<図書館大好き2>
晴走雨読の大使はほぼ2週間おきに大学図書館と市立図書館に通っているが・・・今回借りた6冊です。
だいたい支離滅裂に借りているけど、今回は「マンガ」という傾向が出ています。
・100 (Big spirits comic special)
・知識的大衆諸君、これもマンガだ
・水木しげるの遠野物語
・できるかなリターンズ
・ウルトラ・ダラー
・透明水彩
【100 (Big spirits comic special)】
松本大洋著、小学館、1995年刊
ゾウ
ネコ
<出版社からの内容紹介より>
「ZERO」「花男」「鉄コン筋クリート」と絶えず漫画表現を切れ味鋭く切り開いてきた松本大洋。その活躍は青年コミック誌シーンのみならず、演劇、音楽、ファッションなどの方面からも注目を集めている。そんな作者の、単行本未収録短編を中心に、新作イラスト、描きおろし短編などで構成した、オールカラーコミックが本書である。 本書は連載作品の単行本化が通常であったコミックスを、音楽のアルバムのように、アーティストの世界表現の場ととらえ直し、今後の漫画家の表現の場に新しい可能性を示すものと自負している。単なるイラスト集ではなく、現在、最も進化した形のコミックスとして見ていただきたい。 と言っても実験的、難解な作品が並んでいる訳ではなく、松本大洋短編に共通したメルヘン的な味わいは絵本としても十分、楽しめる。また、自作品のキャラクターを新しく解釈したイラストなどは、マニア必見のものと言えよう。 発表日の10月25日は、作者の誕生日。ここまでの、松本大洋の仕事の100%を、そして近く発表される長編新作への予兆をも、この本の中から感じとって、松本大洋の独特な魅力のとりこに、あなたもなってしまおう!
<大使寸評>
大学図書館で借りた本だが、大人の絵本として、観賞に耐えうる画力がええでぇ♪
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【知識的大衆諸君、これもマンガだ】
関川夏生著、文芸春秋、1991年刊(単行)1996年刊(文庫)、12年2/10読破
<「はじめに」より>
マンガの敏感さは、流行に弱いとも、ある年代層の関心を強く投影するともいいかえることができる。読者はその年代によってマンガを選ぶのだが、読者もまたマンガによって選別されている。陸続と発芽する骨細胞のように新しいマンガ作家と新しい読者は誕生しつづける。しかしそれらのマンガを、先行する読者は理解できないことがある。新しいマンガはしばしば既成の読者を拒否するのである。すなわちマンガ作家たちは、彼らの作品の読者とともに成長し、読者によって成熟し、そして読者としめしあわせて老化していく傾向があるのだ。そして、そのような限界を超えた作家と作品は、巨匠であり古典である。
<目次>
「女こども」がこわい 内田春菊『南くんの恋人』
スナドリネコの人生 いがらしみきお『ぼのぼの』
経済マンガってなんなの? 石ノ森章太郎『マンガ日本経済入門』
努力する「破滅型」 柳沢きみお『男の自画像』
「レトロ」にあらず 岡本蛍・刀根夕子『おもひでぽろぽろ』
帰りたい風景 宮崎駿『となりのトトロ』
日本人とはなにものか 手塚治虫『グリンゴ』
手塚のほかに神はなし―追悼手塚治虫
回顧的空気の今日性 さくらももこ『ちびまる子ちゃん』
「男らしさ」「女らしさ」への忌避 上村一夫『関東平野』
会社とはそんなにつらいところか 弘兼憲史『課長島耕作』
自己嫌悪の日本 かわぐちかいじ『沈黙の艦隊』〔ほか〕
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この本は、図書館で借りたのは2度目になります。
【水木しげるの遠野物語】
水木しげる著、小学館、2010年刊
<内容紹介>より
座敷童、河童、鬼……生活の中から人々の想像力が生み出した妖怪が、今動き始める。妖怪の原点である柳田國男氏の名著を水木しげる氏がコミック化。日本妖怪史上最強の黄金タッグが実現。妖怪の里遠野紀行も併録。
<大使寸評>
家には父親から引き継いだ「柳田國男全集」があるのだが、積読状態である。
で、とっつきやすい水木しげるのマンガでアプローチを試みた次第です。
