手賀沼沿岸におけるカビチョウの観察記録
鳥友から山階鳥類研究所の鳥の教科書を読んでいたら、ガビチョウが猛烈な勢いで分布を拡大していると記されていたが手賀沼沿岸ではどうかと質問をもらいました。山階鳥類研究所(2023)の記述を確認すると、「東シナ海を渡ってきたのではなく人の手によって放鳥されたものが日本で繁殖するようになったと考えられています。(中略)日本では1990年代はじめから目撃情報が出始め現在は九州の一部、四国の一部、長野・山梨・神奈川から宮城県南にいたる一帯の林に広く繁殖しています」と記されています。(手賀沼沿岸におけるカビチョウの記録)手賀沼とその周辺地域の観察記録を確認してみると、2020年以前は観察記録は報告されていませんでしたが、2020年4月19日柏市側の手賀沼沿岸で鳴き声が観察され、その年の7月には対岸の我孫子市側で囀りが観察されています。以降、2022年には4月に複数箇所で囀りが観察され、冬に至る期間で鳴き声が観察され最大4羽の存在が報告されています。また、2023年もほぼ通年鳴き声が報告されています。さらに、2024年5月8日にも柏市側沿岸の谷津田で囀りを観察しています。(ササ藪に適応する移入種)山階鳥類研究所(2023)は、あっという間に日本の山地に侵入をはたしすごい勢いで繁殖エリアを拡大しています。進出を可能にしたのはササ藪の存在と指摘しています。さらに、今はたちが気がついていないだけで、かなりまずいことが起こっているのではないかと記しています。どんな変化が発生しているかは不明ですが、いつ、どこで観察したか、環境はどうかなどの報告の積み重ねが大切になっています。(引用)山階鳥類研究所.2023.鳥の教科書.p231-234.山と溪谷社.(参照)我孫子野鳥を守る会.会報ほーほーどり.NO1-297.1975-2024年3-4月号(写真)2024年2月28日埼玉県で撮影