へらつろ(清遊湖)2
前回の続きから。K氏がようやく初ヒットしたもののなかなか後が続かない。周りも釣れている様子は余りない。私も久しぶりの長竿の釣りなので棚(魚の群れている層)やら餌の具合(浅い棚よりも少し溶け難いようにしないと底まで餌がもたない)やらを色々考えて試すのに時間がかかる。風はほとんど無いが、あいにく天気は曇りで気温もなかなか上がらないため露出しているおててが寒い(おててって)そんな状況を察してか、K氏が魔法瓶に入れたお湯でインスタントコーヒーを接待してくれた。お接待コーヒー。長年の独身生活で冷え切った心は寒いが、おててと体はあったまるゼ(冷え切ってんのか?俺の心)ま、改めてのんびりやりますか、と気を取り直して。長い竿とゆっくり浮き沈みを繰り返す浮と静かな湖面とをぼんやり見ているような見ていないような・・・・・・・・・・・と、浮がユラ~と沈むと反射的に竿を上げている。本日のもしかしたら唯一になるかも知れないヘラブナさん。写真じゃ余り大きく見えないけど大きくね?さすが底の方に居るヤツらは大きいゼ。暫くして2匹目。アレっ小さくね?底釣りしてる意味ないじゃん。その後は暫く二人とも苦戦。無釣果のままただ時間ばかりがいたずらに過ぎて行く。隣のK氏の足元には何故かヘラブナの群れが寄ってきた。(やっぱ写真じゃ見えにくいな)結構大きいヘラさん達がウヨウヨと集まっている。釣れないのに足元にはたくさん集まってくるというアンチテーゼな現象に業を煮やしたのか(?)K氏がなんと「足元のヘラさん釣っちゃうゾ作戦」という暴挙に出る。ホントに釣っちゃうし(写真なし)昼過ぎてようやく私ももう一枚(ヘラブナは平べったいので枚と数えるのだ)ゲットーーー(つーか一段と小せーし)深いところって大きい魚いるんじゃねーのか?数も型も小さいんじゃただ難しいだけの釣りってぇことになりますけど・・・・・(でも前方で底釣りしてる人はたくさん釣ってたので数が釣れないのは自分の腕がないだけなんだが)因みにK氏はいつも通りの浅い棚で最終的に20匹以上釣った。そんな私のジレンマを察してか今度は趣向を変えて昆布茶が出てきた。昆布茶のお接待。薄曇りの春の空と伝統的なヘラブナ釣りに昆布茶・・・・・いやぁワビサビの世界ですな(って釣りたいよオレだって)またしても午後からは静かな湖面と電池の切れた時計のように思い出したようにちょこっとしか動かない不動の浮を眺めて瞑想の世界へ・・・・・・・・・・・と、その様子を察してか否か午後のコーヒーが出てきた。次から次へと飲み物が出てくるので段々K氏が喫茶店のマスターに見えてきた(ご馳走様でございました)閉園30分ほど前にKさんは何やら用があるとのことで早々に帰ってしまった。残された私は後1枚と念じつつ・・・・・念願のラストを飾る一枚。型も40cm級のなかなか満足行くヘラさんだった(底釣り難しいなぁ・・・・・)K氏が早々に帰りの準備を始めた直後、一瞬生暖かい空気が顔をなでた気がした。気のせいかと思ったがK氏が同じことを口にしたし、その後暖かい南風が吹き始めた。春一番の吹き始めはヘラブナと共に・・・・・・「ねはんの里」