冬に増える身体の不調「夜間頻尿」
みんなの家庭の医学 (2012/12/9放送)より冬に増える身体の不調「頻尿」夜暖かい布団でぐっすり眠っていたいのに何度もおしっこにおきなければならないいわゆる夜の頻尿「夜間頻尿」冬そこ夜間頻尿が猛威を振るう頻尿患者は寒くなると増加し冬は夏と比べると約1.4倍程度増える傾向があるしかしそんな夜の頻尿に悩む方に朗報です近年の研究で夜の頻尿を解消できるかもしれないある新原因がわかってきたのですのべ6万人の尿トラブル患者を救ってきた尿治療のエキスパートいわく 最近の研究でおしっこの中に含まれているあのものが夜間頻尿の危険因子になっていることがわかってきた夜間頻尿の原因のひとつ人のおしっこに含まれているある成分ある成分が通常より多くなることで夜間頻尿になっている人がいるその成分を突き止めれば頻尿解決の糸口になるはず夜間頻尿に悩んでいる5名におしっこ検査を実施おしっこに含まれる成分を測定新原因による夜間頻尿の方をあぶりだすまずは皆さんのおしっこ事情Aさん52歳女性 夜間頻尿歴5年 回数は平均すると2回 多い時で3回寝不足になって朝起きれない状態そういう日が冬場は毎日のように続くのでかなり身体はしんどい状態Yさん54歳女性 夜間頻尿歴4年回数は3回小刻みに目が覚めてトイレに行きたい時にそういう夢を見るそこでお漏らしをしてしまったみたいな夢をよく見て慌てておきるとトイレを我慢していたということはよくある皆さん毎晩2~3回トイレにおきてしまう果たしてこの中に新原因で頻尿を起こしている方はいる?今回の検査では医療用の回収容器の中にためてもらったおしっこを徹底分析夜間頻尿の新原因といわれる成分の量を測定新原因の成分が一般的な量の1.5倍を超えた場合新原因による夜間頻尿が疑われる結果 検証に参加した5名中4名が新原因による夜間頻尿の疑いありという結果に夜間頻尿の新原因といわれる成分とは「塩分」つまりおしっこに大量に含まれていた成分とは塩分だった普段の食生活で塩分を取りすぎていないか伺ってみると・・・「ラーメン大好き スープ大好き」「加工品を使ったり 出来合いのもの・・・」続々と判明する塩分まみれの食生活塩分の摂り過ぎと夜間頻尿に一体どんな関係があるの?塩分を多く摂っている人は塩分が身体の中にたまってきて身体がむくんできて 夜休んだりする時に尿として水分が戻ってきて尿量が増えて夜間頻尿になる可能性がある塩分を摂りすぎる ↓ ↓血液内は塩分過多に ↓ ↓塩分を薄めるために水分を血液に送る ↓ ↓血液量が増加し血圧が上昇 ↓ ↓圧力により塩分を含んだ水分が押し出される ↓ ↓細胞の間に停滞=むくみむくんだ状態のまま寝る ↓ ↓塩分と水分が血液に戻る ↓ ↓腎臓が余分な塩分・水分を感知 ↓ ↓尿を作り出す ↓ ↓夜間頻尿さらに冬は夏場と違って水分が汗で飛んでいったりしないので身体に塩分や水分を抱え込みやすくなって身体がむくみやすくなって冬場には夜間頻尿の回数が増える日ごろから塩分の高い食事が多い人は冬場になると夜間頻尿を起こしやすくなる塩分を抑えれば夜間頻尿は改善される?AさんとYさんで検証する先生が推奨する1日の塩分摂取量 約6gYさんのある日の夕食なすと玉葱の漬物 梅干 大根の煮物・・・塩分の高いおかずを肴に晩酌をするのが楽しみ食事の様子を見ていてスタッフが気になったのは食卓に置かれた醤油さしその場ではしていなかったが 本当はこうしたかったと焼き魚に大量の醤油スタッフの手前 遠慮していたのだとかこれなら塩分過多になるのもうなずける取材した日の塩分量は朝食 約2g 昼食 約5g 夕食 約10g合計 約17g先生が推奨する量の3倍だったAさんの場合は朝食 バタートースト 約1g昼食 めんたいこスパ サラダ コーンスープ 約4g夕食 キムチ鍋 漬物 約6g合計 約11g先生が推奨する量の倍近くだったではどのくらい頻尿なのかYさん午前1時30分に就寝午前3時 1回目のトイレ午前4時30分 2回目のトイレ午前6時30分 3回目のトイレこの日は3回Aさん夜11時にトイレをすませ就寝午前1時頃 