辺りを見ると、そこら辺にたくさん咲いており、光の加減を考えて綺麗に見えるものを撮影。

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コマウスユキソウ

 その後も花と景色を堪能し、撮影を楽しみつつ宝剣岳へ。7時過ぎに到着、人も少なかったので、岩に登って「登頂」。岩から降りてコーヒーを飲んでいると次から次へと人が押し寄せてきた。静かだった山頂は瞬く間に百貨店のバーゲン並の混雑になり、「宝剣岳」の標識には写真撮影の列ができ、本当の頂上である岩の上に登りたがるオバチャン、登ろうとして必死なオバチャン、登ったはいいが降りられないオバチャン等々を見て、少々呆れつつ宝剣岳山頂を後にした。この後の岩場は少々危ない。気を引き締める。この宝剣岳付近もコマウスユキソウが結構咲いている。

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空木岳と南駒ヶ岳

 三ノ沢岳の分岐に着いたのは8時半だった。もう少し早くに着くはずだったのだが、疲れで足が重いのと、撮影に時間がかかってしまった。三ノ沢岳は、今回見送ろうかとも思ったが、上天気だし、なんといっても山らしい三角錐の整った姿を見ていると登りたくなってくる。疲れはかなりあるものの、気分は悪くない。しかし道のりは思ったより手強く、二時間弱かかった。頂上直下のお花畑は見事で来た甲斐はあった。山頂で20分程休憩をし、黙祷をして出発。

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ハクサンイチゲ

 下山は普通早いものだが、降りて尾根まで登り直すこの行程は、やはり同じだけの時間がかかり、分岐に戻ったのは12時20分、往復約4時間。そこから極楽平を通って千畳敷へ。花が多くてゆっくりしたいが、この辺はさすがに人も多く、なにより、早く下山しないといけない。今日、大阪まで帰らないといけないのだ。千畳敷駅には月曜の昼だというのに既に長蛇の列ができており、ロープウェイに乗るのも一苦労、バス電車を乗り継ぎ、下島駅から歩いておいちゃん宅へ戻った。

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チングルマ





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最終更新日  2009年02月19日 23時10分17秒
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