図書館で『ロスト・シング』という絵本をみっけ♪
日本で2012年に発刊されたこの絵本は、オーストラリアでは2000年に発刊されています。いわば、ショーン・タンの絵本の原点のようです。
絵本であるが、大人向けのSF風イラストでもあるわけで・・・・
優しいショーン・タンの持ち味がよく表れています。
【ロスト・シング】
ショーン・タン著、河出書房新社 、2012年刊
<商品説明>より
少年が海辺で出会った迷子は大きくて赤いだるまストーブとヤドカリとタコが合わさったような奇妙な生き物。街でも目立つのに誰もその存在に気づかない。アカデミー賞受賞映画の原作絵本!
<大使寸評>
日本で2012年に発刊されたこの絵本は、オーストラリアでは2000年に発刊されています。いわば、ショーン・タンの絵本の原点のようです。
絵本であるが、大人向けのSF風イラストでもあるわけで・・・・
優しいショーン・タンの持ち味がよく表れています。
rakutenロスト・シング
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訳者あとがきの一部を紹介します。
《帰るべき場所》《帰属》というテーマをつねに追い求めていると、訳者から紹介されています。
『ロスト・シング』は、オーストラリアのイラストレーターであり作家であるショーン・タンが、『アライバル』(2006年)、『遠い町から来た話』(2008年)に先立つ2000年に発表した、彼の絵本作家としての本格的なデビュー作である。
夏のある日、少年が海辺で迷子の生き物と出会い、その飼い主を探して街を歩きまわる。大きくて赤くて、だるまストーブとヤドカリとタコが合わさったような奇妙なその生き物は、灰色の殺風景な街の中でひどく目立つのに、なぜか誰もその存在に気づかず、関心も示さない。はたして迷子の家は見つかるのか――。
《帰るべき場所》《帰属》というテーマをつねに追い求めるショーン・タンの原点が、『ロスト・シング』にはある。奇妙な迷子は、理由も意味もなく、「ただそこにいる」ものだ。あらゆるものがコントロールされ、無駄や逸脱を認めない社会では、この迷子のように無意味で分類不能なものは居場所を与えられない。人々のセンサーからこぼれ落ち、姿さえ見えなくなってしまう。そんなふうにそんなふうに社会の決まりごとからはみ出してしまった、よるべないものに注がれる作者の目は優しい。
その目になって、少年といしょに迷子の家を探すうちに、この表情のない、言葉も話さない、およそ共感できそうな要素のない変てこな生き物が、むしょうに可愛く見えてくるからふしぎだ。
(中略)
『ロスト・シング』は作者自身の手でアニメーション化され、2011年度アカデミー賞短篇アニメーション賞を受賞した。監督・脚本・デザイン・美術をすべて自分でつとめ、納得のいくものに仕上がるまでに10年の歳月をかけたというのが、いかにも彼らしい。
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絵本の一部を紹介します。
それらしい場所
扉が開いた
裏表紙
なお、
ショーン・タン公式サイト:The Lost Thingでも、英文メモ付きの絵が見られます。
“A dark little gap off some anonymous little street” acrylic, oils, collage.