医学界で注目の性差医療「男と女ではかかりやすい病気が違う」
世界一受けたい授業(2008/1/19放送)より医学界で注目の性差医療男と女ではかかりやすい病気が違う性差医療の第一人者 天野恵子先生=男性に多い病気=脳血管障害 2倍胃がん 2倍十二指腸潰瘍 2倍尿路結石 2倍=女性に多い病気=片頭痛 2倍認知症 2倍関節リウマチ 3.5倍貧血 6倍女性の場合には生理が始まると毎月出血がある。鉄の貯容量はとても少ないので間に合わない。欠乏性貧血が表に出てくるという女性ではということ。男女の差が大きい病気の特徴は?男性は死に直結する病気が多い。女性の方は更年期以降の生活の質に関与する疾患が多い。違いのひとつは「遺伝子」男女の決めるのは染色体で女性は「XX」 男性は「XY」男の人には「X」は1つしかない。「X」遺伝子の上には免疫に関する遺伝子情報がたくさんのっている。免疫に関する遺伝子情報に欠損が1ヶ所あったとしても女性は正常な「X」から補ってくれる。男性は1ヶ所欠損があっても「Y」では補うことができない。免疫機能というところからいくと男性のほうが弱いということになる。「X」遺伝子には1098の情報がのっているのに対し男性の持っている「Y」遺伝子には78の遺伝子情報しかのっていない。ただしこれがとても大事なのはこれがないと男性が男性になれない。とても大事な遺伝子が「Y」遺伝子にはのっている。「一姫二太郎」という言葉を知っていますか?子どもを産むときに まず女の子を産んでそれから男の子。昔から言われているが 医学的にもそれは正しい。子育てをする場合には最初には感染症に強く病気に強い女の子を産んで そして慣れてそれから男の子。死亡率を見ると女性より男性のほうが多い。しかし神様というのは男性ばかりに苦を授けるわけではない。逆に遺伝子上男性より免疫力が強い女性の場合アレルギーなどには過剰に反応してしまう。そのため花粉症患者の割合を見ると男性43%、女性61.4%と男性よりも女性のほうが1.5倍もかかりやすい。冷え性は女性特有?男性にもないわけではないが女性のほうが絶対に多い。体の熱を作るひとつの大きなソースが筋肉。この筋肉量が男性と女性で明らかに違うので体の中でできるエネルギーの量が圧倒的に男性のほうが多い。したがって体温も男性のほうが高い。室内の温度で男性が「暑い」という。女性は「寒い」と思いながら我慢する。この場合どちらに合わせたほうが我慢が少ないのか?はやり女性に合わせるべき。男性は薄着になり女性に合わせ室内の温度を調節するのが一番。便秘がちな男性がダイエットによって便秘が解消されたが…基本的にダイエットするってことは食事のバランスにも気をつけ運動もする。運動すると腸が動く。それが一番便秘の解消に役立つ。◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◆思春期までは病気に関して遺伝子の影響が強い。思春期以降は女性ホルモンが大きな影響を与えていく。実は女性ホルモンに含まれるエストロゲンという物質が多くの病気から女性を守っている。女性ホルモンのエストロゲンには血管を広げたり硬くなるのを防ぐ働きがある。エストロゲンの分泌は生理がある期間だけ閉経後は分泌されない。心臓の血管が詰まって起こる心筋梗塞は若い世代は圧倒的に男性が多いが75歳以上になると男女の差がほとんどなくなっている。女性は50歳までは妊娠・出産・育児という役割のために守られている。生理が終わると女性ホルモンは全くでない。一部男性ホルモンが女性ホルモンに変わる。100歳くらい長生きをする人たちを採血すると女性ホルモンは0ではない。わずかだが女性ホルモンが測定できる。女性ホルモンは一生にティスプーン1杯くらい出る。女性ホルモンが減少すると血液中にカルシウムが溶け出して骨粗しょう症の原因になってしまう。骨粗しょう症は女性ホルモンの影響が大きい病気。女性ホルモンの働きを弱めてしまう行為とは?「喫煙」男性の場合は過去喫煙をしていたが辞めたという方は全く吸っていない方と同じくらいの死亡率となる。女性の場合は喫煙を辞めればガンの死亡は減るが循環器の死亡は喫煙者と同じ死亡率。エストロゲンの作用をブロックしてしまう。男性はもともとエストロゲンの作用がない。さらに吸っている方は閉経が早く来る。あとは美容的にもいろいろ問題がある。妊娠したときは赤ちゃんが小さく生まれてきたり生まれてから突然死する率が高いとかいろんな問題がある。やはり女性の喫煙は怖い。女性ホルモンを打てば病気は治る?閉経後すぐ3年以内にホルモン補充療法を始めれば心筋梗塞などの頻度は少なくなっていく。ただし一方 ホルモン補充療法には乳がんのリスクを高めるという面もある。女性ホルモンが摂れる食べものはないのか?中で分泌される女性ホルモンと外から補う女性ホルモンとの働きが同じかというひとつ大きな問題がある。しかし食事の中で一番注目されているのは「大豆イソフラボン」日本人にのぼせとかほてりとか更年期の症状で急に熱くなる症状があるが欧米の人に比べて少ないのは豆腐や納豆など大豆の食品を摂っているからだと言われる。