目が覚めて1回目のトイレ午前4時40分 2回目のトイレこの日は2回お2人とも必ず毎日明け方に起きてしまうので熟睡感が得られないのが何より辛いという結果 塩分量が多いほどトイレの回数が多い2人には1日の塩分量6gで3日間生活1回の食事で塩分量2gまで減塩生活1日目Yさん減塩味噌をかって味噌汁を作る塩分量をきっち計測して作る夕食 蒸し鶏のサラダ 湯豆腐 わかめの味噌汁 ご飯 塩分量2.3g「美味しくない! インスタントだってもっと美味しいでしょー」Aさん野菜たっぷりのペペロンチーノ・いちご塩分量1.5g「ハア~ もうちょっとお塩欲しい 塩せんべ食べたい」薄くなってしまった味に不満だらけのお2人ですがなんとか 塩分量は目標達成果たして二人の夜のおしっこに変化は起こる?Aさん午後10時30分就寝午前0時30分 1回目のトイレYさん午前2時就寝午前4時 1回目のトイレその後 午前7時になっても起きない2人結果 減塩生活1日目にして夜のトイレ回数は1回Aさんは7時間熟睡Yさんは4時間熟睡減塩効果にすっかり気をよくした2人2日目もしっかり減塩メニュー味には満足できないが夜間頻尿のために我満我満この日の夜はAさんが1回トイレに起きただけ最終日の夜もAさんが1回トイレに起きただけ過酷な減塩生活を終えた2人Yさん「どうしても減塩というとラーメン・うどん・そば お鍋こういった汁物は今回3日間は我満しました お鍋・雑炊食べたい!」Aさん「物足りない食事だったかな 今までの3日間の食事を これからも続けていけないって思うと ちょっと無理があるのかなって思います」確かに1食2gの塩分量を守り続けるのは難しい塩分摂取量の多い60代の人は夜間頻尿のリスクが約2.4倍高い今まで夜間頻尿の原因は水分の摂り過ぎや高血圧が言われていたが そういったリスクに比べて塩分の方が夜間頻尿のリスクが高い冬に夜間頻尿が増える理由は?冬は鍋物や煮物など温かい料理を食べる機会が増える温かい料理は調理の性質上 味をしみこませるために塩分量が増えることが多い冬は食べる量も増えやすく塩分摂取量も多くなりやすい鍋の素 人気ランキング(塩分量)1位 キムチ鍋(約18g~27g)2位 豆乳鍋 (約12g~14g)3位 寄せ鍋 (約13g~15g)キムチ鍋に具材の塩分量をプラスすると塩分量なんと31.8gこれは1人換算10g以上さらに締めにうどんを入れて食べた場合うどんの塩分までもが足されてしまう夜間頻尿の予防・改善が期待できる1食2gの塩分では美味しい鍋を作ることはできなさそう・・・とはいえ冬はやっぱり鍋が食べたいできることなら締めまで食べたい簡単に塩分を抑えられる美味しい減塩鍋ポイントだけをざっと書きます「トマトキムチ鍋」減塩ポイント(1)甘味の出る玉葱とかぼちゃを使う⇒キムチの持つ辛さ自体も旨味に変える調理していく時 まず手にとったのはアサリ貝は調理の途中から入れることも多いが貝の旨味は水から加熱していくことでしか旨味が出ないので水から入れる減塩ポイント(2)水から煮出しアサリの旨味を最大限引き出す減塩ポイント(3)旨味材料 昆布出しだけではなく具材としても食べられるよう昆布を細かく切って入れるアサリの口が開いたら煮過ぎて身が硬くならないようにアサリを一旦取り出すココで残ったのは100CCのスープ本当だったらココに水を入れたいところだが水を入れるとせっかくのスープが薄まってしまうのでココで使うのは旨味材料「トマト」トマト2個をすりおろす減塩ポイント(4)水の代わりに旨味成分たっぷりのトマトをスープにするにんにく1かけすりおろす豚肉・玉葱・かぼちゃを入れる赤唐辛子の輪切りをお好みで入れる一煮立ちしたら豆腐とキムチ(100g)を入れるキムチの塩分がスープに溶け出す豆腐が温まったらアサリをもどしいれる最後に醤油(小さじ2)を入れる最後に入れることでお醤油の香りと塩分がぐっと引き立って効果的になる減塩ポイント(5)最後に醤油を入れることで少量でも塩味をしっかり感じられるごま油・いりごま・にらを入れる