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2009年03月08日
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081122~24 仙丈ヶ岳 単独(1)

…おい。正気か?
誰か止めてやれ。止めた方がいいって。絶対。
オレは自分の思いついた計画に戦慄を感じながらも、胸の高鳴るのを止めることができなかった。

 ずいぶん前から11月の末に連休を入れておいて山行を計画した。八方尾根から唐松岳に登り、五竜岳に縦走して遠見尾根を下りる、3泊4日の計画だった。3泊のうち2泊はテント泊だが、八方尾根と遠見尾根にはゴンドラがあり、かなりの高度を稼げる。8月に槍穂高の縦走を行い、次は写真メインの、それ程しんどくない山行を計画したのだ。しかし出発3日前の天気予報でこの計画はあえなく破棄された。冬型の気圧配置により、日本海側は連日天気が悪そうなのである。直ちに第二案発動、そんなこともあろうかと考えておいた南アルプス、仙丈・甲斐駒作戦である。しかし、問題は天候。やはり、ずっと晴れというわけにもいかず、最初の2日間は安定しているものの、後の2日間は雨(山では雪)になるらしい。さらに問題、初日の22日の朝にムスコを保育園に預けに行かなければならない。つまり、いつものように前夜発できないのである。となると、えーと。初日は長野入りして仮眠。2日目は登山口の北沢峠まで行って3日目に仙丈ヶ岳、最終日に甲斐駒ヶ岳に登って下山か。いやいやちょっと待て。後の2日間は雪やぞ?たぶん吹雪や。行動できるできない以前におもしろないで。南アルプスがますます疎遠になってしまいそうや…

 南アルプス初見参は3年程前に登った夏の北岳。本邦第二位の高峰である。しかしずっと雨に降られ、超満員の山小屋から動けなかった。まさに「来ただけ」という我がアルプス史上(?)最悪の山行であった。この後、林道をバスに乗って行くという不便さもあって南アルプスには行っていない。だからこそ、次に行く時にはいい思い出を残したいと思っていたのである。

 えーと、勝負は最初の2日間や。しかし…ずっと悩んでいる内にある考えが閃光のようにひらめいた。「夜間山行」。初日の夕方に到着したらそのまま山入りして行けるところまで行き、翌日早立ちしてなんとか2日目の朝陽を仙丈ヶ岳で…いや、ちょう待てって!もう一人のオレが止める。初めての山やぞ?しかも雪山やで?荷物もハンパやなく重い上に夜間登山??んなアホな!?しかし、オレはもう決めていた。やってやる。震えが来た。この震えは恐怖のためか、それとも武者震いか…

 11月22日がやってきた。朝6時過ぎ、ムスコを起こし7時に保育園に預ける。そしてそのまま近畿道へ。名神から中央道へ。安全運転を心がけながらも、やはり気は焦る。今日が勝負や。早いこと着いたらそれだけ長いこと明るいうちに行動できる。昼飯もろくに食べずに高速を降りて伊那市街に入ると目指す南アルプスが正面に見えた。甲斐駒、仙丈、北岳…待ってろ、今行くぞ!南アルプススーパー林道入り口の戸台に着いたのは昼の1時。よし、だいぶ早く着けた。準備を済ませ、1時半、いざ出発。

01-R0016026登山口.jpg
戸台の登山口にて

 南アルプス、赤石山脈は奥深い山である。それが南アルプススーパー林道開通により一気にお手軽な山へと変わってしまった。バスに乗って1時間で北沢峠、仙丈ヶ岳・甲斐駒ヶ岳の登山口に行くことができる。北沢峠からは両山とも4時間程で登頂でき、一日で往復できる。だからガイドブックにはたいてい、「甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳/2泊3日」と載っている。名峰2座をたった2日で(中には1日でやってしまう強者もいるらしい)登れる欲張りで魅力的なプラン、というのが一般的である。しかし冬季になるとバスが運休になり、南アルプスも本来の静けさと奥深さを取り戻す。ちなみに今回の山行で出会った人、3人。

 北沢峠までは林道歩きではなく、昔ながらの旧道を行く。標高約1000mの戸台から戸台川に沿って河原歩き、森に入って標高約2000mの北沢峠に至る。時間にしてざっと6時間。休憩なしで歩き続けて、である。バスのありがたさが身に沁みて分かる。この時期の日照時間は短く、16時半に日没、17時には暗くなってしまう。それまでになるべく先に進んでおかなければならない。最低限、河原歩きを終え森の入り口には着いておかなければ。進む先に甲斐駒ヶ岳見える。雪が西日に映えてかっこいい。川を渡渉する箇所があったが拾った杖を使い、棒高跳びの要領で乗り切る。さながら三國志の名場面、「壇渓を跳ぶ」である。無論、杖に付けた名は「的廬」。

01-甲斐駒ヶ岳R0016030.jpg
西日に映える甲斐駒ヶ岳





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最終更新日  2009年03月08日 09時40分40秒
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