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カテゴリ:牧場
7月11、12日、音更町の十勝農協連家畜共進会場で「第53回十勝総合畜産共進会」が開かれました。
今回は肉用牛と種馬の部で、8月には乳牛の部もあります。 牝馬でも「種馬の部」といいます。 今年は22頭(2頭欠場)が出品されました。各地農協の共進会上位馬が集まるのですが、共進会がなくなったり、伝染病防止などの理由で共進会が行われなかったりするなど、頭数が少なくなっています。 共進会の結果は競走成績に反映しないですが、生産者が集まる場、勉強の場だと感じます。 駐車場横には各農協のテントが張られ、焼き肉がセットされています。 壁には陣中見舞いとして、お祝いの封筒がたくさん貼られていました。 1日目は午前に体高や胸囲、管囲を測る測尺、1頭ずつ馬を立たせ、三角の線の上を歩いて歩様を見る「個体審査」が行われました。 三角の上を歩きます。 3歳以上雌仔無 3104エフノブロンディ おしゃれして登場 3歳以上雌仔無 3103プリンセスホクエイ お母さんにぴったりついているからと引き手なしの当歳馬もいます。みんな大好きフリーダム仔馬。 ちゃんとついて歩いていますね! 3歳以上雌仔付 3201ウィナーサラ(仔の父スーパータイトル) 馬はこの場所に1泊。生産者も馬運車に泊まっているそうです。たまに馬を歩かせていました。 2日目は肉用牛と合同の開会式からスタート。代表として3才以上雌仔無の部に出ていたタカラプレシャスが参加しました。 「十勝の農業は馬語らずしてない。家族同様にして十勝の農業を築いてきた」と、十勝地区農協組合長会の有塚利宣会長(92)のあいさつ。 十勝では牛がメインだと思われる中、馬の大切さを必ず話してくれるのはうれしいです。 映画「馬橇の花嫁」の製作にも協力されたそうで、馬がいた時代を生きた方のコメントです。 最高位の賞品が並びます。ファームエイジ賞「アブキャップ」も…!(人気のアブ捕獲器) さっそく、部門ごとに馬を並べる「比較審査」です。だんだんと暑くなってきました。 3本線が引かれ、最初は3本目の線の前に並び、審査を行います。 それから名前を呼ばれた馬が前の線まで出ます。この馬たちは1等か2等であらためて審査を行います。残った馬は3等が決定。 また名前が呼ばれた馬が1等となります。 最後に各部門の1等が並び、最高位を決めて終了です。 講評は日本馬事協会の山下大輔さん。これからは、ファンの方に馬の見方の勉強になればと、コメントを抜粋して紹介します。 何度も言いますが競走能力とは別で、家畜品評会としての見方です。 第30部 2才雌 2頭(1頭欠場) 1等 3002 白雄(父エランドネスク母ルックアップ 帯広市・上見信一さん) 純ペルシュロン。帯広家畜共進会でグランドチャンピオンだった馬です。 帯広家畜共進会は6月中旬の「八千代牧場まつり」の横で行われますので、見に行きやすい共進会です。 馬格は秀でて、中駆の肋張り、後駆が充実したお尻は特筆するものがある、との講評でした。 欠場になったタカラブルーローズと白雄、2頭とも昨年の全道共進会に出ていたので対決を楽しみにしていた、とのこと。また来年ですね。 第31部 3才以上雌仔無 4頭 1等 3104 エフノブロンディ(父スギノハリアー母汀勝 幕別町・西村正順さん) こちらは帯広のリザーブチャンピオン。1才で共進会に出たころからきれいな馬だな…と思っていた馬です。 牝馬らしい中駆の肋張り、後駆も力強い。 前駆の肩の角度が立っているが、それを補う種馬を交配することでいい馬が出来るのでは、と。 馬の個性は種馬を考えていく材料にもなります。 第32部 3才以上雌仔付 5頭(1頭欠場) 1等 3204 マオノクイーン(父レットダイヤ母タカラテンボシ 幕別町・村田堅馬さん)仔の父コウシュハウンカイ 牝馬重賞にも何度か出走したマオノクイーン、馬事協会では重種馬生産の改良促進のため繁殖牝馬を貸し出しており、そのうちの1頭です。 力強いお尻がポイントのようで、首から頭へのバランス、肩の厚み、幅に加えて肩、中駆~後駆の移行が良いものを持っている…とべた褒めで、この時点で最高位いくのでは?!という感じでした(笑) 仔馬の父は、村田堅馬さんの父律雄さんが管理するコウシュハウンカイ。基本的には判断はその馬自身を見ますが、初産で、牝馬だが大きいことも本馬の評価に大きく影響したようです。 2等1席ホクトテンボシ(仔馬の父イノリノチカラ)。 1歳雄にもイノリノチカラの仔がいて、雰囲気があるなぁと個人的に気に入りました。産駒数が多いので来年のデビューが楽しみです。 騎手たちもお世話になっている馬主や生産者の手伝いに訪れています。 2等2席トウショウアイリス(仔馬の父マツカゼウンカイ)、おしゃれしてきました。仔馬ちゃんもおそろいです。 プリンセスホクエイも、おしゃれは1等! ちゃんと1日目が終わったら外して、2日目の朝に付けなおしていました。 3等でしたウィナーサラは共進会の常連。2019年には全道最高位も受賞した馬です。 きれいきれいしてもらっています 大きな馬格で、バランスもいいのですが歩様で評価を下がってしまいました。 上の写真のフリーダム仔馬、スーパータイトルの仔が大きくて目を引きました。目と顔がいいですよね。 第29部 1才雌 6頭 1等 2905 柚奈(父ホクショウユヅル母ナイスドリーマー 帯広市・川副真姫さん) 丸みがあって牝馬らしい、骨量があってバランスがとれている、というような講評でした(立っていた位置が悪く最初あまり聞きとれませんでした、すいません…) また、鼻筋が少し盛り上がっている「兎頭」で、品評会においては品格が落ちるとされるがここではマイナスにしなかった、とのことでした。 私は個人的に兎頭好きです… 第28部 1才雄 5頭 1等 スーパープリンセス乃2023(父イノリノチカラ母スーパープリンセス 上士幌町・金福畜産) 馬格にすぐれ、移行がなめらかで形がきれい。かなり褒められていました。目を引いたイノリノチカラの仔です。 1歳の講評は、まだまだ改善の余地があり今後に期待、というのでワクワクします。 牡馬はほぼ「来年競馬場で会おうぜ!」ですからね。 ちなみに展示の順番は、元気な1歳雄が最後、です。 そして全5部の1等が集まって並びます。ここから最高位決定!! 最高位は、マオノクイーンでした! 長く現役を続け、それでも馬体を維持して素晴らしい産駒を出す…かっこいいです。 おめでとうございます!! 体調が万全ではない馬はいい馬でも評価が落ちるのを見ると、体調管理というのは本当に難しいんだな、と思います。 山下さんも講評で悩んだと言っていた部門もありますし、忙しい時期に、ここまで仕上げて馬運車でやってきた人馬に拍手です。 取材/小久保友香・小久保巌義 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024年07月25日 17時54分03秒
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