部分的に作物の生育不良現象が多発した原因は。
部分的に作物の生育不良現象が多発した原因は。収穫を終える前に例年どうりの綿密な土壌検査をおこない、その検査結果に基づいた土づくりをおこなったハウス。その土づくりのあとに、それぞれの土壌条件に適合した土壌改良をおこない9月から作物の定植をおこなっていったわけですが・・・いつかのハウスで散見されたのは[例年であれば問題なく育つはずの生育初期の時期の作物に発生する]部分的な生育不良でした。病虫害に侵されたわけでもなく、また成り疲れがおきるほどに収穫量が多かったわけでもなく、さらには本格的な寒さがやってきたというわけでもないのに・・・生育不良な状態におちいる作物。こんな状態が起こるとは、ゆいしき事態・じつに意外なことでした。そこでおこなったのが、とりあえずの土壌の検査。そう、生育の良い部分と悪い部分の土壌検査です。例によって、それぞれの部分の土の状態をしらべることで生育の良い部分と悪い部分の違いを把握しようとおもったのです。 そして、その2つの部分の土壌検査表をならべてみた映像がこちら。ののののしかし、しかし。結論からいえば2つの土壌の状況に、さしたる変化はなし。[ヒトでいえば脈と体温にあたる]PHとECのあいだにも、そして微量要素の量やバランスの関係においても、化学的に問題となるようなちがいがでることはなかったのです。ということで 生物性でもなし・化学性でもなしということになれば残りは物理性の問題。そう、たとえば地下水位の状態です。こう思ったのは10月になってからのお天気・・・本年の10月の南九州地方ではお日さまを忘れるほどの連日の季節はずれの雨が休む間もなくふりつづいていたからです。 いまは同じ圃場・同じハウスになっているとはいっても、耕地整 理をおこなう以前は小さな田畑。そうなると たとえば1m以上 の地下での、地下水の水位にはちがいがでているのではないのか。と、おもったのです。また、高台にあるハウスではこの部分的な生育不良が発生していないという現実もありましたし。ということで最良の対策は、とにもかくにも長雨があがり・地下水位がさがることではないかと踏んでいたのですが、やはりその推理はあたったものと見えて 11月になって天気が安定してくると同時に、生育不良の部分 の生育は、じょじょに・すこしづつ回復という経緯をたどりましたよ。いやほんとによかったです。それにしても気になるのは、こん回の長雨や季節外れの高温をもたらしている異常な本年の気象です。南九州では6月から11月にかけて ひと月以上の長いあいだつづく晴れ間 ↓ ひと月以上の長いあいだ降りつづく雨 ↓ ひと月以上の長いあいだつづく晴れ間 ↓ ひと月以上の長いあいだ降りつづく雨といった、まるで 乾季と雨季 があるかのようなお天気。くわえて 立冬に30度 + そして冬至に20度といったようなな高温をもたらす天候が これからは普通/レギュラーになっていくものだとすれば、たとえば地下水位の高くなりそうなハウスでは、ハウスの周りにあらかじめ排水溝を掘るなどの高地下水位対策を講じることが必要になってくるかもしれませんね。いずれにせよ これまでにはなかった想定外の障害が、これからはこれまでよりも もっともっと多くなることは、まちがいのないことのように思われます。 施設栽培だけではありません。 この暖冬で、たとえば植え付け最盛期のサトイモの種が 腐敗したり、病害虫の多発やミカンの浮皮などの生理 障害が発生、野菜の野菜全体の生育が前倒しとなったう えに、さらには千切り大根やタクアンの加工に支障が出 るといった騒動も、現場では発生中。 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜 」