6日の菖蒲(あやめ)か、10日の菊か。
お医者さんに行って待たされた。薬局さんで待たされた。帰りにスーパーによって待たされた。あげく帰宅すると玄関の鍵が開かなくなって…ブチ切れた。まあそんなところ、ですか。ちょっと前に。全国何百か所かの病院・診療所さんを定点観測して。それぞれひとり以上のインフルエンザ患者さんが出たようで。つまりいま、俗に言うインフルエンザ流行期に入ったそうです。なのにお医者には、どうしてここまでジジ・ババさんがいる?お前百まで、わしゃ九十九まで、共に白髪のはえるまで~いやいやご夫婦のあなた達には、それも仕方な…いや、いいのでしょうけど。1ミリも関係のないあたしたちまでそんな謡曲「高砂」みたいな地獄絵図…ごめん。腐れ縁の世界に付き合わせないでくださいな。だっていつの時代も女房と畳は新しい方がいいのでしょう?それに美人さんもドブスさんも、しょせん表皮3ミリの違いに過ぎません。ただしわたしは、その3ミリに縋ってみたい、って落語、ありませんでした?とにかく。お歳を召して独居にしろ、ふたりぼっち・老老介護にしろそんなでインフルエンザに罹患して悶え苦しむ快感…いや、ドMでないなら苦痛ですか?それを考えたらちょっと体調がすぐれないくらい何でもないでしょう?家で寝ていたら?と、思わなくもないですが。とは言いつつ最近のジジババさんは侮(あなど)れません。マジに身近で流感(りゅうかん)が流行るようなら。どこに隠れたのか?一瞬にしてその内科医さんから、ひとりもジジババさんがいなくなる?何と言いましょう。亀の甲を超えるお歳には大地震を前にしたナマズさんやネズミさん並の危機回避能力が発現するのでしょうか?そういう嵐の前の静けさと言いますか、嵐の前の静けさの前の騒々しさと言いますか。とりあえず老衰以外じゃ死にそうにないご老人が多数、多数、ご来院されていました。ほんと彼らは何のタメに何を求めて、日々、お医者に通っているのでしょう?ただただそこに、お医者があるからだ!でしょうか?まあどうでもいいちゃ、どうだっていいですけどね。一見するに健康体以外、何ものでもないご老人たちに、すっげぇ待たされて。ようよう薬局さんに行くと…。何ですか。いまごろオフィス・オートメーション化ですか?ITセキュリティ担当のどっかの大臣さんが一遍も触ったこともありません、に触発されたのか?たんに新たに薬価算定へ加算できるようになったのか?…知りませんけど。受付カウンターにノーパソが備え付けられています。そこにひとりひとり、お薬を渡すたび何たらこうたら打ち込んでいます。そこの薬剤師さんのおひとりはもとでさえどん臭い…ごめん。とろ臭いんだよ。何より丁寧なインフォームド・コンセントとジジ・ババさんの世間話との違いが判っていない?かつてあたしたち十何人も待たせたまんま。どっかのおババと昨日、デイ・サービスで、ああだこうだってお話を延々30分以上やられたときには…ほんと泣かすぞ!この野郎。って感じで、薬局さんの空気が凍り付いちゃいましたよ。その後かな?薬局さんから一気にお客が減って。そのバカ…いや、薬剤師さんは受付担当から外されてたようですが。復帰してんですよ。受付に。お目出度く復帰されて、加えて、ノーパソ入力までしている。もうどん臭い・とろ臭いの2倍、3倍ですよ。いや、2乗、3乗ですか?えっ?違いが判らない?…なら、小学校の算数から、もう一遍、お勉強しましょうか。とりあえずいい加減に、じゃなく。メチャクチャ勘弁しておくれ。…これ、どこの喜劇ですか?すっかりお腹も空いて。いまさらご飯作りたくね。とスーパーさんに。出来合いのお総菜を買おうとレジに向かうと…どうして?5分前にはダレもいなかったじゃん?ってくらい行列が。仕方ありません。待たなきゃ、オカズがありませんから。するとひとつ手前のばばぁ…いや、高齢のご婦人です。事前に準備しときゃいいのにレジのオバちゃんから○△円ですよ!と言われて初めてごそごそお財布の中にカードを探す。で。カードを出してレジのオバちゃんに5千円だか入金してくださいね。と、お札を渡す。で。細かいお金は別に払いますよ。とふたたびお財布をごそごそ。で。レジのオバちゃんが、カードを返そうと手を伸ばしているのにこのババァ唯我独尊に買い物かごを、移動させていましたとさ。アハハハハ…涙、涙、涙。べつにあたしはお年寄りを、どうのこうの言いたいワケじゃありません。