カテゴリ:エッセイ
新聞記事や広告コピー、役人の文章や若者の言葉などなど、意味不明な言語、大人になりきれない幼児化した物言い、思い上がった低劣卑俗な造語を次々に槍玉にあげ、乱れきった日本語を一刀両断する故江国滋氏の痛快エッセイです。 食通ぶってうまいだとか、まずいだとか。 そもそも極端にまずいもの以外は、その人個人の好みの問題に帰着する。 同じことが言葉についても言えますね。 好きな言葉に嫌いな言葉。 自分の感性だけでことばの嗜好を述べるのは、自称グルメが自分の好みを振りまわすのと同じで見苦しいだけ・・・(なんか自分の事を言われている様な気がしないでもないですけど・・・(笑)) その見苦しいことを承知の上で、著者はこのエッセイを執筆したそうです。 でも内容は決して見苦しくないですよ。 以前、当時の首相である麻生氏の読み間違いが随分と話題になりましたが、日本という国を動かす政治家とはいえ、昔から読み間違いはあったようですね。 国会の場で発言したある政治家の言葉「オイカ予算」。 何の予算だろう。と思いませんか? なんてことはないんです「追加予算」のことだったんですよ。 読みながら笑ってしまいました。 そうかと言えば、笑えない言い間違えもあります。 以前このブログにも掲載した「三菱銀行事件」という歴史に残る事件の緊迫した現場にて、ある記者がカメラに向かったこう言ったそうです。 「これで現場を終わります。なお、この後も新しい変化があり次第、随時、現場からお伝えします。ご期待下さい」 確かに安全地帯にいる視聴者の一人としては、野次馬根性丸出しで見ていたけど、「ご期待下さいって・・・」 監禁されている家族の気持ちをお察しすれば、大失言ですよね。 日々言葉は進化する。でも文法の原点は変わらないはず。 現代語が良いか悪いはかは別としても、きちんとした文章を書こうと思う人には本書をオススメします。 と、言いつつも、この著書を読んだ後は言葉使いに気を遣ってしまいました。 胃痛が痛い(笑) オススメ度:★★★☆☆(普通かな) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年09月15日 08時18分46秒
コメント(0) | コメントを書く
[エッセイ] カテゴリの最新記事
|