【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

フリーページ

2017年03月28日
XML
テーマ:ニュース(99462)
カテゴリ:ニュース
日本のメディアの現状について、2人の専門家が5日の「しんぶん赤旗」で次のような議論を展開している;


 メディアの現状にさまざまな角度から迫るシリーズ「メディアは今」。第1回は、ジャーナリズム論が専門の門奈直樹・立教大学名誉教授と、元NHKディレクターの戸崎賢二さんに、「ポスト真実」とメディアの関係などについて、語り合ってもらいました。
<板倉三枝記者>


 門奈 「ポスト真実」という言葉は、昨年の米大統領選のさなかに注目されました。英国のオックスフォード辞典は、世論形成にあたり、個人的感情や思惑が先走り、事実や真実が隠れてしまった状況と定義しています。

 流行語として浮上したのは、英国が昨年6月、国民投票で欧州連合(EU)離脱を決めた時です。離脱を支持したのは、グローバル化から取り残された人たちでした。米大統領選でトランフ氏を支持したのも、グローバル化から「忘れ去られた人たち」です。トランプ氏は、米国にまん延するメディア不信を逆手にとって「既存メディアは既得権益者だ」と攻撃し、受けを狙ったのです。

 「ポスト真実」は日本でも起きています。安倍晋三首相はメディアに圧力を加える一方、メディアパフォーマンスをしている。言葉に重みがなく、うそを平気で言います。日本のメディアはそれを検証せずに流すだけです。

 戸崎 2月の日米首脳会談の報道では、「国益」が守られたか、というのが大半のテレビメディアの問題意識でした。しかし、「国益」が誰にとっての利益かという視点は、すっぽり抜けていました。

 2月13日の「ニュースウオッチ9」では、会談を終えた安倍首相を32分間、生出演させています。トランプ大統領は、拷問を容認し、国籍によって差別するなど反民主主義的なリーダーです。この大統領と「信頼関係」を結ぶことに批判があるはずですが、追及はほとんどありません。

 キャスターは、「トランプ大統領は人権や民主主義の価値観から離れているのでは・・・」という質問もしていました。でも安倍首相の答えのあと二の矢がない。結果的に安倍首相の弁明の場を長時間与えたにすぎなかった。NHKの政治報道が、政権の広報的な傾向を強めている典型的な放送だったと思います。

 門奈 BBC(英国放送協会=英国の公共放送)が、なぜ世界から評価されるか。政治権力から独立しているからです。英国政府もメディアの独立を当たり前のこととして認めています。

 日本では、メディアの基本姿勢として、「中立」「公平」ということがよく言われますが、欧米では「中立」という言葉は出てこない。出てくるのは「インディペンデント(独立)」という言葉です。

 ジャーナリズムで最も大事なことは権力から独立することです。NHKにおいて問われなければならないのは、公共放送の意味を考える視点の欠如です。

 戸崎 同感です。日本放送協会は戦前、「政府之ヲ管掌ス(つかさどる)」とする「無線電信法」の下、事実上の国営放送でした。戦後、「政府のための放送」から「公共の福祉のための放送」としてNHKが設立されました。本来、権力から独立し、ときに政府の都合の悪いことも伝えるべきですが、その姿勢が伝統的に弱い。

 例えば2月17日の国会の共謀罪に関する審議で、”普通の団体でも性格が変われば罰する”という重要な議論がされました。この国会審議を、「報道ステーション」(テレビ朝日系)も「NEWS23」(TBS系)も伝えたのに、この日の「ニュースウォッチ9」は一切伝えませんでした。

 門奈 そういうこともあり、共謀罪に関しては世論調査で賛成の方が多い。質問が単純化され、是非だけを短絡的に問う内容になっているからです。

 戸崎 NHKは「共謀罪」とは言わず、必ず、「政府が共謀罪の構成要件を厳しくして新設するテロ等準備罪」という枕ことばを付けて紹介しています。政府の言い分を客観的な事実であるかのように、繰り返しアナウンスしているわけです。危険性が伝えられない中で、支持が高くなるのは当然だと思います。

 門奈 「ポスト真実」の問題を考える場合、日本のメディアはどうなのか。そこを問題視していかなければいけないと思います。
(つづく)


2017年3月5日 「しんぶん赤旗」日曜版 11ページ「『ポスト真実』と政治報道」から引用

 70年代の頃、リベラルを快く思わない人たちの間で、世論を左側に誘導しているのは「朝日、岩波、NHKだ」などと言われたものでしたが、その割にはNHKは権力からの独立が出来ておらず、政府広報のような番組が時折見かけられるのは残念なことです。もちろん、中には優れた番組を制作するスタッフもいるのであって、NHKは全部ダメというレッテルを貼るのは間違いで、そういう意味では読売新聞にも優れた記事を書く記者はいますが、もう少しジャーナリズムの使命を体現する記者が増えてほしいと思います。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2017年03月28日 19時58分28秒


PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

佐原

佐原

お気に入りブログ

黒鯛の塩焼き ~ … New! maki5417さん

コメント新着

 捨てハン@ 潰れそうな新聞なら東京、朝日、毎日が挙がるかなぁ >全国紙は世論のありかを明らかにし、国…

© Rakuten Group, Inc.