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カテゴリ:└ブックスつれづれ
ふと調べてみたんだけど、ビッケの作者、ルーネル・ヨンソンってスウェーデン出身だったのね。
ムーミンの作者であるトーベ・ヤンソンも、スウェーデン系のフィンランド人だった、なんてトピックス、こんな事がなかったらわざわざ調べなかっただろうなあとは思う。 そういう意味だと温故知新や過去の名作の掘り起こしは非常に楽しいものなんだけど、それが楽しめるのは余裕がある時、だけなんだよね。 そういう余裕のある子供時代、どれだけ名作に触れられるか、昨今の子供を取り巻く環境を見るにつけ、ちょっと心配になってしまったり。 公営の図書館が民間移譲されてさぁ大変、とか、学校図書館が機能してない、みたいなニュースをかつて小耳に挟んだ身としては、今の子供達が触れられる本の環境の悪化が心配で、それに気付かない人たちが「これって基礎教養でしょ?」で作る10年後20年後の「人生を決める試験」が怖かったりもする。 確かにあの設問は、ビッケがヴァイキング=スカンジナビア圏だから、という類推から消去法で答える事は出来なくもないけれど、地理の問題と考えるには、ヴァイキングの歴史も多少は知らないと難しいネタのように私は思う。もしかしたらあのフィヨルドの海に面した一帯に同じような稼業の者は無かったとは言い切れないかもしれないし。フィンランドの方が早くにキリスト教化して、宗教による統制が取れていたから海賊稼業は取り締まられた、とかいう文献でもあればまた違うのだろうけど、それは地理の問題じゃ無くて歴史の問題では? とか突き詰め始めてしまったりもして、ちゃんとした知識が無いのを自覚している身としてはぐるぐるしてしまうなあ。 基礎教養の範囲云々はさておいても、その「知識の無さ」を、教科書以外のもので補う、本や過去のいろいろな作品にふれ合って知る、その体験を、今の子供達はちゃんと出来るのだろうか。 No Book, NO LIFEな両親に育てられてるうちの子ですら、割と好きになったものしか読まないから心配……。(まぁ与えられたものだけで読書履歴が成り立つ子はそもそも本好きには育たないけど) それに「『そんな分厚い本を読む奴は変な奴だ』といじめられた本好きな子もいるらしい」なんて話を聞いたりすると、親としてはちょっと怖くなる。本を読むことがマイノリティで排斥の対象になる世界だなんて! 親の側でそういう事を言い出す人に会ったことがないのは、もしかしたら単なる幸運なのかもしれない。 新しい本もいいし、古い本もいいよ、ていうか本って楽しいよ、ていう経験を、どれだけ子供時代に積ませられるか。 つくづく悩ましいですわ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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