忘れられない言葉・印象的な文言 -2-
バタフライを50メートル、どうしても泳げない。片手であれば青息吐息で何とか100メートルたどり着けるのだが、両手になると25メートル過ぎたあたりで急激に力が落ちてしまうのだ。シャワールームで一緒になった先生にそんな事を愚痴ったら、「正直言って私たちでも、バタフライは疲れる泳ぎなんです。それでも泳ぎ切れるのは、慣れだと思いますよ」それを聞いて私は深く納得し、己の甘えを恥じたのであった。昔むかし運転免許取得後初めての冬、凍結した冬道の運転が怖くてたまらなかったのだが、タクシーの運転手さんでさえ「私たちもやっぱり冬道は怖いですよ」と言うではないか。そして「怖い」に続く「慣れなんでしょうね」という言葉を思い出したのだ。上海中医薬大学への研修旅行時、機内で原書の文献を読んでいた私に隣席の医師が「どうしたら原書が読めるようになるか」と尋ねたことがあった。それに対して私は「慣れだと思います」と応えた記憶がある。水泳を始めたころは教わることの一つひとつが楽しく、泳げるようになることが無邪気にうれしかったのに、今ではすっかり欲張りになって、あれもこれもできなくては不甲斐ない気持ちになってしまった。自分で自分を追い込む悪い癖が私を疲弊させていたのだろう。泳ぐのはとても楽しいのにプールから帰るとどっと疲れが出て、長時間眠ても疲れが抜けないのは、そのせいかもしれない。★ところで今日は家人といっしょに、ホテルのフィットネスクラブに行ってきた。3月にマンションの寝室と納戸の改修をした際9泊したホテルなのだが、家人はトレットミルで少しばかり歩き、私はプールで個人レッスンを受けた後、のんびりクールダウンしてお風呂で温まってきた。2月に店を閉めてからまだ無職の生活に馴染んでいないのだが、それでも毎日楽しく忙しく暮らしている。