無くしていた映画専用の愛用眼鏡(れいの片側のツルがとれたやつ)がでてきたので、久しぶりにくだんの2本立て館に映画を見にいったのです。
アジア人を米食い虫とののしるコワルスキーは人種偏見の塊のようなものであるが、その偏見は朝鮮戦争で培われたもののようです。
のっけからトヨタ車がでてくるが・・・・
この映画のタイトルが、フォード社の「グラントリノ」となっていて象徴的です。
トヨタ車が経済合理性の象徴として、つまりフォード社の工員だったコワルスキーにとっては諸悪の根源なんでしょう。
多分、癌かなんかに侵されているので、そのことを切り出そうとして息子に電話しても・・・・
日本車セールスマンの息子から「忙しいから週末にまた電話してくれ」とあしらわれてしまうのです。
朝鮮戦争の英雄でもあるコワルスキーは子育てに失敗しているような有様で、つれあいを失ったあとは生活が崩壊しかかるが・・・・
(このあたり団塊の大使も身につまされるのです)
隣屋のモン族の一家の優しさに、徐々にその偏見が溶けていくのです♪
一家の息子の意気地なさに業を煮やしたコワルスキーが、建設会社への就職前に男としての特訓を行うのだが・・・・・
なに 建設会社のオーナーの気を惹く態度、ため口の特訓なのだが、笑ってしまいます。
寅さんのため口をもっと柄を悪くしたようなもので、このへんのセンスは日本人の不得意とするもので・・・・・それは見てのお楽しみ♪
(あの鮮やかさは、公式HPなどで探してみます)
その隣屋が、チャイナマフィアのようなごろつき連中から機関銃の掃射を受けるや・・・・・
行き着けの散髪屋で髪をととのえ風呂にまで入り(つまり死に装束を調えて)、丸腰で出かけるが・・・・
(丸腰とあとでわかるのだが、これが命をかけたトリックなんです、ネタバレになるけど)
連中を死出の道連れにしてして一掃するところが、過激な老人の面目躍如というところです。
連隊記念のライターを握り締めて、こときれるところなんか・・・泣けるぜ。
イーストウッドの自作自演の映画であるが・・・・
ダーティハリーが歳をとれば、こんなにも頑固かつ過激な老人になるんですね。
映画批評家の批評なんか糞食らえとばかり、マッチョな正義漢を好演しています。
グラン・トリノ公式サイト