出トーガネ記6
よーし。ガブガブいっちゃうよ?って古いか。あ、この人ね。カリスマホスト零士。おお、懐かしいな。こういう調子のいい人、個人的に大好きです。うん、まぁいいや。サクサク行こう。2月7日。この日は日曜日。いよいよ大豊町入りすることにしていた。目覚めたのは熊谷寺の山門のすぐ傍。とりあえず吉野川に沿って上流へと上って行く。あ、今日はこんな感じに移動しますぜ。暫くはノンビリとした道をゆっくりと走っていく。途中つるぎ町役場の辺りで国道438号線を剣山の方へと曲がり細い山道を観光バスとすれ違いながら上ることおよそ10km。着きました。これで、剣山「ゆうま」温泉と読む。広くはないが、小奇麗で小さいけどサウナも露天風呂もあり、何より人が少なく400円と安いのでお薦めだ。昼前までゆっくりした後再び吉野川まで戻り川沿いに上流へと向かう。途中三好市(旧池田町)で池田ダムの前に、あの甲子園で有名な池田高校をはじめとして池田小・中・高とズラーっと並んでいるのを妙な気持ちで眺めたりした。池田 上・中・下 みたいな。仮に池田に 松・竹・梅 とかランクがあったなら間違いなく俺は池田の梅クラスだな、と思ってニッコリした。(笑ってる場合かよ)更に20kmほど吉野川を上ると看板が見えた。小歩危(こぼけ)更に5km。大歩危(おおぼけ)「一度きりの人生、どうせボケるなら大ボケでありたいものだな」冬の昼下がり。正面から降り注ぐ眩しい光。私は眉間にしわを寄せゆっくりと深く頷いた。(そんな渋いセリフかよ)なんて、ニヤニヤしながら川沿いのワインディングロードのドライビングを楽しんでいると道の駅が見えた。車を停めて駐車場の手すりから身を乗り出し美しい大歩危峡を激写。エメグリだぁ~写真をパチクリと撮っているとホーキとチリトリを持ったおっちゃんが近づいてきて一言、「ホンマごみだらけや」振り向くと顔はにこやかだった。タバコの吸殻捨てる人が多くてねぇ、なんてブツブツ呟いている。タバコ吸う人はマナー悪いですからねぇ、なんて相槌を打つ。何のことはない。かつての私の行動を振り返っていたに過ぎないのだが。私は接客業をするようになって、止めた。もう4年前のこと。おっちゃんのチリトリには吸殻ばかりがギッシリと入っていた。今の僕には税金の山に見える。高くなったよなぁ。ああ、勿体ない。ま、いいや。折角だから道の駅内にある石の博物館とやらを見て行こうと思って館内に入る。↑案内板の下。紙に改装工事のため1月5日-3月31日まで休館と書いてある。そんなぁ。ま、いいか。売店の方に歩いて行くと石の加工品がたくさん置いてあった。これは勿論売り物だ。コレなんかは大理石のランプだそうだ。↑57,000円也。んまぁ、ステキぃ~とか言って買う人おるんかいな。その他小さいのから色とりどりな物までたくさん並べてある。ハイ、出発。もうちょっとだ。そこからおよそ15km。15時過ぎに梶ヶ森中腹、標高800mにある渡辺さんの農場へ。おっと、まだ雪が残ってるな。しかしいい眺めゼヨ。到着するといつものように彼が出迎えてくれた。ああ、やっぱり吠えますか。それは私がウサン臭い、ということをもしかして見抜いていらっしゃるということなのかね。ご主人の則夫さんがこの前捕まえたと言っていた鹿肉の燻製を見せてくれた。桜のチップで燻しているそうだ。見るからに堅そう。しかし・・・・・・こんな午後遅くまでも凍っているとは。ガチで寒いです!引っ越す家が見つかるまで暫くここに泊めてもらう。綺麗なログハウス。全て間伐材を使っているので材料はタダだそうだ。羨ましい。それにしても寒い。この日から寒い大豊町での山間ライフが始まった。予想外に早く終わってしまうことになるのだけど。完。「ねはんの里」