先日、サイバー戦争について述べたけど、その続きです。
人民解放軍がグーグルに加えたとされるサイバー攻撃もえぐいが、オバマ政権が準備している通信傍受・監視の法案もえぐいようです。
まあ、サイバー戦争は折込み済みという米中の情報戦争は、平和ボケの日本人から見るとすさまじいかぎりです。
今盛りのクラウド・コンピューティングですが、その危険性について「日本の論点2011」から引用します。
「日本の論点2011」文芸春秋編、文芸春秋、2011年刊
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―クラウドの導入は安全保障上、大問題― 岸博幸p451~454
<新しい技術的要素は何も含まれていない>
クラウド・コンピューティングという言葉が大流行している。クラウド・コンピューティングとは、これまでユーザーが自分で行っていたコンピューターのソフトウェアやデータの保管・管理などを、ネットの向こう側から提供されるサービスで代替するものである。
ちなみに、じつはこのクラウド・コンピューティングという言葉には何も新しい術的要素は含まれていない。昔からあるデータセンターのような遠隔サービスやネット上で利用可能なサービスをまとめて、新たな名前を付けたにすぎない。
いまやさまざまな日本企業がクラウド・サービスを提供しているが、グーグル、アマゾン、セールスフォースなどの米国企業が価格などの面で圧倒的に強い競争力を有するので、日本でもそれら米国企業が市場を席巻している。
<サーバーがどこの国にあるかわからない不安>
「クラウド」という言葉に象徴されるように、ユーザーがクラウド・サービスを導入すると、「雲の向こう」のサーバー、つまり自分で完全にはコントロールできないブラックボックスにたくさんの情報を預けることになる。
その場合、情報を預けるサーバーなどがどこの国に置かれているのかわからない場合が多いということである。
それがなぜ問題になり得るのか。サーバーなどが置かれる国の法令を熟知していないと、機密情報が「合法的に漏洩・閲覧」されるリスクを避けられないかもしれないからである。
たとえば、米国に「愛国者法(Patriot Act)」という法律があるのをご存知だろうか。2001年9月11日の米国同時多発テロ事件を受け、内外のテロリズムと戦うことを目的として米国の政府当局にさまざまな特別の権限を付与する法律である。そして、あまり知られていないが、この法律に基づけば米国の捜査当局(FBI)は捜査令状なしに電子メールなどのデータを入手して捜査に利用できるのである。
このような法律の存在に加え、非合法・水面下のレベルの情報活動まで含めて考えると、米国企業のクラウド・サービスを利用する場合に、サーバーなどが米国内に置かれていたら、有事の際などにはサーバーに預けている情報を覗かれる可能性が高いと考えざるを得ない。
加えて言えば、万が一クラウド・サービスにトラブルが発生して不利益が生じた場合、契約書の内容によっては、サーバーなどが置かれている米国内の州の法令に基づき、その州の裁判所で訴訟を提起せざるを得ないかもしれない。
そういう安全保障面でリスクが存在し得るサービスなのに、価格が安いからといって米国企業に依存していいのか。とくに政府や社内の機密情報などについては慎重であるべきではないだろうか。
<データファイル-49>
●クラウド・コンピューティングとは米グーグル社が提唱した概念で、巨大なインターネット網から我々の手にデータが落ちてくるさまを、雲から降り注ぐ雨にたとえたもの。
グーグルは電子メール、カレンダー、画像編集といった、これまでのソフトウェアの形で提供されてきた機能のウェブサービス化に邁進している。クラウド・コンピューティングは同社の旗印と言ってもよいだろう。
●昨今、クラウドは世界的なトレンドとして一大潮流を成しており、またスケールメリットが高いこともあって、グーグル、IBM、アマゾン、セールスフォース、マイクロソフトといったグローバルに展開するIT企業はクラウド事業の拡大に日々努めている。
IBMが10年10月に発表したIT技術者への調査結果でも、「今後5年間で、クラウド・コンピューティングが業務用ITコンピューティングの主流になる」と予想する回答が91%を占めた。
総務省の調査では、クラウド型サービスの利用経験がある米国企業は56.2%に達しており、日本の14.8%を大きく引き離している。
●日本国内のクラウド利用事例では、09年7月から運用しているエコポイントの申請用ウェブサイトが代表例だろう。請け負った米IT大手のセールスフォースはエコポイント向けのクラウド型システムをほぼ1ヶ月で構築してみせた。同社のクラウド型システムはとくにトラブルもなく順調な運用が続いている。これはクラウドのメリットを国内企業に示す象徴的な事例となった。
●10年9月、アメリカの新聞各紙はオバマ政権がネットサービスの通信傍受・監視を強化する法案を準備していると報じた。この法案が成立した場合、FacebookやTwitter、Skypeといったソーシャルメディアはもちろん、クラウド型サービス全般まで監視の対象になる可能性がある。また、法案では各サービスで使われている暗号技術の解読技術提供も義務付けている。
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情報デバイドを被っている大使でも、楽天ブログに公民館とか図書館からでもアクセスできるので、まあ一種のクラウドとも言えるのです。
(スマホを契約すれば、どこからでもアクセスできて完璧なクラウドになるけど)
アメリカ発のクラウドという言葉がでる前から、楽天ブログを使っているけど・・・
楽天ブログは使い勝手もいいので、アーカイブや画像や文章データを系統だって保管するには、なかなかの優れものなんですね。
ところで、楽天さんのサーバー管理では、これらのデータはいつまで保管してくれるでしょうね?(無料で利用しているので、あまり大きな声で言えないけど)
これらデータの保管ということでは、ブログのミラーサイトを作るか、楽天データを各自のパソコンにコピーしておくことをお奨めします。