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カテゴリ:経済小説
新装版 不祥事 (講談社文庫)
□ 商工ローン。幸田がそれに手を出したのは、その顔をみればわかる。そうしてまで、幸田は会社と従業員の生活を守ったのだ。表情には決意がにじみでている。 □ ほらみろ。こんなアホの御曹司にかき回されるほど、うちはおちぶれちゃいないだろ。腐っても鯛だ。 □ この銀行って組織が人をかえてしまう事はよくあることです。 □ ただ、たまに銀行という組織に、こういう無力感というか、殺伐としたものを感じる時があるのよ。結局ここは人を動かし、時に狂わせるいくつかの物差しが同時に存在している銀行の利益という物差し、そして派閥や個人的な私利私欲という物差し、だけど私たち個人が幸せになれるのか、本当にやりたい仕事ができるのかという物差しはいつだって後回し。 □ たったひとりの人間の自尊心のために、同じ現行で働いている、家族も将来もある人間がだめになっていく。いつから銀行はそんな職場になったんでしょうか。出世のために人を蹴落としてなんとも思わない、そんな人が経営する銀行に、社会の役に立つことができるんでしょうか。 □ 銀行の体質といってしまえばそのとおりだけれど、誰もお客さんのことを考えてない気がするのよね。みんな客のために働いているんじゃなくて、自分のキャリアのために働いている。 □ あんた入行3年目でしょう。そんな人間に銀行の何がわかるっていうの。あんたは嫌で嫌でたまらないかもしれないけれど、ここに勤めている行員は皆、毎日その仕事を歯を食いしばって頑張っているのよ。あんたがしたことは、真面目に働いている全ての銀行員、いいえ世の中のサラリーマンをバカにする最低の行為よ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013/02/22 12:11:33 AM
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