オレンジ病棟/朝丘 大介
図書館で表紙だけを見て借りて来ました。出だしは今イチかとおもっていましたが、途中からはすごい読み続けたくなりました。これは障碍を持つものととして考えさせられる本でした。仕事場で苦しい立場などから退職することになり、次の仕事が決まって、その仕事開始までの間に、一人で北海道にでかけた主人公。そこで交通事故にあってしまう。駐車場から道路を渡ろうとして無灯火の車にひかれたのだ。最初は、自分の状態が認識できず、骨折などの外傷に意識が向けられていて、外科病棟に入院していた人と髪の悩みで仲良くなっていく。最初は、ハゲの話しなのってちょっとつまらない本なのかなと思ったのだが、実は、脳に傷を受けて、それが障碍として残ってしまうのだ。そしてその障碍を受け入れられない主人公はついに自殺までしようとしてしまう。ワシは幸いにも透析という病を受容でき、表面的には普通にふるまうこともできるし、あかるく病気について質問にも答えることができる。それは、自分らしさのよりどころや長所が維持されているからだろう。それに仕事も続けていられるし、十分に評価もされているから。でも、脳に障碍を受けたらはたして自分は正気でいられるのか。たとえば、自分がスポーツ選手であれば、十分な運動ができない透析という結果を受け入れがたいだろう。でも健常者であったとしても今の自分と向き合えていない人もいっぱいいるんだよね。そういう人も、きとその人なりの問題、障碍と向き合っているのかな。なんてことを考えてしまいました。。。