イタリアン・マダム
今日は成人の日で日本は休みだが、イタリア大使館は平常業務を行なっていた。このあいだの伊達男の参事官殿、大使夫人に話をつないでくださったとはありがたや。「14日か15日の朝9時半なら大使夫人と面会可能なので、再度来館されたし」ということで、休日返上で、急遽ボスに同行したのだ。さすが、入り口にはローマ時代の遺跡から持ってきたような大理石のレリーフや壷が置かれ、花の生け方も洗練されている。白っぽい大理石の床に上品なグリーンの応接セットがゆったりとしつらえられた明るくモダンなサロン。天井から床まで一面のガラス張りのため、庭の池や木々がよく見える。大使夫人はグレーと薄ピンクと濃いピンクのボーダーニットをさりげなく着こなし、グレーのミニスカートが惜しげない脚線美を際立たせていた。それなりの年齢のはずだが、とても若々しく、ショートカットに赤の伊達メガネがチャーミングなステキなマダムである。英語もおできになるそうだが、今日は、イタリア語のできる日本人職員の通訳があったので、終始イタリア語だった。私はもっぱらメモ取りに徹した。ボンジョールノ プリモ?セコンド?ドルチェ?パスタ ウ リゾット? パスタ・ネッロ パスタ・ロッソ パスタ・ビアンコ?ミラーノ ロマーノプレーゴ プレーゴ スィ スィ時々こんなふうに単語が聞こえるだけで、イタリア語はさっぱりわからない。どうもマダムの頭の中には、次から次へとアイデアが浮かんでくるようだったが、ほとんど大使館職員の方を向いて、早口のイタリア語でお話されているので、ボスも私もなかなか口を挟むスキがなかった。どうやら、リゾットに決まったようだ。やれやれ。あとは日程がうまく合うかどうかだな・・・昨年の春以来、再三のメールやファックスや電話への「なしのつぶて」や婉曲話法でのお断りにめげず、見本誌を郵送して、さらに電話するというしつこいアタックが実って、公邸の中にまで足を踏み入れることができたのだ。いやー、日本でも、こういう世界が東京の一等地にあるんだなあ。。年間4,000から5,000の来客があるとのこと。さすが!マダムはにっこり笑顔で公邸の玄関前まで見送ってくれた。