テーマ:山登りは楽しい(12033)
カテゴリ:日本アルプス登山記
5月に義弟のユンオと、大好きな槍ヶ岳へ登ることになった。槍ヶ岳は一番好きな山である。俗っぽいと思われようが、なんだろうが、好きなもんはしょうがない。まあ、オレの一番好きな山は、時々鹿島槍になったり八ヶ岳になったり北岳になったりするのだが、冷静に、平均的に一番好きだと言えるのは、槍ヶ岳、やろな。あの見事なトンガリ。やはりカッコいい。写真写りもいい。槍ヶ岳が入っているだけで、画面が締まる。その点、槍のてっぺんからの景色は、もひとつになってしまうのだけれど…
オレはもう、嬉しくて1ヶ月前からいそいそと準備を整えていた。しかし…直前になってユンオが来られなくなった。続いて出発の1週間前、オーケストラの演奏会で大曲を演奏し、オレは思いがけない程、心に大きな穴が空いてしまった。抜け殻のようだった。準備を進めないと、と思うのだが、何も手につかない。ダブルパンチを食らってしまい、自分でもビックリする程、やる気が起こらなかった。アカンわ、オレ…もう槍ヶ岳、止めようか。こんな気分で登ってもきっとおもろないで…それどころか、まだまだ雪の多いこの時期、準備不足は命取りである。「オレが槍が岳だったら、そんな腑抜けた気持ちのヤツには遠慮なく雪崩をお見舞いするね」どっかで聞いたような台詞が聞こえてきそうだ。近場の山をブラブラするか。いや、もう出かけるのも止めるか。新型インフルエンザも流行ってるらしいし、家で自粛しておこうか… 出発4日前。オレは仕事中、槍ヶ岳を見た。切手である。仕事の手が止まり、その切手をまじまじと見つめてしまっていた。(やっぱり、登りたい)帰宅して、写真集や雑誌を眺めた。なんだか心の穴が塞がっていく感じがした。登りたい。登ろう。せや、どうせ独りになったんや。最初の計画は破棄して、どこを歩きたいか、どの景色を見てみたいのかで、もう一度練り直そう。まだ間に合うで。やる気が出てきた。インフルエンザ?知るか、ボケ。 登りたい山、槍ヶ岳。歩いてみたいのは、実はまだ歩いたことのない槍沢。そして去年の夏に全く景色の見られなかった、槍から南岳の稜線。見てみたい景色は北穂からの槍。それらを総合すると。初日に上高地より槍沢、槍ヶ岳。2日目に槍ヶ岳から南岳、大キレットを経て北穂高岳。3日目は北穂から涸沢を経て上高地。…こらまたエラい、計画になってもうたな…しかし、気合い十分、ヤル気満々で出発日を迎えた。オレは相撲取りのように興奮していた。時間いっぱい、待ったなし! 北穂高岳より 05年10月撮影 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2009年05月30日 00時49分16秒
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