図書館予約していた『Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機』という雑誌を、待つこと12日でゲットしたのです。
このところ、毎日、円安のニュースにさらされて意気消沈気味であるが、この日本の危機に日本政府はどう対応しているんだ!・・・と叫んでも虚しいのだ。
【Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機】
雑誌、ウェッジ、2024年刊
<商品説明>より
■【特集】霞が関の危機は日本の危機 官僚制再生に必要なこと
かつては「エリート」の象徴だった霞が関の官僚はいまや「ブラック」の象徴になってしまった。
官僚たちが疲弊し、本来の能力を発揮できなければ、日本の行政機能は低下し、内政・外交にも大きな影響が出る。
霞が関の危機は官僚だけが変われば克服できるものではない。政治家も国民も当事者だ。
激動の時代、官僚制再生に必要な処方箋を示そう。
<読む前の大使寸評>
このところ、毎日、円安のニュースにさらされて意気消沈気味であるが、この日本の危機に日本政府はどう対応しているんだ!・・・と叫んでも虚しいのだ。
<図書館予約:(4/16予約、副本?、予約1)>
rakutenWedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 |
泉房穂・前明石市長
SPECIAL INTERVIEWで泉房穂・前明石市長の提言(続き)を載せているので、見てみましょう。
p48~49
<悪循環の日本 最大の要因は「時代」>
そうこうしているうちに、日本の国力は低下し続けている。
私は、その最大の要因は「時代」だと考えている。「右肩上がりの時代」から「右肩下がりの時代」になったということだ。
右肩上がりの時代には、財源が増えるので、これまでやっていた10のことをやりつつ、新しく1のことをやることができた。しかも、財源は11どころか、12、13・・・と増えていった。
だが、今やそんなことは不可能になった。右肩下がりの時代には、問題が増える一方で、使えるお金は減っていく。11のことをしなければならなくても、財源は10ではなく9、8、7・・・と減ってゆく。何が必要かといえば、これまでの10を見直すことだ。「何を続け、何をやめるか」という方針転換が、政治家には一段と求められている。
ところが、今の政治家は、時代の変化を直視せず、「魔法の杖」なんてないのに、いまだに右肩上がりの時代感覚でシステムを維持しようとしている。それでいて国民を救うという「情熱」もなく、不必要な政策をやめるという「方針転換」も決断せず、「責任」を取ることからも逃げ続けている。
「政治家のフリをしている政治家」があまりにも多いのだ。
時代の変化について、私が心配していることの一つに少子化問題がある。今の日本が特にしんどい状況にあるのは、大きな時代の転換点に直面しているのに、この問題にうまく対応できていないことにある。
私はかつてフランスの少子化対策を学んだが、93年に出生率が1.66にまで落ち込み、「このままでは国が滅びる」との危機感から国家を揚げて「方針転換」し、一気に子ども施策に重点を置いた。それは国民の気持ちをも変える大転換であった。
日本も同様の「方針転換」ができなければ、これまで築き上げてきた社会構造が坂道を転げ落ちるように崩れる可能性がある。
国家予算も膨張し、税・保険料の国民負担も増えるばかりだ。社会を運営していくためにどうしても必要な予算や負担なら理解できる。しかし、今の政治家から「なぜそれが必要なのか」という納得のいく説明は聞こえてこない。国民の負担を減らすために何かをやめる、何かを諦めるといったことも一向に示されず、選挙対策として、必要性が疑わしい公共事業などがいまだに続けられている。
30年間給料は上がらず、経済成長もせず、国民負担は増えるばかり、おまけに昨今は物価高も直撃している。国民の不満はマグマのようにたまっており、いつ大噴火してもおかしくない状況だ。
まさに、「今の3対1」から「本来のあるべき3対1」の関係性への大転換が求められている。
それには、官僚自身が変わらなければならない点も多々ある。だが、そもそも官僚は選挙で選ばれているわけではなく、各省庁に就職している公務員である。政治家とは異なり、責任の取りようがない。さらに、政治家が官僚に責任をなすりつけようなことが横行すれば、官僚は委縮し、合理的な判断ができなくなる。これでは、官僚の良いところまで失われてしまう。
だが、政治家が本気になって覚悟を示し、大きな決断に基づき「私が責任を取るから、思い切りやってほしい」という覚悟を示せば、多くの官僚たちは国民のために懸命に業務を遂行するものだ。これは断言してもいい。
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『Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機』3:泉房穂・前明石市長の提言
『Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機』2:PART 1 未完の公務員制度改革
『Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機』1:INTRODUCTION