【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

フリーページ

2015年07月05日
XML
テーマ:ニュース(99432)
カテゴリ:政治問題
 安倍政権の政治姿勢について、経済学者で同志社大学教授の浜矩子氏は、6月21日の東京新聞コラムで次のように批判している;


 「見ざる聞かざる言わざる」。あまりにも良く知られたこの「三猿」は、故事的には美徳の象徴の位置づけになる。他人の欠点を見ず、その欠点について聞かず、その欠点を語らない。これぞ、品位ある振る舞いだ。それが、三猿の教えだということになっている。

 それはそれで良く解(わか)る。古来の教えにケチつけるつもりはない。だが、人は、時として三猿を決め込むわけにはいかない事態に当面する。

 自分たちの周囲で進行する変化に目を向けない。それに耳を傾けない。そのことについて黙して語らない。そんな風にしていると、ふと気がつけば、とんでもなく恐(こわ)いところに連れて行かれてしまっている。そんな場面がある。

 「三猿」は、英語にもある。「悪をみず、悪を聞かず、悪を語らず」(see no evil, hear no evil, speak no evil)それが正しきあり方だ。そのように言う。もごもっともだが、やはり、時と場合による。状況によっては、悪を見すえ、悪の足音を聞き取り、悪の悪たるゆえんを語る必要がある。

 今の日本が、そのような時を迎えている。それこそ、そう「言わざる」を得ない。政治が、目を見張る不遜さをもって立憲的枠組みに逆らおうとする。耳を覆いたくなる詭弁(きペん)を弄(ろう)して、真相を言いかえようとする。悲鳴を上げたくなる言動の数々で、民主主義を愚弄(ぐろう)する。このような時に、三猿のポーズを取っているわけにはいかない。

 今この時、見ざる聞かざる言わざるは、決して許されない。もっとも、思えば、今の日本においては、もっと許されない構えを取ることが流行(はや)っている。流行の最先端を突き進んでいるのが政府・与党だ。「見ざる聞かざる言うばかり」。これが、彼らの流儀だ。彼らの目は決して見ようとしない目だ。彼らの耳は聞く耳持たずの耳だ。彼らの口からは、浮ついた饒舌(じょうぜつ)ばかりが止めどなく流れ出る。

 彼らは「ご説明」が大好きだ。この「ご説明」は、自分たちによる自分たちのための自分たち流の説明だ。相手が説明してほしいことを、説明するわけでは決してない。ましてや、相手による説明や主張や問題提起を聞こうという姿勢は、全くみられない。

 「政治指導者の耳の中では、人々の声が鳴り響いていなければならない」。第28代アメリカ大統領、ウッドロー・ウィルソンの言葉だ。今の日本の政治指導者の耳の中では、何が鳴り響いているのだろうか。ひょっとすると、軍靴の音か。

 ウィンストン・チャーチルは、こう言っている。「立ち上がって声を上げることには、勇気がいる。座って耳を懐けることにも、勇気がいる」。そういえば、最近の国会には、じっと座っていることができなくて、すぐ立ち上がって声を上げようとする人がいる。

 28代目のウッドロー・ウィルソンに対して、バラク・オバマは第44代アメリカ大統領だ。2人の大統領の間には随分と時の流れの隔たりがある。だが、彼らの感受性は共通している。昨年11月の中間選挙で、オバマ氏率いる民主党は共和党に大敗北を喫した。超低投票率だったこの選挙を受けて、オバマ氏はいった。「投票に出向かれた皆さん、私には皆さんの声が聞こえます。投票されなかった皆さんの声も、聞こえています」。何も聞こえず、何も見ず、言いっ放しは、真撃な政治にかなわざる。
(同志社大教授)


2015年6月21日 東京新聞朝刊 12版 4ページ「時代を読む-今は三猿の時にあらず」から引用

 三猿とは「見ざる聞かざる言わざる」であるが、この記事によると安倍政権の姿勢は「見ざる、聞かざる、言うばかり」と、なかなか言いえて妙である。世論調査では、安全保障関連法案への反対は5割を超えているが、そのような調査は見ず、野党の批判は聞かず、質問に対しては本質をはぐらかした自己満足の演説を滔々と述べる。こういう誠実さの欠けた態度では、将来に禍根を残すというものである。一例を挙げれば、安全保障関連法案がこのまま成立すれば、日本はすぐに紛争地に自衛隊を派遣して他国の戦争に巻き込まれることになるのであるが、安倍首相はその点を突かれると「そんなことはあり得ません」と強弁するだけで、なぜあり得ないのかその根拠を示すことができない。まともな法案であれば、明確な歯止めを示す条文を織り込んで、それで与野党が合意できるのであるが、それがないために、これは誰が見ても欠陥法案であるのだが、それを指摘されても安倍首相は無視している。つまり、彼は自分の意志で勝手に戦争を始められる体制を作ろうとしているのは明らかだ。今や安倍政権を倒すことこそが国益である。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年07月05日 20時22分03秒
[政治問題] カテゴリの最新記事


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

お気に入りブログ

「全国アホ・バカ分… New! Mドングリさん

コメント新着

 捨てハン@ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.