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【できるかなリターンズ】
西原理恵子著、扶桑社、2000年刊
<「BOOK」データベース>より
流しの編集・新保くんがしつこく持ってくる企画「ロボット相撲」。賞金百万円をゲットすべく、全国大会優勝に向けて壮大なプロジェクトを立ち上げたが…。“とりあえずやってみよう、やみくもに行ってみよう”の精神で、やったモン勝ちの激闘記。インドネシア暴動を見物したり、カンボジアの地雷原を散歩したり。自衛隊に体験入隊したかと思えば、サハリンの酔っぱらいたちと高歌放吟。サイバラ行くところ必ず何かが巻き起こる!大人気の「できるかな」シリーズ第2弾。描き下ろしマンガ&特製占いサイコロのふろく付き。
<大使寸評>
あいかわらず西原理恵子の追っかけを続けています。
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【ウルトラ・ダラー】
手嶋龍一著、新潮社、2006年刊
<「BOOK」データベース>より
「拉致」衝撃の深層!昭和43年暮れ。東京・荒川に住む若い彫刻職人が、忽然と姿を消した。それから35年以上の月日が流れ、ついに全貌が明らかになる…。ダブリンに超精巧偽百ドル札あらわる!震源は「北」。前NHKワシントン支局長の著者が放つ衝撃のドキュメンタリー・ノベル。
<大使寸評>
北朝鮮が偽札でウクライナ製ミサイルを買う危機が迫るというサスペンス小説である。
英国情報局員、検知器メーカー社員らが偽札を追って、韓国、ロシア、中国、パリと飛び回り・・・・・
「アメリカを刺激しないよう北朝鮮が独自に巡航ミサイルっを手に入れたように装って、対日抑止のカードとする―なんとしたたかな中国流か」・・・・
麻子が中国のスパイではないかとの疑惑が上がるあたりから、引き込まれる小説である。
NHK前ワシントン支局長の余技のような小説かと思っていたが、骨太な背景のもとでサンマルタン運河沿いの「北ホテル」やロイヤル・アーミーの最新ライフルも出てくるなかなかのサスペンスドラマとなっています。
韓国路線ではアシアナのアップグレードにはお世話になった大使であるが、中国のハニートラップには幸か不幸かお世話にならなかったなぁ(笑)
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【透明水彩】
武田信吾著、グラフィック社、2009年刊
<カスタマーレビュー>より
透明水彩独特のにじみを利用した光の捉え方。
白い空間を生かした独特の空間表現
透明水彩とは思えない、はっきりしたコントラスト
<大使寸評>
暇になったら、絵を描きたいと思う大使であるが・・・・
なかなか、その踏ん切りがつかないのである。
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<透明水彩より>
「降っても晴れても」
空の明るさは印象を左右する。空は明るめにして絵の明暗の基準とする。とくに空が広い面積を占める場合は、空の明るさの印象は大きい。雨の日でも光はいっぱいあることが多い。「明るさの段階=Value」は、ひとつの絵の中で複雑にはしない。
「空を塗る」
紙に水を塗ることから始める。空全体に、水を塗る。3回目、4回目と、水をたっぷりと紙を含ませていく。
雲の形は、ごく薄く鉛筆で下書きしている。水をこれだけ含ませて色を置くと、明るい色を塗っても、鉛筆線が気になることはない。
「渚にて」
透明水彩で白波を描くとき、白抜きは避けて通れない。生き生きした痕跡を残すためには、失敗してもやり直さない決意が必要だが、水で洗う、ナイフ等でひっかくことで紙の地色を出すこともできる。
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とまあ・・・・
抜き打ちのように、関心の切り口を残しておくことも自分史的には有意義ではないかと思ったわけです。
5/11
市立図書館で今回借りた5冊です
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図書館大好き老人の読書一覧