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カテゴリ:読書
太田出版から「トマト缶の黒い真実」を出版したジャーナリストのジャン=バティスト・マレ氏は、22日の東京新聞・インタビューに応えて次のように述べている;
2018年4月22日 東京新聞朝刊 8ページ 「書く人-暗部を探る駆け引き」から引用 この記事はなかなか刺激的である。大事な情報を握る人の話は90%くらいうそだというのは、昨今の国会答弁などを見ると確かにその通りだと納得(?)する。無いと国会で答弁していた文書が、ほとぼりが冷めた頃に「実はありました」ということで、次々に出てくる。前防衛大臣はその問題で引責辞任したはずであったが、その後になって、その大臣よりも前の時代の日報が出てきているのであるから、これは一体誰がどう責任を取るのか、はっきりさせてもらいたい。財務省も一年前に改ざんした公文書を国会に提出していたことが、最近明らかになったのだから、財務大臣は当然引責辞任するのが、これまでの世間の常識だったはずで、早急に決着させるべきである。 ところで、私がこの記事に興味を持ったのは「にこやかに聞きながら駆け引きをして、最後にしっかり裏付けをするのがポイントです」という発言です。取材活動とはどのようなものか、素人にも分かりやすく説明されている。今から50年くらい前に、ルポライターの鎌田慧氏がトヨタ自動車の工場で期間工として勤務したときのメモをまとめて「自動車絶望工場」というルポを出版してベストセラーになったとき、どこかの出版社がその年の「ルポルタージュ大賞」にノミネートしながら選から外すということがあり、記者会見した選考委員の一人が「『自動車絶望工場』も有力候補ではあったが取材方法がフェアじゃないので選考から外した」と説明したものだから、翌週の朝日ジャーナルで本多勝一氏が選考委員を厳しく批判しておりました。なにしろ当時は草柳大蔵という評論家が大企業をよいしょする本を次々と出版して、世間も企業ルポというのは草柳先生が書くような本のことを言うのだと思い込んでいた時代でしたから、その頃に比べれば少しは世の中が進歩したのかなと思いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018年04月30日 16時47分22秒
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