小藩である飫肥藩が,隣の強大な薩摩藩の脅威にさらされつつも,人智を結集して280年間生き抜いてきた。産業面では,木造船の材料を提供する林業などが,藩の財政を支えた。
こうした歴史風土から,日南市は,「地域の宝は人であり,千客万来のしくみを“創り出せる”人づくりこそ日南市のコンセプト」とし,「創客創人」の旗印の下,地域創生に取り組んでいる。
PHOTE:NHKテレビニュース画面より
PHOTE:NHKテレビニュース画面より
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┗■ 飫肥(おび)城下町(宮崎県日南市)
飫肥は、天正16年(1588)から明治初期までの280年間飫肥藩・伊東氏5万1千石の城下町として栄えたまちです。武家屋敷を象徴する門構え、風情ある石垣、漆喰塀が残る町並みは、昭和52年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。
昭和53(1978)年に復元された大手門を中心に、松尾の丸や藩校振徳堂、城主伊東家の歴史を綴る貴重な資料が展示されている飫肥城歴史資料館があります。 商人町通りには樽を店頭に置いた商家や、格子に壁燈籠、番傘を飾った商家が軒を連ね、町を流れる堀割の清流など、江戸時代を彷彿とさせる町並みが楽しめます。
>>>観光特急「海幸山幸」
雄大な日向灘や飫肥杉の木立など宮崎・日南地区の豊かな自然に包まれながら、木のおもちゃを思わせる列車がコトコトと走る。JR九州が宮崎−南郷で土日・ 祝日と長期休暇を中心に運行している観光特急「海幸山幸」。乗車率が86%とJR九州管内の観光特急の中で1位(2013年)の人気です。
>>>飫肥杉使った,オンリーワン列車
デ ザインはJR九州の列車デザインを手掛ける工業 デザイナー・水戸岡鋭治氏が担当し,「木のおもちゃのようなリゾート列車」をコンセプト に,内外装に地元素材の鉄肥杉(おぴすぎ)を使用する.2両編成のうち,1号車「山幸」が指定唐草(定員21名)′2号車「海幸」が自由席車(定員30 名)です。
海幸彦・山幸彦の伝説が残る地を走る地にふさわしい名として「海幸山幸」と命名。
青島−北郷で鬼の洗濯板が眼前に広がるスポットでは30秒ほど停車,油津−南郷の景勝地「七ツ八重(ななつばえ)」を望む鉄橋では徐行運転に。大きめの窓 から広がる絶景をバックにした記念撮影を客室乗務員がサポートしてくれます。 また、乗務員手作りの海幸彦・山幸彦伝説の紙芝居や景勝地での車内アナウン スなど、子どもから大人まで楽しめる仕掛け満載です。
沿線も海幸山幸の運行を歓迎。約10分停車する飫肥駅(日南市)では泰平踊の踊り手が出迎え、ホームに小さな土産物店が出店。また、地元の高校生や沿線住民らも駅舎の清掃や四季折々の花の植栽などで心づくしのおもてなしをしています。
海幸山幸は宮崎−南郷を1時間36分で結び,運賃は往復2870円。同区間には観光バス「にちなん号」(宮崎交通が運行)も走り,往路が列車で復路はバスとの組み合わせもできます。