テーマ:ブランドシティ奈良(51)
カテゴリ:奈良
5日から10日まで、東大寺本坊が特別に公開東大寺本坊で、小泉淳作画伯の襖絵40面などが公開されました。あわせて天皇殿・持仏堂なども特別拝観が行われています。
東大寺本坊は、南大門を入ってすぐ右手の一帯ですが、特別の用がないとなかなか入ることができません。今回の公開では、本坊の玄関ではなく向かって右手の「勅使門」を開いて(上の写真)そこからの出入りとなりました。拝観券の販売ブースも設けられていたので、特別公開を知らない一般の観光客も列に並んだりしたようで「こちらは大仏殿の拝観受付ではありません」というアナウンスも行われていました。5日の昼前には「80分待ち」だったようで、私が行った午後3時半ごろでも直前まで「40分待ち」の看板が出ていたようです。(写真は拝観終わってからのものです) この門を入りテントの受付を過ぎると、正面奥に天皇殿、右手に校倉の経庫、まずは左手の本坊大広間の縁側から、靴を脱いであがります。広間を巡る「蓮池」の襖絵を間近に見たあと、東南角の広間では、「吉野の桜」「しだれ桜」「東大寺本坊の桜」の三種の桜の絵が見られます。このうちしだれ桜は、宇陀の本郷滝桜、通称「又兵衛桜」を描いたものだそうです。一段高い北側の「上段の間」には正面に聖武天皇・光明皇后のお姿、左右に鳳凰、飛天の襖絵が見られます。(障子に貼られた散華は、大広間で展示) 関連グッズの販売所も設けられた本坊から戻って、次は、天皇殿へ上がります。
こちらの天皇殿では、正面に聖武天皇坐像、右手に菩提僊那坐像(両脇に持国天と多聞天)そして左手には、聖武天皇、光明皇后の復元衣装(御礼服)が展示されています。このお堂はもともと大仏再建の際に徳川幕府の助力を得るため「東照宮」として建てられたもので、明治の神仏分離で、勧進所天皇堂から聖武天皇像を移して「天皇殿」とあらためられたということです。 5日午前には、公開に先立って聖武天皇殿に一山の僧侶が集まり、東日本大震災の犠牲者の追悼と復興を祈願する法要が行われたとのことで、堂内賽銭箱の位置には義捐金の箱と、法要で読み上げられた表白文が置かれていました。東大寺らしい格調高い文言だと思います。
天皇殿を出て、北東へ向かい門をくぐると、名残の椿や、ほぼ満開の桜などの美しい庭の先に持仏堂がありました。こちらには、餅飯殿ゆかりの聖宝理源大師の坐像がいらっしゃいました。手に持たれている猫じゃらしのようなものは、「五獅子の如意」というものだそうです。理源大師は、修験道大峰山の中興の祖で、京都の醍醐寺の開祖でもあるのですね。 今回の特別公開・特別拝観、震災自粛ムードでいささか落ち込みがちな奈良の観光にとっては、ありがたい催しであったのではないでしょうか。華やかな襖絵と聖武天皇のお姿が、人の心に力を与えていただければと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2011.04.08 01:12:59
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