体感訳とは
本書がいう「体感訳」とは、直訳を踏まえて作られた作者の心意を重んずる訳のことである。
時として、語彙と文法に忠実に訳しても、その歌の心に到達することができないことがある。
▼体感訳実例ーーーーーーーーーーーーーーーp25
性愛を語る女歌
さし焼かむ 小屋の醜屋に
かき棄てむ 破れ薦を敷きて
打ち折らむ 醜の醜手を
さし交へて 寝らむ君故
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(巻十三の三に七〇)
体感訳ーーーーーー
焼き払ってしまいたい ちっぽけなおんぼろ小屋に
捨てさってやりたい 破れ薦敷いて
へし折ってやりたい
(アノ女の)汚らしい不恰好な手と
手と手を交わしあって…=・
共寝をしているだろう アナタのことを思うゆえに
あかねさす 昼はひねもす
ぬばたまの 夜は夜もすがら
この床が ひしひしと鳴るまでに
(私は悶え!)嘆いてしまう
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