宝瓶(ほうひん) -4-
すると翌日、京都の椿堂から電話がありました。 「たおたお」とした京都弁で注文のお礼を述べ、白磁の「中型」宝瓶は今品切れだが、1センチほど大きめの「大型」なら在庫があるので、中型の価格で明日発送することができるがいかがか、というのです。 私はさっそく承諾しました。早く手元で眺めたかったのです。 ところで電話の女性は、宝瓶を「ほうびん」ではなく「ほうひん」と発音しました。「『ほうひん』というのですか?」「はい、タカラのビンと書きますが、『宝の品』とも書くことがありますので、習慣上『ほうひん』と呼びます」 あとでホームページを見ると、最初に「ほうひん」と、ちゃんとかなが振ってあるではありませんか。しっかり読みもしないで勝手に「ほうびん」などと言っていた自分が恥ずかしくなりました。それにしても「たからのしな(宝品)」で「ほうひん」とは!小さな茶道具にこめられた贅沢な美に、感心させられるのです。