カテゴリ:現代短歌の曠野
小島ゆかり(こじま・ゆかり)
さうぢやない 心に叫び中年の体重をかけて子の頬打てり 歌集『希望』(平成12年・2000) 註 「頬打てり」という言葉を見れば文語訳新約聖書・福音書を思い出してしまう。文語体・旧仮名遣いが醸し出す「重厚化魔法」。 あの明朗快活、人格円満かつ温厚篤実、頭脳明晰(おまけに美人)の小島さんの家でもこういうことがあったのか、表現上多少盛ったか。 まあ、子供のいる家庭なら、たまにはこういう事態も起きるよね。特に、同性の母親と娘にはありうるかな。父親(わたし)と娘の間では絶対にありえないけどね。 日常生活の一齣を鮮やかに切り取った秀歌。 3、4句目の「中年の体重をかけて」が、現代短歌のリアル表現としての切れ味鋭いツボである。 ・・・さても、中年の母親の全体重をかけて頬を打たれた「子」とは、お嬢さんで現在やはり歌人として活躍している小島なおさんか、それともその妹さんだろうか(・・・どっちでもいいけどね)。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2022年12月23日 07時47分50秒
コメント(0) | コメントを書く
[現代短歌の曠野] カテゴリの最新記事
|
|