図書館で『ウクライナ(ナショナルジオグラフィック2023年6月号)』という雑誌を、手にしたのです。
おお ナショナルジオグラフィックのウクライナ特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪
【ウクライナ(ナショナルジオグラフィック2023年6月号)】
雑誌、日経BPマーケティング、2023年刊
<商品の説明>より
【特集】
●わが愛しき祖国
ウクライナ人によるプロジェクトが記録した、戦いの前の美しい祖国。
●原生の自然を探して
手つかずの自然とは何か。その答えを見つけたいと、原生自然地域になっている米国ニューメキシコ州のヒラの森を訪れた。
●宇宙から来た金属
製鉄技術が誕生する以前、古代の人々は空から落ちてきた隕石に含まれる鉄を使って、貴重な装飾品や武器を作っていた。
<読む前の大使寸評>
おお ナショナルジオグラフィックのウクライナ特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪
rakutenウクライナ(ナショナルジオグラフィック2023年6月号)
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過酷なウクライナの現状を、見てみましょう。
(写真・文:渋谷敦志)
p37~48
<若者たちが描く未来>
ロシア軍がウクライナに全面侵攻をしかけた2022年2月24日から1年3ヵ月余りが過ぎた。ウクライナは国の存亡をかけて抵抗を続けている。ロシアは国際社会で孤立を深めているが、軍事攻撃をやめる気配はない。むしろ、ウラジミール・プーチン大統領は、「ウクライナは歴史的にロシアの一部だ」と侵略行為を正当化する強弁を繰り返し、ウクライナという国家、民族の制服をももくろんでいるかに見える。
相手を服従させるには、恐怖を与えればいい。そうすれば幸福は時間の問題だと、ロシアの戦争責任者は考えたのだろう。しかし、その狙いは外れたばかりか、逆に、不屈の闘志と民族の矜持をウクライナ人にもたらした。ロシアがウクライナを手に入れようとすればするほど、ウクライナは遠く離れていく。この1年余りの取材で得て実感だ。
2022年8月、ウクライナ取材はブチャから始まった。路上に放置されたおびただしい数の遺体、後ろ手に縛られたまま殺害された人々・・・。首都キーウにほど近い町で起きた大量虐殺を記録した映像に衝撃を受けた。ロシア軍による約1ヶ月間の占領下で殺害された市民は420人以上。
犠牲者は戦闘とは無関係の民間人ばかりだった。ウクライナで起きている紛争はただの二国間の戦争ではない。ロシアによる侵略戦争であり、人道に対する重大な犯罪行為である可能性が極めて高い。そのことを何よりまず肌身に感じなければと、取材の端緒をブチャに求めたのは自然な流れだった。
ブチャで生まれ育ち、隣のイルピニの市役所に勤務するアナスタシア・フライバーグさん(24)は、虐殺を生き延びた一人だ。
「2月24日の朝、爆発音で目が覚めた。最初は隣人がドアを閉めた音かと思ったが、まもなく友人が電話で『戦争が始まった』と伝えてきた。21世紀にもなってまさか戦争なんてするはずがないと思ったが、27日には砲撃の音は地面を震わすほど激しくなって、3月3日には町はロシア軍に完全に占領された」
アナスタシアさんは両親と妹、祖父母の6人と地下室に身を潜めた。4日以降、電気やガス、水道や通信も止まる。逃げるべきか、とどまるべきか。どちらに生き延びる見込みががあるのか判断は難しく、「ここで死ぬかもしれないと思い、心の中で人生にお別れをした」。
命綱になったのが、祖父が持っていた古いラジオだった。必死に耳を傾け、市民を避難させる「人道回廊」が設置されると知る。そして3月10日、決死の覚悟で自宅を派なら、なんとかキーウに逃れることができた。
ブチャの解放後、避難せずに自宅にとどまった祖父母から、「10日に5人のロシア兵が家に来て、家族写真を見て『孫の女はどこだ?楽しませろ』と銃を突きつけられて尋問された」と聞かされた。あと1日避難が遅かったら、彼女は生存できたかどうか。
「なぜ攻撃されるのか、なぜ殺されるのか、私にはわからない。はっきりしているのは、戦わなければ、私たちには悲しい未来が待っているということ。国のためにファシストと戦う人を支えて、未来を変える。それが今の私の目標」といい、避難生活を終えてブチャに戻ったアナスタシアさんは変わり果てた故郷の町並みに静かに目をやった。
「これまではあらゆるレベルでロシアが上、ウクライナが下とみなされてきた。ウクライナ人は田舎者で、ウクライナ語はカッコ悪い方言だという考えがあったし、私の中にもあったが、その考えはこの戦争で一変した」
そう語るのは、大学生のナディア・チュベンコさん(21)だ。親からの避難の求めに応じず、自らの意思でキーウに残り、市内のカフェを拠点に前線に近い町に救援物資を送るボランティア活動をした。時おり、ウクライナの歌を歌ったり、ウクライナの国民的詩人タラス・シェフチェンコの詩を読んだりするチャリティーイベントを開く中で、「ウクライナ的なもの」への関心が高まったという。
2014年に東部のドネツィク州とルハンシク州で戦争が起きて以来、政府は「ウクライナ化」を推し進めてきたが、ナディアさんの場合、その変化は自発的に起きたものだった。「見下されてきた言語も文化も、元々は私たちの奥底で眠っていたもの。ロシアの『非ウクライナ化』でも失われなかったもの。それらを私たちの世代であるべき形に戻して、再生していけばいい」
隣で話を聞いていた双子の姉妹のアナスタシアさんは、にわかにウクライナ国民としてのアイデンティティーが強まっていることに同意しつつ、それ以上にウクライナの若者の中で変わったのは、自由への意識ではないかと主張する。
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ウン ウクライナの立ち直りを取り上げたナショジオのスタンスがいいではないか♪
このテーマとは関係ないが、ナショジオが取り上げた
『シルクロード(ナショナルジオグラフィック)』が、ええので紹介します。