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カテゴリ:認知症専門外来と専門往診の二刀流
六代加藤作助襲名記念展 伝統と革新 @古川美術館分館 為三郎記念館 本日は従兄弟の陶芸家加藤圭史君が六代加藤作助襲名した為三郎記念館で開催された記念展覧会に行ってきた。今日が最終日。為三郎記念館は古川為三郎の旧宅であり、素晴らしい日本庭園の中に数寄屋造りの日本家屋が建っていた。周囲の街並みも素晴らしい。 ![]() ![]() ![]() 記念館の入り口を入ると圭史君の奥さん祐子さんが迎えてくれ、各部屋を案内してくれた。正面入り口に黄瀬戸の大皿が展示されていた。 ![]() 最初の部屋は初期の作品で私は見たことがなかった。私が米国ペンシルベニア大学留学していた2000-2006年頃の作品らしい。織部大皿の上に少し盛り上がったように素晴らしい花々が彫刻してあり、照明に照らされ、彫刻が浮き上がって見え素晴らしかった。私にとっては新鮮で好きな作品だった。 ![]() ![]() ![]() 大きな座敷に織部で枯山水が作られていた。その奥には黄瀬戸の円形の月に見立てた作品が見えた。枯山水の庭から見える月を見ているようであった。 ![]() ![]() 最近の黄瀬戸皿に花の絵を描いた作品の部屋もあった。これらは六代の代表作と言えよう。 ![]() 別の部屋の一番奥の円形窓から見える庭と織部花瓶が素晴らしかった。 ![]() 加藤作助の六代従兄弟圭史、五代叔父伸也、四代祖父紀彦、三代曾祖父春山、二代曾々祖父春仙、初代慶三郎の作品が並んだ部屋があり、歴史を感じて六代作助とも話が弾んだ。本日11時から六代作助がアーティストトークを行った。 ![]() 玄関の外までご夫婦に見送って貰った。道は違うがみなさんに喜んで頂けるように生涯尽力していくのはお互いに同じだねと話が終わった。 作助窯 加藤藤四郎を家祖とし、江戸時代に加藤作助を名乗り100余年。途切れることなく窯の火をともし続け、日本文化の担い手として今に至るまで粛々とものづくりを続けている窯元です。 陶器制作において恵まれた瀬戸の地で、厳選された天然の原材料を使い、代々伝承された技術を駆使し、茶陶・懐石から日々の暮らしの器などの制作をしています。 ひとつひとつ愚直なまでに丁寧に制作した作助の器は「少しの贅沢」をさり気なく感じてもらえる作品となっています。 【窯の里めぐり以外の対応】 作品の購入が可能です。3日前ほどまでにご連絡いただけたら助かります(電話は9時〜17時まで) 【工房について】 住所:愛知県瀬戸市赤津町85 駐車場:瀬戸赤津郵便局隣 電話:0561-82-2505 ドクターイワタの認知症治療 ~認知症専門外来:1500名 & 認知症専門往診:130名~ 認知症/発達障害専門外来 新患予約サイト 上記、新患予約サイトにて予約可能です。 希望日および希望時間 ①10:30am(-12:30pm) ②11:00am(-1:00pm) を選択して下さい。 問診、 神経学的所見、改訂長谷川式 簡易知能スケール(HDS-R)、時計描画テスト(CDT)、発達障害スコア、老人性うつスケール、甲状腺機能(TSH, FT3, FT4)、ビタミンB欠乏症(ビタミンB1,ビタミンB12, 葉酸)ビタミンD、ミネラル欠乏症(TIBC,フェリチン,亜鉛)に加え、頭部CT (GEマルチ) を施行します。同日からサプリメント治療および他院投薬調節を行います。1週間後には血液検査結果に従って食事指導および補充療法を開始します。自己免疫疾患やアレルギー疾患がある場合はGFCF指導もおこないます。 新患予約サイト ![]() 症例報告 ![]() 地域包括支援センターからの紹介である。既往歴:20年前、胃癌全摘術、聖霊病院~いとう医院(不定期通院)①ミカムロBP②フルイトラン1mg。物忘れ、易興奮、病識欠如、車運転しているを呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮なし、③左側頭葉萎縮軽度、④左海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:3、ピックスコア:3、特発性基底核石灰化症(IBGC)/混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8.5/9、改訂長谷川式:21/30、近時記憶4/6と軽度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒1を勧めた。20年前、胃癌全摘術に対してシアノコバラミン1Ap筋注、メコバラミン0.5mgを開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:23/30(+2)、近時記憶3/6(-1)と軽度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL183,TG,Hb12.5,MCV105.6,Zn70以外異状なし。