ダレだってお歳を召せばたしょう動作が遅くなりますよ。そんなこと当たり前です。ただなべて所作・動作が遅くなることと事前に何の準備もしようとしない癖(くせ)・生活慣習とは。何事も唯我独尊後ろにどれほど他人(ひと)を待たせても、一向に頓着(とんちゃく)しない、とは。まるで別腹でしょう?反対に言えば。お年寄りであれ、若造さんであれダレであれすこしでも、ちゃんとやろう、って姿勢が見えればそこそこ早漏でも遅漏でも…いや、拙速でも、そうとう動作が遅くてもダレも文句なんか言いませんよ。そんなものジェネレーション・ギャップでも、老人忌避問題でも何でもありませんよ?ただダレであれ、ちゃんとやっとくれ。それだけのお話でしょう?そこんとこ勘違いして欲しくないのです。けれどここは日本です。海外みたいに他人(ひと)を怒鳴りつけることは許されません。いつもニコニコ、現金払いです。笑い門(かど)には福が来るのです。専守防衛って、いまやカビが生えたムラの掟はレーダーを照射されても何をされても金輪際、し返すことは叶わない。あたしたちに出来ることは右頬を殴られたら、左の頬を出す。ただ、それだけです。それこそ日本に許された、あたしたちの日常に許された、専守防衛なのですよ?…違うか。何やかんやで。あぁ疲れた、疲れた。ようやくお家に着きました。満面に張り付けたマクドの笑みも、ここまでです。で。玄関の鍵を開けようとすると…固い。そこそこ頑張ったのだけどいつもより固くて、どうにも開けられない。そんなときあなたなら、どうしますか?そりゃダレだって…ブチ切れますよね?玄関の引き戸をガンガン、右足で蹴って。それでも開かなくて。と言うか。それで開くなら、そもそも鍵の意味がないワケですが。けっきょく裏の戸口の鍵を開けて、中から、玄関の鍵を開けました。どんなもんだい?あたしの勝ちだ!…そうなのか?で。自室に戻って買った商品を冷凍庫に入れようとすると…どうしても入らない。そんなときあなたなら、どうしますか?そりゃダレだって…ブチ切れますよね?半狂乱のごとく冷凍庫に詰まった魚フライさんやら冷凍うどんさんやらぶちまけて、ベッドに叩きつけて。ようやくイライラ怒気が収まりました。それこそ…すうっと。そっからお片付けです。買ってきた食材さんに、魚フライさんに、冷凍うどんさんにどうにか冷凍庫に、きちんと収まりました。後から食べて問題ないように。叩き付けるにしたって床じゃなく、ふかふかベッドの上なのですが。そういう激怒してたって、どこか冷徹なトコロがまああたしの、めちゃんこイヤな部分に違いないのでしょうけど。とりあえずどビンボな、あたくしとしましては食材を無駄にするよりゃ、よっぽどマシだと自愛しています。庄司薫さんが芥川賞を受賞した『赤頭巾ちゃん気をつけて』って小説があります。主人公♂クンが右足を骨折だか打撲だか負傷していつものお医者に行くと、美人さんの女医さんで。どうもノーブラみたく、白衣の胸元から、見えそうな?そうでもないような?そういう童貞クンには絶妙なシチュエーショ…なのか?そっからスタートするお話です。これ大衆小説の直木三十五賞じゃなく芥川賞ですよ。そこそこ読むと、めちゃんこ小難しかったりします。ですから肝心の哲学的な中身?は、すぱんと割愛します。べつにあたしが理解できなかったからではありませんよ?あくまで物分りが悪いでありましょう、あなたのタメに、です。そこんとこどうかお間違いなく…ほんと?とは言いつつちょっと触れますと。まず、ひとつ。日比谷高校の、もとからセレブなお友達が地方から出て来て日比谷に入学したご学友に、イライラしている。主人公♂クンのお友達が言います。オレはお前のように、すなおに東大法科に進んで何の躊躇(ためら)いもなく、この国の王道を歩むべく俗物とは違うんだ、と。オレはワセダに進んでお前たち俗物たちを、下野から見返してやる、と小説書きに熱中です。けれど地方から出て来た○△たちにはオレとお前の違いが判らない。『はぁ?期末テスト直前で、ピアノにバイオリンのご練習ですか?さすが△□さんたちは、余裕ですよね。そんなこと僕たちには無理ですから、下宿に帰って猛勉強ですよ』かつて日比谷には、人前では勉強していないフリをする、って悪しき伝統があったみたいで。何だか産まれる前から学歴が、日比谷→東大法科と決められているセレブ層は試験前だろうと何だろうと一所懸命、楽器の演奏とか遊んでいる風で決して勉強している素振りを見せません。