台風１６号は２０日午前０時すぎ，鹿児島県の大隅半島に上陸しました。激しい雨と強風で宮崎県では，がけ崩れや道路の冠水が相次ぎました。交通網も早朝から乱れ，電柱が折れるなどして宮崎県では一時１１万5700戸が停電しました。
◆交通への影響
ＪＲ九州は２０日朝から，豊肥線や日南線などで一部運行を見合わせた。筑肥線は強風のため徐行運転しています。高速道路は大分，宮崎県内を中心に九州道や東九州道，大分道などの一部区間が通行止めとなりました。高速バスは西鉄の福岡−宮崎など２３便が運休を決定。ＪＲ九州も，宮崎発着分の運行を見合わせています。
◆台風の被害
宮崎市佐土原町下田島では１９日夜，突風で造園業者のトタン倉庫が飛ばされ，車庫が押しつぶされました。竜巻の可能性があるとして，宮崎地方気象台が職員を派遣して調査しています。
日向市富高地区では２０日朝にかけて，周辺が冠水し，消防隊員がボートで住民６人を救助。大分市永興ではのり面が崩れて住宅に土砂が流入したため，付近住民１２人が避難しました。
延岡市消防本部によると，市内の愛宕町では１９日夜遅く，小野町では２０日未明，いずれも立往生していた車からボートを使うなどして救助したということです。
都城市消防局によると，大淀川に近いＪＲ西都城駅の西側の地域や宮丸西団地の周辺で多くの住宅が水につかる被害が出ているということです。
・停電 県内で約３万４９００戸
九州電力によりますと，台風の影響で，午前７時現在，宮崎県内では１４の自治体であわせておよそ３万４９００戸が停電しています。停電しているのは，
▽都城市で１万６８００戸，
▽日南市で７４００戸，
▽串間市で５７００戸，
▽宮崎市で３３００戸，
▽都農町で５００戸，
▽延岡市とえびの市，それに三股町で３００戸，
▽国富町で２００戸，
▽西都市で１００戸などとなっています。
>>>台風１６号による災害を激甚災害に指定
政府は10月２１日午前の閣議で，９月に日本列島の太平洋側を横断した台風１６号による災害を激甚災害に指定すると決定した。
全国の農林水産業施設と，特に被害が大きかった鹿児島県垂水市の道路など公共土木施設について，復旧事業に必要な費用の国庫補助率を引き上げる。
内閣府によると，復旧事業費は全体で，農林水産業施設で５８億円，公共土木施設で１１億５０００万円に上る見込み。
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