VitB1=19,VitB12=219,葉酸=7.5。毎月シアノコバラミン1Ap筋注とした。 治療のポイント 1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。 ![]() 2.ビタミンB12低下症 ビタミンB12欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。ビタミンB12=500μg/dlを目標にメコバラミン0.5-1mgを開始します。胃癌に対する胃2/3-全切除術の既往がある場合は、ビタミンB12吸収障害のため毎週シアノコバラミン1Ap筋注を1ヶ月間、翌月からは毎月シアノコバラミン1Ap筋注とします。 ![]() 知り合いからの紹介である。既往歴:S60胃2/3切除術、胃潰瘍、済衆館病院。R2~R4脳梗塞、左不全片麻痺、左同名半盲、ペースメーカー、小牧市民病院。R5/12大腸憩室、総合大雄会病院。岩倉病院①プラビックス75mg②アムロジピン5mg。安藤クリニック①タケキャブ20mg。物忘れ、暴言、易興奮、介護抵抗、昼間傾眠、夜間不眠、徘徊、易転倒、感情失禁、尿便失禁、食欲低下、病識欠如、難聴、夜間せん妄を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤右後頭葉脳梗塞、境界領域梗塞。以上から、レビースコア:4、ピックスコア:1、レビー小体型認知症(DLB)/脳血管性認知症(VD)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:18/30、近時記憶1/6と中等度低下していた。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。脳血管性認知症(VD)にプラビックス75mg継承、トルリン・田七人参含有赤ミミズ粉末1Capを勧めた。夜間せん妄にロゼレム8mg/リボトリール0.25mg開始した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。7日後、中核症状は改訂長谷川式:改訂長谷川式:24/30(+6)、近時記憶5/6(+4)と著明改善、上記周辺症状はすべて改善した。甲状腺正常。一般採血:BUN42.1,Alb3.5,GOT51,GTP46,Hb10.3,Zn51,ferritin31.8以外異状なし。VitB1=30,VitB12=764,葉酸=6.9。脱水症にOS-1 500mL/day、低アルブミン血症/亜鉛欠乏症に鶏卵1日3個を指導した。 治療のポイント 1.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。 ![]() 2.赤ミミズエキス粉末による妄想に対する治療 赤ミミズエキス(ルンブルクス・ルベルス)粉末は糖尿病、高血圧、高脂血症を患っている人に適応があり、特に脳梗塞や心筋梗塞を起こした人に再発作の予防に効果があります。頸動脈エコー19名で有意なプラーク(内膜肥厚)の減少(投与前 vs. 3ヶ月後で有意差、3ヶ月後 vs. 6ヶ月後で有意差)(日本東洋医学雑誌66(4)278-281,2015)を認めました。血圧降下作用、収縮期圧12mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.001)、拡張期圧5mmHgの血圧降下作用(投与前 vs. 8ヶ月後で有意差 P<0.01)を認めました。筆者は頭部CTで脳血管性認知症(VD)(境界領域梗塞や白質梗塞を含む)を認めた場合、特に物とられ妄想、嫉妬妄想などの症状が見られる場合に適応としています。脳血流改善作用、頸動脈、椎骨動脈、冠動脈など全身血流改善を認め、褥瘡治療にも有効です。赤ミミズエキスを投与して血圧を高めに維持しても妄想が続く場合にはセレネース0.2mg1日1回夕食後を開始します。 ![]() 3.せん妄に対する治療 夜間せん妄に対してはロゼレム4-8mgから開始して2週間-1か月様子を見ます。2週間-1か月経過しても改善が見られなければリボトリール2.5mgを追加します。夜間せん妄に幻視が加わった場合は抑肝散加陳皮半夏2.5gを追加します。夜間せん妄に夜間不眠が加わった場合はクエチアピン12.5mgを追加します。それでも夜間不眠が続いた場合にはクエチアピン12.5mgをレンドルミン12.5mgへ変更します。 4.低アルブミン血症に対する治療 低アルブミン血症に対しては肉、魚介類(魚、貝、いか、タコ、海老、カニ)、卵(ゆで卵、卵焼き、目玉焼き、生卵、温泉卵)、大豆(豆腐、納豆、煮豆など)を増やすように食事栄養指導を行います。特に施設などでは温泉卵を定期購入するように指導しています。施設患者10名以上で温泉卵開始前後でアルブミン血中濃度を測定したところ、毎日温泉卵1個増やした場合、血中アルブミンが0.2mg/dL上昇、毎日温泉卵2個増やした場合、血中アルブミンが0.4mg/dL上昇することが分かりました。