けれど決まって成績最上位には、そういうセレブ層の生徒がくる。それが日比谷の厭らしさだといやいやあんたもセレブ層だろうーが?って庄司さんが書いていました?ただ○△君みたいな地方の最優秀者・優等生が日比谷に来るようになると高慢ちきなシキタリ、悪しき伝統は次第に失われて行ってただの東大進学校へと落ちぶれていったそうです。………何だか腹が立つよな?日本のパワー・エリート層さんの上から目線って。なのであたしは個人的に○△君みたいなガリ勉・地方の優秀者・優等生クン達の味方です。けっきょくあなたやあたしみたいな底辺層…いや、一般的国民さんからすれば期末テスト直前なのにお上品にもバイオリンの演奏なんぞ楽しんでいる貴種さんにはめちゃくちゃイライラしませんか?けど。産まれつきの貴種さんには貴種さんとして誇りも衒(てら)いもあって。まるでゾウリムシさんやミジンコさんのように何事に対しても何の衒いも躊躇(ためら)いもなく、ただ我武者羅にひたすら猪突猛進にってすっげぇ恥ずかしくも、みっともなく感じるのかも知れません。つまり貴種さんは、そういうのにイライラする、と?貴種流離譚(きしゅりゅうりたん)で。神戸のド田舎に左遷されても光の君がお相手するのは、若い美人さんに限ったお話ですよ?たとえ貴種さんが、どこに行こうとあたしたち原住民と、いくら親し気にされようと。生きる縁(よすが)はそれぞれに、まったく違う?それぞれの思惑は1ミリも交わることはない?もともと生きる世界の違うもの同士が同じ土俵に上がることを強要する社会は真の意味で平等と言えるのでしょうか?それともお互いにイライラを極大化させちゃう理想に過ぎた、ただの衆愚でしょうか?まあどうでもいいっちゃ、どうだっていいお話ですけど。お友達のイライラは解消されないままに『赤頭巾ちゃん気をつけて』は続きます。まあお互いさまですからね。お兄さんのお友達が結婚することになりました。この小説は学生運動で東大入試が中止された時代を描いているのですがお兄さんのお友達は東大医科で、そこそこ学生運動に入れ込んでいたのかな?けれど結婚相手は大病院の跡取り娘さん。一生涯に渡ってお友達さんの生活も社会的地位も保障されました。お兄さんと主人公♂クンがそのお友達カップルさんとお話をしていて。お友達が席を離れると未来のお嫁さんが、溢(こぼ)します。この前一緒にデパートへ行って新生活の家具を見てきました。すると彼はこのベッドふかふかだよ。ほんと、気持ちがいいね。って何度も何度もベッドに寝転がるのです。飛び跳ねるのです。私には彼がバカを演じようとしている。お金持ち側に寝返りやがった。信念もクソもないヤツだ。そうやって今後、ダレから何を言われたって彼はまったく動じないバカになろうとしている。わたしのために彼はバカになり切ろうとしている、としか思えないのです。…涙、涙。案の定結婚式で、新郎側の友人席からはお金持ち側に寝返りやがった…ゴニョゴニョ。信念もクソもないヤツだ…ゴニョゴニョ。かと言ってならあなたたちは何もかも捨てられる、ひたすら信念のヒトなんですか?と言えば。なべて彼らは大病院長さんや、結婚式に招待された医学部教授さんにひたすら秋波(しゅうは)を送っているワケですよ。誰も彼もあわよくば、僕も、わたしも、って。そんなでお金持ち側に寝返りやがった…ゴニョゴニョ。信念もクソもないヤツだ…ゴニョゴニョ。ほんとあたしたちって、そういうものなんでしょうね。お兄さんと一緒に結婚式に出席した主人公♂クンはみんなと東京駅まで新婚旅行のお見送りです。そのときお兄さんに唆(そそのか)されて、ふたりで万歳をします。万歳!万歳!万歳!ってお友達以上にバカを装って、おふたりの未来を応援しようとします。で、車中のお友達さんはどこか眩(まぶ)しそうに見返してくれたのかな?…忘れちゃったけど。右足をケガしてイライラ。お友達がイライラするお話を聞かされてイライラ。ひたすら優しいヒトが自分と愛する人の未来を守るためにと。優しくないヒトや、優しくない社会のためにこれからずっと偽りの仮面を被り続けるって決意を見て、イライラ。そんなでもいまだ誹謗中傷を止めようとしないヒトビトを見てもう主人公♂クンはイライラの限界です。イライライライラ主人公♂クンはブチ切れる寸前で街をふらつきます。とうぜん思考も内向し凶暴化します。もしユミ(好きな女の子)がダレかに誘拐されて殺されたらボクはTVで哀願したり泣いて見せたりして、世間の同情を買ったりしない。