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2004/10/10
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今日は、ブレンデルの渋いリストを聴く。

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◆リスト(1811-1886)
1)J.S.バッハのカンタータ「泣き、悲しみ、悩み、おののき」のコンティヌオによる変奏曲
2)死者の追憶(「詩的で宗教的な調べ」第4曲)
3)BACHの主題による幻想曲とフーガ
4)孤独の中の神の祝福(「詩的で宗教的な調べ」第3曲)
演奏:アルフレッド・ブレンデル(ピアノ)
録音:1976年5月
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私は、リストの音楽はあまり好きではないし、めったに聴かない。しかし、このブレンデルのリストだけは別。
ロマンティックなリスト、あるいは技巧だけの空虚なリストの音楽と言ったイメージとはほど遠い、渋いリストを聴くことができる。

ブレンデルは、若い頃リスト弾きとして鳴らしたピアニストである。
彼はかつて、自身の著書の中の「高潔なるリスト」と題する論文で、偏見や不当な評価にさられているリストを擁護するような発言している。リストの音楽にあれほど傾倒していたブレンデルだが、最近はまったくリストを取り上げなくなったようだ。

確かに70歳を過ぎた巨匠が、自らのテクニックを誇示するために作られたようなリストの曲を今さら弾く必要もないだろう。これから楽壇に打って出ようとする若いピアニストならともかく、評価の定まった演奏家にリストは似合わない。

かつてブレンデル自身好んでい演奏したとされる「孤独の中の神の祝福」に関して、彼はある年齢に達した時点で、この曲の世界に入り込めなくなって行き、曲の良さを理解できなくなったために、弾くことを止めたとも言われる。

ブレンデルがもう2度と「孤独の中の神の祝福」を弾かないとしたら、この曲の入ったアルバムはなおさら価値がある。

「詩的で宗教的な調べ」の中では、3番、4番、7番がよく演奏されうよだが、最近特に人気あるのは、3番の「孤独の中の神の祝福」らしい。

どことなく「愛の夢」を思い起こさせる美しい曲だが、宗教色が色濃く繁栄されたこの曲の方が、より音楽としての陰影が深いように思う。静寂の中から生まれる不思議な高揚感は、何とも言えない魅力がある。

第1曲目の「泣き、悲しみ、悩み、おののき」のコンティヌオによる変奏曲は、ブレンデルの言葉を借りれば、リストの作品の中で、「ロ短調のソナタ」、「巡礼の年」と並ぶ傑作とされる味わい深い曲だ。

単純な半音階で下降するバッハの主題は、変奏になると一転印象派やスクリァビン風になったり、さらにはウェーベル風の無調音楽に聞こえるところもある。もちろん、リストらしい情熱的な変奏も随所にでてくる。

リストの後期の作品には、「エステ荘の噴水」や「無調のバガデル」のように、印象派や無調音楽への萌芽が見られると言われる。この曲も、まるでピアノ音楽の見本市のようにさまざまなタイプの音楽が次々に現れ、とても興味深く、面白い作品だ。

このアルバムは、リストの音楽を熟知したブレンデルらしい地味な選曲だが、山師あるいはペテン師とまで揶揄される作曲家の違った側面を知るには、もってこいの1枚だと思う。








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Last updated  2004/10/10 08:22:02 PM
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