|
カテゴリ:憲法
憲法判例編 第4章 公務員の人権について ここでは、日本国籍をもつ公務員を指すと思ってください。 公務員といえども、日本国籍がある以上「国民」には違いません。 ということは、公務員と一般国民との間に人権保障の差があってはいけないような気がします。 しかし、公務員は一般国民と違い憲法に規定があります。 また、公務員は政治的に中立でなくては困ります。 例えば、民主党を支持していても、公務員になった以上は自民党の小泉総理の言うことに従ってもらわねば国民は困ってしまうのです。 ということは、憲法は公務員を特殊に扱うことを認めていると解釈して良いでしょう。 (これを学問上「公務員関係の存在と自立性を憲法秩序の構成要素として認めている」と 表現します。) ただし、完全に人権を認めないと言うわけには行きません。 あくまで中立性確保のため最小限の人権制限に限り認められるでしょう。 そこで、判例(最判昭和49年11月6日)は公務員の政治活動の自由を制限する条件として以下の物を挙げました。 1、目的が正当であること 2、目的と制限手段に合理的関連性があること 3、失われる利益との権衡 以上の要件が揃えば公務員の政治活動の自由を制限しても良いとしました。 次に、公務員にスト権はあるのでしょうか。 まず一般国民にはスト権があります。(第二十八条 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。 ) しかし、公務員にスト権を認めてもいいのでしょうか。 判例(最判昭和48年4月25日)は、以下の理由で公務員のスト権を認めませんでした。 1、公務員は公共的地位がある 2、勤務条件は法律で定める物であり、ストをされても勤務条件を変えられない。 3、私企業ではストが長引くと企業自体がつぶれる恐れがあり、おのずとストには限界がある。 4、人事院制度により、ストをしなくても勤務条件は守られる。 このように、公務員の人権は案外制約されています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年03月04日 13時03分59秒
[憲法] カテゴリの最新記事
|