今村監督が30日に亡くなったそうです。
(
映画監督の今村昌平さん死去)
「にっぽん昆虫記」、「うなぎ」など見ましたが、好きな監督でした。
哀悼の意を込めて、以前の日記から「カンゾー先生」を転載します。
冒頭で 2機の米戦闘機パイロットの間の抜けた交信があり、この映画は何だ?と快調なすべり出しである。
往診で走りまわるカンゾー先生(柄本明)ではあるが、ウィルス性肝炎の危険性を察知して、研究も進めるプロフェッショナルである。
遊郭の女将からも慕われる生真面目なインテリ先生というパーソナリティが良いですねー♪(こういうの好き)
岡山弁による遊郭と医者と捕虜収容所の描き方に深みがあるなあー
映画祭出品作であるが、外国人にこの微妙なリアリティが 判るかなー
と思うが『うなぎ』でカンヌ映画祭特別賞をとるくらいだから、判るのかも知れない。
後半はオランダ人捕虜をかくまうとか、薬中の先生の殴り込みとか、クジラとの格闘などあり、原爆投下のキノコ雲で終わりとなる・・・なんでもありのテンコ盛で消化不良を起しそう?!
・・・・との感があるが ま いいか!
やっぱり 年食った監督が描くと終戦時の日本はこうなるのか。
若い監督はこういう視点では映画作りをしないだろうとも思います。
庶民の大らかさ、優しさ、したたかさ、猥雑さを描き続けてきた今村節は、健在であった。
また 坂口安吾原作を映画化しただけあって、ヒューマニズム、猥雑さに1本 芯がとおっているなあとも感じた。
|
今村昌平ウィキペディアより