当クリニックでは卵1個=血中アルブミン濃度0.2mg/dL上昇を基本にして食事栄養指導を行っています。卵は個数で指導しやすいこと、高齢者でも摂取しやすいこと、安価であること、厚生労働省の栄養指導でも1日の卵の摂取個数の上限がないことなどが理由です。肥満、高度糖尿病でない場合は、経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)なども併用します。 5.味覚低下または亜鉛欠乏症 亜鉛欠乏症に対してはプロマック75-150mgを開始します。亜鉛欠乏症は栄養および薬物補充療法により認知機能改善が見込めます。プロマックを投与することで興奮状態となる場合があるため注意が必要です。興奮状態になった場合は直ちに中止して、ノベルジン25mgを開始します。ノベルジンは吐気のため食欲低下を招くことがあり、興奮を伴う場合のみ投与します。食事栄養療法(牡蠣、あさり、アーモンド、レバー、ほたて、卵、鶏・牛・豚、しじみ、納豆など)および経管栄養剤(エネーボ、イノラス、エンシュア、ラコールなど)を投与します。 ![]() インターネット検索で来院された。既往歴:H15/8甲状腺プランマー病、甲状腺亢進症、名古屋記念病院。H31/12左橈骨遠位端骨折、名古屋記念病院。志水医院①メバロチン10mg②イルアミクス配合HD。物忘れを呈していた。頭部CT:以上から、レビースコア:0.5、ピックスコア:0、特発性基底核石灰化症(IBGC)/医原性認知症(ID)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:9/9、改訂長谷川式:28/30、近時記憶6/6と軽度低下していた。認知機能低下にメバロチン10mg中止、アイミクスHD→アイミクスLD減量した。甲状腺プランマー病にグルテンフリー・カゼインフリーを指導した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。14日後、中核症状は改訂長谷川式:30/30(+2)、近時記憶6/6(+-)と軽度改善して治癒状態となった。甲状腺正常。一般採血:Alb3.8,TCL185,Zn71以外異状なし。VitB1=51,VitB12=589,葉酸=8.9。 治療のポイント 1.スタチン中止 高齢者(65歳以上)に対する高脂血症治療薬の投与は認知症の原因になるという論文報告があります(Statin withdrawal in people with dementia. Cochrane Database Syst Rev. 2016 Sep 9;9(9))。総コレステロール、HDL、LDLに関わらず、スタチンは全員中止すべきです。総コレステロール(TCL)200以下の場合、特に150以下の場合に高度認知症の頻度が増します。スタチンを投与してもプラークは増加すると論文報告されています(N Engl J Med 2008 Jul 31;359(5):529)。従ってコレステロールが下がっても動脈硬化は進んでいると言い換えることが出来ます。スタチンはミトコンドリア毒であるという報告もあります(Expert Rev Clin Pharmacol 2015; 8(2):189-99)。 ![]() 2.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療 高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。 ![]() 3.自己免疫疾患に対するグルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエット (1)注意欠陥多動障害(ADHD)、アスペルガー症候群(AS)、アルツハイマー型認知症(ATD)、レビー小体型認知症(DLB)、前頭側頭型認知症(ピック病)、前頭側頭葉変性症(FTLD)、前頭側頭葉変性症(意味性認知症,SD)、統合失調症、レビー小体病(LBD)、パーキンソン病(PD)、多発性硬化症(MS)などの自己免疫性神経疾患。(2) 気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹などのアレルギー性呼吸器および皮膚疾患。(3)下痢症、便秘症、逆流性食道炎、過敏性腸症候群、クローン病、潰瘍性大腸炎などの自己免疫性消化器疾患。(4) 緑内障、黄斑変性症などの自己免疫性眼科疾患。(5) 過換気、片頭痛、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症、ヘバーデン結節、シェーグレン症候群、橋本病、血管炎、子宮筋腫、子宮内膜症、月経前症候群などの自己免疫性関節および血管、各臓器疾患。この方の場合は、自己免疫疾患である甲状腺プランマー病治療歴があり、グルテンフリー・カゼインフリー(GFCF)ダイエットを勧めた。 ![]() インターネット検索で来院された。既往歴:H23大動脈瘤人工血管、藤田衛生大学病院。おおやま胃腸内科外科クリニック①タケルダ(バイアスピリン100mg+タケプロン15mg)②エンレスト50mg③メチコバール0.5mg④フェロ・グラヂュメット105mg。物忘れ、語義失語、生真面目を呈していた。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮なし、④海馬萎縮なし、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所。以上から、レビースコア:2、ピックスコア:1、医原性認知症(ID)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:23/30、近時記憶2/6と軽度低下していた。認知機能低下にタケプロン中止、エンレスト50mg→ブロプレス4mgへ変更、フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。10日後、中核症状は改訂長谷川式:27/30(+4)、近時記憶5/6(+3)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:Alb4.0,Zn63以外異状なし。VitB1=26,VitB12=483,葉酸=12.4。 治療のポイント 1.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止 プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。 ![]() 2.エンレスト中止 エンレストは慢性心不全(50-200mg)および高血圧症(100-200mg)に適応があり、サクビトリル及びバルサルタンに解離して,各々ネプリライシン及びAT1受容体を阻害します。サクビトリルはエステラーゼによりネプリライシン阻害の活性体であるsacubitrilatに速やかに変換、ネプリライシン阻害は血管拡張作用、利尿作用、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系(RAAS)抑制作用、交感神経抑制作用、心肥大抑制作用、抗線維化作用及びアルドステロン分泌抑制作用を有するNa利尿ペプチドの作用亢進に寄与します。一方でネプリライシンは疎水性アミノ酸残基のアミノ末端側でタンパク質のペプチド結合を切断する細胞膜結合型のタンパク質分解酵素であり、脳内でアミロイドβを分解する主要酵素であり(J Neurosci. 2004 Jan 28;24(4):991-8.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14749444/。ネプリライシン活性を上げることで脳内アミロイドβを減らしアルツハイマー型認知症治療に結びつける可能性も報告されています(Mol Psychiatry. 2022 Mar;27(3):1816-1828.)https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34737456/。従って、エンレストは脳内アミロイドβを増やし、アルツハイマー型認知症を悪化させてしまう認知症誘発薬と言えるのです。 ![]() 3.アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARBs)がアルツハイマー病および関連する認知症(AD/ADRD)および認知機能低下に対する保護効果 アンジオテンシンII受容体遮断薬(ARBs)がアンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)、非ARB/ACEIの降圧剤、または降圧剤の使用をしないよりも高血圧患者のアルツハイマー病および関連する認知症(AD/ADRD)リスクを減らす上で優れていることを示唆しています。また、ARBにおける脳血管門(BBB)透過率はADRD発生率の低下と関連していました。AD、ADRD、血管性認知症には治療法がありません。したがって、これらの発見はこれらの障害を安価で便利かつ安全な方法で予防する上で重要です(EBioMedicine. 2024 Nov;109:105378)。認知機能低下予防効果はARB>ACEI>non-ARB/nonACEIの順になります。ARDの中でもブロプレスが一番優れていることがデータ分析から示唆されています。従ってARBであるブロプレスがnon-ARB/nonACEIであるアムロジンよりも認知機能低下予防効果があるという結論が導かれます。 ![]() 4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。 ![]() ![]() 知り合いからの紹介である。既往歴:H26腰椎椎間板ヘルニア、あらかわ医院①トラムセット配合錠②ボンビバ錠③モーラステープ。城山クリニック①パリエット10mg②アムロジピン錠5㎎。物忘れ、昼間傾眠、夜間不眠を呈していた。独居。頭部CT:①頭頂葉萎縮なし、②前頭葉萎縮軽度、③側頭葉萎縮軽度、④海馬萎縮軽度、⑤両側基底核ラクナ梗塞数カ所、境界領域梗塞、⑥その他 両側淡蒼球石灰化。以上から、レビースコア:1、ピックスコア:0、特発性基底核石灰化症(IBGC)/混合型認知症(MIX)として治療を開始した。中核症状は時計描写テスト:8/9、改訂長谷川式:26/30、近時記憶5/6と軽度低下していた。認知機能低下にトラムセット配合錠中止、パリエット10mg中止、アムロジン5mg→2.5mg(150mmHg以上屯)減量した。ビタミンB1、B12、葉酸、TIBC、Ferritin、Zn血中濃度を測定した。1か月後、中核症状は改訂長谷川式:29/30(+3)、近時記憶5/6(+-)と中等度改善、上記周辺症状はすべて消失した。甲状腺正常。一般採血:s-Cr0.73,eGFR56.1,Alb3.8,Hb10.3,Zn61以外異状なし。VitB1=22,VitB12=267,葉酸=8.5。認知機能低下にフェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒2錠を勧めた。 治療のポイント 1.がん性疼痛治療薬中止 がん性疼痛治療薬でもあるオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)の「トラマール(トラマドール)」、「トラムセット(トラマドール・アセトアミノフェン配合剤)」、「ノルスパン」も眠気が強く認知機能を低下させます。トラマール/トラムセットはμオピオイド受容体の作動作用に加え,ノルアドレナリン及びセロトニンの再取り込み阻害作用を併せ持つことで,侵害受容性疼痛及び神経障害性疼痛を抑制します。ノルスパンはオピオイド受容体に作用し,中枢神経系の痛覚伝導系を抑制することで鎮痛効果を発揮すると考えられています(今日の診療プレミアム Vol.32)。 ![]() 2.プロトンポンプ阻害薬(PPI)/H2レセプター阻害薬 (H2RAs)中止 プロトンポンプ阻害薬(PPI)が認知症のリスクを1.44倍に高める(JAMA Neurol.2016 Apr;73(4):410-6)、PPIがコリンアセチルトランスフェラーゼを阻害し、結果としてアセチルコリンの生成が低下する(Alzheimers Dement.2020 Jul;16(7):1031-1042)という論文報告があります。状態が許せばPPI中止すべきです。一旦、PPI中止して嘔吐や食物逆流など逆流性食道炎の症状が出なければ中止のままとします。H2レセプター阻害薬(histamine-2 receptor antagonists (H2RAs))も認知症のリスクを高める(Am J Geriatr Psychiatry. 2018 Nov;26(11):1175-1183)という論文報告があります。 ![]() 3.脳血管性認知症(VD)/妄想に対する治療 高血圧治療薬を投与して収縮期血圧130mmHg以下、すなわち過降圧にすると脳血流低下による認知症/妄想の原因になるという論文報告がされています。 降圧剤投与する場合は、収縮期血圧(年齢+50 ) -(年齢+70 )mmHgを目標にするように指導しています。血圧は1年の中でも2月が最高、8月が最低になるため春から秋は降圧剤を減量する必要があります。 春先から初夏にかけての被害妄想の出現は過降圧が原因ですから、降圧剤を減量して脳血流低下を改善する必要があります。降圧剤を投与していない場合は、OS-1などのイオン飲料を飲むことで血管内圧を上げる必要があります。 ![]() 4.フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒による認知症治療 フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は軽度認知障害(MCI)の状態で投与すると認知機能改善および認知症発症予防に有効です。フェルラ酸50mg/ガーデンアンゼリカ10mg粒は前頭葉の活性を上げることで前頭側頭葉変性症に伴う脱抑制行為抑制および認知機能改善に有効です。興奮性があり抗認知症薬(ドネペジル/レミニール/リバスタッチ)を投与すべきでない場合に第一選択の選択肢です。金銭的にサプリメント購入不可の場合、フェルラ酸代替品としてガンマオリザノール50mg2錠1日2回朝夕食後を処方します。
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Feb 16, 2026 09:38:53 PM
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