古典落語 (二回目)
古典落語興津要 (講談社学術文庫)「さんまは目黒にかぎる」、「いまなんどきだい?」、「寿限無寿限無……」―。人情の機微、人生の種種相を笑いの中にとらえ、庶民の姿を描き出す言葉の文化遺産・古典落語。本書は明治~昭和の速記本をもとに、先人の名人芸によって磨き上げられ、伝えられてきた至高の話芸を、完全に再現する。「目黒のさんま」「時そば」「寿限無」などを21編を収録。前回読んだ時に、初めて見る言葉や意味がわからない言葉が多々あり、言葉の意味をほとんど調べずに読み進めてしまったのですが、やはり些か言葉の意味が気になったので、もう一度読んで落語を楽しむと同時にわからない意味の言葉を調べてみました。読みながら調べると話が中断されるので、少々興醒めにはなりますが、言葉の意味を調べてみるとなかなか勉強になります。大体の意味をわかっている言葉でも、念のため調べたのですが、そのうちのいくつかは予想外の意味で、やはり調べてみて良かったです。“敷居が高い”という言葉は、高級なところや上品なところで入りにくいという意味だと思っていましたが、念のため調べたら『不義理や面目のないことがあって、その人の家へ行きにくい。』という意味で、高級で入りにくいというのは間違いだと書いてありました。“憮然”のように、間違った使い方の方が一般的に使われているように思います。二回読んでみると、好きな噺とそうでない噺というのが出来てきます。相撲の番付のように好きな噺を上から並べるとこんな感じです。横綱 : 芝浜 三方一両損大関 : 子別れ 時そば関脇 : 目黒のさんま 厩火事小結 : 寿限無 崇徳院人情噺を横綱にしてしまうというのは歳のせいでしょうか。芝浜は、ある意味ではサクセスストーリーでもあり、夫婦の仲睦まじさが感じられ、節制を説いているようでもあり、様々な良さがあって一番好きです。三方一両損は、江戸っ子の清貧思想を表わしているようで潔さがあって良いですし、解決の仕方がなんとも粋で好きです。こうして好きな噺があるというのはなかなか良いものです。この本の続編である『古典落語(続)』という本があるので、それも読もうと思っていますし、あとは実際の落語をDVDやCD、あるいは動画サイトで観てみようと思っています。それである程度落語に慣れ親しんだら、そのうち寄席に行ってみたいと思っています。古典落語