松下政経塾の旬も過ぎたのか、予約者を渡り歩いていた「松下政経塾憂論」が図書館に帰ってきたので、借りて読んでいるところです。
野田首相の出来が芳しくないので、すっかり評判を落としてしまった松下政経塾であるが・・・・
「松下政経塾憂論」という本の存在まで霞んでしまったようです。
【松下政経塾憂論】
江口克彦×東海由紀子著、宝島社、2011年刊
<内容紹介>より
松下政経塾出身者は、なぜ口だけ達者でひ弱なのか? 今年9月、初の政経塾出身者が首相になりました。野田政権の中枢には玄葉外相をはじめ、前原政調会長、樽床幹事長代行など政経塾出身者がズラリ。しかし、その実行力には疑問符がつきます。一体、松下政経塾とはどんな場所で、何を教えているのか? 奨学金はいくら? 出身者はどういうところで活躍しているのか? 側近として松下幸之助に23年仕え、政経塾創立に尽力した江口克彦氏と、松下政経塾23期生の東海由紀子氏による共著。政経塾を誰よりも知る2人が、すべてを明かします。
<大使寸評>
結果的に東海さんの入塾体験記になっていて、興味深いレポートです。
塾の評価は結果(塾出身者)が全てであると思うが・・・・結果がショボイですね。
はたして、何がわるかったのか?と考えさせる意味では、出版し世に問うた意味があるとは思うのですが。
Amazon松下政経塾憂論
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この本のレビューをネットで探してみました。
<中田安彦さんのブログ>より
松下政経塾というと野田佳彦や前原誠司、玄葉光一郎、原口一博といった民主党の主要な政治家を輩出(排出)したことで知られる。政経塾上がりといえば、この本を読むまでもなく「インテリ、世間知らず、タカ派、口先だけは立派」などというイメージを私は持っていたが、なぜそのような政治家が出来上がるのかということが、東海、江口克彦の両氏によって解き明かされている。
一部を紹介したい。
<そろそろ選挙という時期になると、塾員の立候補者リストが塾側から塾生に配られます。本来、公益法人は選挙活動をしてはいけないのではないかと思うのですが、そこはあえて誰も触れなかったように思います。>(85頁)
<当時は、夜はほとんど毎晩のように、塾生同士でお酒を飲んでいました。(略)カラオケにもよく行きましたが、他の塾生が歌っている時に街頭演説の練習をしている人がいたりして、最初はびっくりしました。酒盛りしているか議論して喧嘩しているかなんて、幕末の志士みたいだなと思っていました。そのせいかどうか、政経塾は明治維新や幕末の志士が大好きです。>(79ページ)
政経塾は完全に失敗だったのではないか。その結果は、不況下で更に追い打ちをかける復興増税や消費増税という最悪の政策を打ち出す野田佳彦という作品が証明している。
政治家を育成するというのは難しいことである。しかし、政経塾は松下幸之助がそのシステムを完成させる前に亡くなったこともあり、極めて不完全な存在である。輩出される政治家も不完全なのはそのためだ。松下翁の人材育成の「志」は良いとしても、もはや政経塾というスタイルではなく、「松下奨学金」などの形に変えていくべきだと思う。
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政経塾は完全に失敗だったのではないかと手厳しいです。
それから、紐なしの「松下奨学金」などの形に変えるのは、いいかもしれませんね。
一方で、気になるのは維新政治塾の動きですね。
橋下さん、古賀さんの動きが、窒息したような政治に、ある種の息抜きを与えているけど・・・・海のものやら山のものやらわからない怖さがあるのです。
古賀さんが4日のツイッターで呟いているけど・・・
@kogashigeaki: これから維新政治塾で講義。テーマは「既得権と闘う成長戦略」。野田政権が出した「日本再生戦略」は究極の官僚の作文で、単なる「バラマキの成長戦略」。自民党のマニフェストも公共事業バラマキに先祖帰り。維新がどこまで本気で既得権と闘えるのかが問われます。
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・・・・さて、お手並み拝見としましょう。