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第7官界彷徨

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2008.12.03
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カテゴリ:現代社会
 今日の東京新聞、本音のコラムは、精神科医の斎藤学さんの「自意識の痛風」。イタタ!どんなことか本文でご紹介します。

「ラーメン屋で怒鳴る客」というのがいる。後から来た客のチャーハンが先に来たというので怒鳴り出す。
 怒鳴る前に自分の注文が通っているか否かを静かに確かめたらどうかと思うのだが、当人にすればそれどころではないらしい。
 自分だけが不当に後回しにされたと疑うので騒ぐ。そんなわけだから、この手の人の自尊心は低い。自意識に傷が入りあたかも炎症を起こしているかのように腫れあがっており、今や風に当たっても痛いという「自意識の痛風」に陥っている。」

「自意識に当たる風とは世間の人々の視線と評価。これが針で刺されるように痛むので滅多に外出もできない。あえて外に出るとなれば心に鎧をまとい、暴言、痛罵の鞭を常に携帯しなければならない。」

☆大変ですよね。自意識の痛風とは言い得て妙!こういう感覚は誰でも多少は持っているとは思うけど。痛風となると痛いです!続けます。

「やむを得ない事情で外に出なければならないなら、精神科医からそれなりの診断を貰っておいてくれると有り難い。病人と自覚すれば世間を脅かすことがなくなるから。
 夏目漱石はこの種の人々を巧みに描いている(例えば行人の一郎)ので、恐らく自分自身にこの傾向があったのだろう。
 もちろん知性による抑制力は並はずれていたのだろうが。昨今話題になっている小泉某も、こうした人の一人ではなかろうか。」

☆という斎藤先生の診断でした。でも、もう一人、ブッシュのいいなりになって、今の世情不安の原因をまきちらした、小泉躁という人もいましたね。こちらの方は痛みなど感じないタイプでしょうが。特に人の痛みには。

 夏目漱石といえば、幸徳秋水の大逆事件は、石川啄木と病気入院中の漱石とに、大きく影響を与えたようです。啄木は新聞社の仲間と、入院中の漱石を見舞った4、5日後に、ひとりで再び漱石を見舞い、話し込んだそうです。
 幸徳秋水の処刑から1ヶ月後、文部省から博士号授与の通知があり、入院中の漱石は即座に辞退しました。ところが文部省はすでに発令済みだからと認めませんでした。
 幸徳秋水の処刑直後、南北朝のどちらが正しいかが政治問題化し、国定国史教科書が書き換えられ、編纂官が休職になった事件があったそうです。(南北朝のどさくさは、私たちの頃は先生が教えてくれなかったです。今も、かも)
 そういう弾圧を加える文部省が、漱石に博士号を授与し、その辞退も認めない、権威主義の政府に対し、漱石は多くの評論を書いて抗議したのだそうです。

 漱石の「行人」は読んでいないか、読んでも忘れてしまっていますが、家族や社会制度の虚偽を鋭く衝いている作品らしいので、読んでみたいと思います。自意識の痛風がうつらない程度に。





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最終更新日  2008.12.03 20:16:02
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