『うつくしが丘の不幸の家』~町田そのこ
本当に不幸な話だったらどうしようと思いつつ読んでみると、そんなことはありませんでした。題名だけ見て、不幸な話は読みたくないと思った方、ぜひ読んでください(笑)短編連作です。同じ家に住んだ、いくつかの家族の歴史を遡っていきます。一話目を読み終わった段階で、友達に薦めました。後半、何度も泣けたなぁ~うつくしが丘の不幸の家 [ 町田 そのこ ]お隣の荒木さんがいい味出しています。脳内には、枇杷の木があって、お隣が荒木さんちの風景がずっと浮かんでいました。3階建ての不幸の家より、荒木さんちの方がより鮮明に想像できました。大昔、都内に住む友達が枇杷の葉が欲しいというので、何に使うのかと聞いたら「湿布」とのこと。着付教室の友達に話したら、職場に枇杷の木が庭にある人がいるから聞いてみると言ってくれて、枝ごと持ってきてくれたことがあります。枇杷の木を見ると、いつもこの出来事を思い出します。この小説にもたくさん枇杷の木のことが出てきて、畑に枇杷を植えたくなりました。町田そのこさんの本はこれで3冊目。全部読んでいます。これからも読みたい作家さんです。