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カテゴリ:嚥下・口腔ケア
回復期専従STの利点を生かして、食事場面観察の意義を考えてみました。
<姿勢の確認> ◆体幹の傾き 麻痺側の筋力低下による麻痺側への傾き 健側の突っ張りによる麻痺側への傾き ⇒座位姿勢の調整、麻痺側の背中にクッションを入れるなど ◆麻痺側上肢の位置 車椅子のアームレストから落ちていないか 麻痺側上肢は、膝の上(のクッション)に置いたほうがよいか、机の上に置いたほうがよいか。 または、車椅子用のテーブルを使用したほうがよいか。 ◆クッションの必要性 ◆車椅子の高さが机と合っているか。机が高すぎる場合は、車椅子用テーブルの使用も検討する。 <食具の環境設定> ◆角皿、滑り止めシートの必要性 ◆スプーン/箸の選択 麻痺側の利き手か、健側の非利き手のどちらを使用するか ◆スプーンの形状 嚥下機能が不安定で一口量が多い場合は、小さめのスプーンの選択も考慮に入れる。 ◆トレーや食器はできる限り手前にセッティングした方がよいか。 失調の患者。 麻痺側の上肢操作が不安定のために取り込みまでにこぼれがある。 口唇閉鎖が不十分でこぼれがある。 <摂食嚥下状況の確認> ◆新患、食形態変更時、水分のとろみが外れた時などは特に確認する。 ◆取り込み時のこぼれ、咀嚼動作、ムセなどの確認 ◆一口量の調整の可否 ◆摂取ペースなど <食形態アップできるか> ◆嚥下食の段階アップや常食へのアップ ◆全粥⇒米飯への変更 ◆副食は、キザミ⇒粗キザミ⇒一口大⇒常食への変更の可否 ◆軟菜の制限を外すことができるか <左USNの対応> ◆左側の忘れの確認、声掛け ◆セッティング位置の考慮 右側にセッティングするか、中央へセッティングし認識を促すか <高次脳機能障害の影響> ◆注意散漫となり、摂取が進んでいない場合 ⇒声掛けや環境設定(端の席、端の席で他の患者とは反対を向くなど) <リハ栄養関連> ◆摂取量(認知症の患者さんで、毎回きっちり半分残す患者さんもいた) ◆摂取時間(咀嚼や嚥下に時間を要しているか、摂取動作に時間を要しているか) 長くなって、摂取量が減少している場合は、半介助も考慮 ◆食べこぼし(実質の摂取量が少なくなっていないか) ◆食べ残しの偏りの有無(嗜好品を聞いてみる) ◆飲水量少なければ、お茶ゼリーを試してみるなど。 <関連するADL> ◆薬の摂取 1回~1週間配薬など 開封が必要か、手渡しや見守りが必要か ◆義歯洗浄、歯磨き、うがいなどが自立できるか ◆食後の混雑時の移動に注意できているか <その他> ◆リハビリが時間通りに食道に戻ってきているか ⇒今は見ているだけです。 ◆看護師さん、ヘルパーさんの動き ⇒どんな作業をどういう手順で行っているのかを見ています。他部門の動きもある程度わかっていた方が、こちらも動きやすいことがあります。例えば、配膳、配薬まではとにかく忙しそうで、その後、数分は話しかけてもよい時間帯(と私は思っている)。歯磨きが始まると、介助の口腔ケア、歯磨きで水道へ誘導、トイレや病室への移動を介助と、この時間帯はかなり忙しそうです。 ◆病棟での食事介助の様子 ⇒姿勢、ペース、一口量など、より良い方法があれば、声を掛けます。
現在は、毎日介入いている訳ではありません。また、上記、すべての項目を見れている訳でもありません。 今は、主に、どういうことができそうで、どういう効果があるか考えるために実施していますが、時間の捻出も考えると、「必要とする時間」と「効果」を上司に提案・説明していく必要があります。
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最終更新日
2015年11月20日 14時04分19秒
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