自ら考えに考えて絶対に犯人を追い詰めてやる。追いつめて打っ殺してやる。それでもボクは捕まったりしない。思考の限りを尽くしてボクは捕まることなく、間違いなく犯人を打っ殺してやる。とか何とかあたしの大好きな場面です。まさに、そんな瞬間目の前を赤い影が横切ったのです。それと同時に右足が、ギャァァァ…髪に真っ赤なリボンを付けた女の子がボクの前を横切って、本屋に入っていった。思いっきしボクの右足を踏んづけて。ごめんなさい。いたかった?一生懸命女の子が謝ってきます。けっか主人公♂クンは彼女のために、一緒に素敵な絵本を探すことになります。ボクくんはどんなロリコン・ドMなんですか?と思わなくもありませんけど。まあそういう結末なので仕方ありません。日常生活はできるだけイライラしないように心掛けましょう。たって毎日毎日、顔を合わせるあの上司がいる限り、お義母さんがいる限りそんな絵空事(えそらごと)、いくら繰り返したって仕方ない?かと言って考えて考えて、思考の限りを尽くしたって。あなたやあたしは確実に不逮捕にできる密室殺人ができるほど、アタマがいいとも思えません。ならばいくらいつもニコニコ、現金払いでも笑い門(かど)には福来たるでも。玄関の鍵が固くて固くって開けられないなら。引き戸の右んトコをガンガンガンガン、右足で蹴ったって仕方ないよね?冷凍庫の魚フライさんやら冷凍うどんさんやら引っ張り出して、ぶちまけてベッドに叩きつけてたって仕方ないよね?まあ。可愛らしい女の子に骨折した右足先を踏んずけられて。それでイライラが収まるのはロリコンかつドM…いや、特殊性癖の上級者向けって気もしないではありませんけど。とりあえず気分を変えてみるほど余裕がないときには怒ったり、泣いたりそうやってイライラの矛先(ほこさき)を変えてやるのが特効薬かも知れません。とりあえずあたしのイライラは収まりました。で、今回のブログはどうして『赤頭巾ちゃん気をつけて』だったの?ってべつに深い意味はありません。ただ玄関引き戸の右んトコをガンガンガンガン蹴ったセイで右足親指の爪が浮いて骨にヒビが入って整形外科さんに通院しています。まさにそこからの連想です。とはさすがに恥ずかしくて、口が裂けたって言えませんけどね。『青ブタ』ってアニメで。今日のわたしは昨日より、すこしだけでも優しくなっていたい。そう思って生きています。そんな台詞がありました。とっても素敵な言葉だと、あたしは思います。いつしかダレもがそうやってすこしずつ、すこしずつでも優しくなっていけたなら。このあんまり優しくない社会もいつかとっても素敵な社会になるかも知れません。玄関の引き戸の右んトコを右足でガンガンガンガン蹴るのもいい?冷凍庫から魚フライさんやら冷凍うどんさんやら引っ張り出して、ぶちまけて、ベッドに叩きつけるのもいい?可愛らしい女の子に骨折した右足先を踏んずけてもらって一瞬でもアタマん中を真っ白にしてみるのもいい?とりあえず積もり積もったイライラは鬱屈した思考の袋小路で、怒りばかりが増殖していく。その思考回路の方向性や矛先がするっと変わっちゃったら収まるかも知れません。一瞬に何もかもが真っ白にスパークしちゃったら収まるのかも知れません。だったらあたしたちの優しさも毎日毎日すこしずつ積み上げていくことが難しいのなら。せめて何かの折(おり)にすこしでも優しくありたいと思い返してみてもいい?6日の菖蒲(あやめ)か、10日の菊か。どちらも端午(たんご)の節句や重陽(ちょうよう)の節句に1日、間に合わない。だから時世に遅れて役に立たないよ、って意味だそうです。けれど5月5日の端午の節句はともかくいまや重陽の節句ってこの諺(ことわざ)があるから、9月9日と判ったりしませんか?6日の菖蒲(あやめ)で何が悪い?10日の菊で何が悪い?それでそれぞれ端午と重陽の節句を意識することになるのなら思い出す契機になるなら何もないよりは、ずっといい?あなたはそう思いませんか?今日は26日のクリスマス。たとえ一日遅れでも、時世に遅れてもみんなそれぞれに優しさを思い出す契機になるなら。一年に一回でも今日のわたしは昨日より、すこしだけでも優しくなっていたい。そう思い返す契機になるなら26日のクリスマスで何が、どう悪い?ってことで一日遅れのメリークリスマス。みなさんにどうか素敵なことがありますように!あっ…ごめん。もう27日…か。