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2024年02月21日
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テーマ:ニュース(99452)
カテゴリ:ニュース
岸田政権が国会審議を無視して防衛費倍増を勝手に決めた問題について、元外務事務次官の藪中三十二氏は6日の朝日新聞で、次のように述べている;


 戦争の足音が響き始めると、冷静な議論がしにくくなるのかもしれません。そんな風潮に異を唱え、現実的な視点も踏まえた平和外交の重要性を唱える元外務事務次官の薮中三十二さんに聞きました。

――ウクライナでの戦争を機に日本でも戦争の語られ方が変わりましたね。

 「私は今、戦争の足音が聞こえてくるような日本のムードを心配しています。平和の重要性を語ると『空想的平和主義』と批判され、『中国に勝てるのか』と言われる。戦争の足音が響き始めると、それに対して否定的なことを言うのが難しくなります。戦争って、そういう力を持っています」

 「戦争の話には、お金も付いてきます。『国を守るのは当然だ』と言われ、中身を吟味しにくくなる。岸田文雄首相が防衛費の倍増を決めましたが、唯一の理由は『ロシアのウクライナ侵攻が起きてアジアも危ない』というだけで、まともな説明はありません。岸田さんは『数字ありきではない』と言っていましたが、まさに数字ありきです」

――精査もせずに倍増するなど、ほかの予算では考えられませんね。

 「北大西洋条約機構(NATO)並みに、ということで国内総生産(GDP)比2%と決め、なんとなく国民も納得したかのようです。しかし、中身をチェックせず決めたのは大問題です。ただ、防衛増税となると、世論も慎重になりましたが、防衛費倍増となれば、大規模な増税が必要となるはずです」

 「少子化対策では、財源がすぐに問題となりますが、少子化は日本にとって大きな安全保障上の問題です。私みたいな年寄りばかりで人口が減って、この国を守れますか」

◆侵攻止められなかった米の外交不在

――ウクライナの戦争の影響は大きいですね。

 「ウクライナ侵攻が不可避だったかのように言われますが、本当にそうでしょうか。『侵攻を止める方法はなかったのか』ということです。そのための外交が不在ではなかったか」

 「侵攻前、ロシアは米国に『ウクライナをNATOに加盟させるな』と要求していました。これに対し米国はゼロ回答でした。ブリンケン米国務長官は『ロシアが誠意をもって話す用意がないので、ロシアと話しても無駄だ』と言うのです。これでは、外交官として失格だと思います」

――失格ですか。

 「私が米国の外交官なら『米ロの共通の理解として、当面の間、ウクライナがNATOに入ることはないという見通しを共有した』といったようなボールを投げますね。ロシアが納得するかはわかりませんが、そうした努力をなぜしなかったのか」

 「ロシアの侵攻の3カ月前に米国とウクライナが結んだ『戦略的パートナーシップに関する憲章』で、米国はロシアの侵攻阻止への協力姿勢を打ち出しながら、直前になってバイデン大統領は『米軍は関与しない』と言い切った。この一貫性のなさ。抑止は完全に失敗し、外交不在でした」

――米外交の失策だと。

 「米外交を問題視すると『ロシアの味方か』と言われかねないので、誰も言おうとしません。もちろん、100%悪いのはプーチン大統領であり、ウクライナへの侵攻は絶対に認められない。でも侵攻を止められたかどうかは別問題です」

 「ウクライナでの戦線で膠着(こうちゃく)が続けば、停戦に向けた動きが活発化するでしょう。その際、米国の関与が不可欠ですが、今、米外交は中東問題で手いっぱいになっています」

――混迷していますね。

 「ガザのイスラム組織ハマスがイスラエルを急襲すると、ブリンケン氏はすぐにイスラエルに入り、ネタニヤフ政権のガザ攻撃を全面支持すると表明しました。その後、イスラエルの反撃が始まると、米国の若者世代から『イスラエルはやり過ぎだ』という批判を浴び、大統領選を前にして、バイデン政権は苦しい状況に立たされています」

 「米国をはじめ世界の若者たちはSNSでガザの悲惨な映像を見ています。ウクライナでの戦争もそうですが、いま起きているのは『SNSのもとでの戦争』です。戦地の映像が直接スマホに入り、世論に影響を与えます。今までの戦争とは違うのです」

◆日本は東アジアの平和維持に全力尽くせ

――日本外交に何を期待しますか。

 「戦後の平和は私たちが卑下するような話ではありません。平和で豊かに暮らすことこそ国益でしょう。それがおかしいと言う人がいるのなら、私はその人の見識を疑います」

 「日米同盟の堅持と一定の防衛力整備は必要です。同時に、東アジアの平和をつくる外交にも汗をかくべきです。それが現実に根ざした安全保障でしょう。中国と堂々と向き合い、中国に対し『ルールを守るべきだ』と平和攻勢をかけ、東アジアの平和維持に全力を尽くす。そのチャンスが現実にあります。それをモノにする、それが私の期待する外交です」

――もはや米国頼みでは立ちゆきませんね。

 「かつては米国に頼っていれば大丈夫でしたが、米国がスーパーパワーだった時代が終わり、不安定になっています。そこで日本なりの工夫をしなければいけない。一定の実力もつけなければいけない。でもあわせて、平和をつくる外交をしなければいけないんです」

――防衛費が倍増される一方で、政府の途上国援助(ODA)は減っています。日本は軍事的な協力をテコに外交をしようとしているのでは。

 「ODA提供は先進国の義務で、各国は国民総所得(GNI)の0・7%をODAにあてることを責任を持って約束しています。欧州連合(EU)諸国はその目標に近づいていますが、日本は0・34%です。国内が大変だと思いますが、国際社会の中で生きている日本です。『日本は信頼できる友人だ』と思ってくれる人が世界に増えれば、広く、長い意味での安全保障になります。日本が軍事的な対応で外交をしようとしても、うまくいくはずがありません。日本は得意なところで外交をやらなければいけません」

 「東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々と海洋問題で協力したりするのはいいと思いますが、日本が得意なのは国づくり、人づくりでの民生支援です。それはみんな、これまで必死でやってきたわけです」

◆核兵器禁止条約にオブザーバー参加を

――核軍縮への取り組みをどう考えますか。

 「日本が核軍縮の先頭に立つ、という覚悟を持つべきです。『核の傘があるのに何を言っているのだ』と批判されますが、そんなことはないのです。核の傘は今、現実の問題として有用です。一方で、核の傘があっても核軍縮の先頭に立つことはできます。そのことを世界の国々はよくわかっています」

 「日本は唯一の戦争被爆国です。しかも、核兵器を持つ能力はあると思われている。その日本が『いや絶対に核保有国にはならない』という決意を示すことが、外交の非常に強いメッセージになります。核不拡散条約(NPT)で核保有国は核軍縮が義務づけられているのですから、中国がどんどん核弾頭を増やすのはおかしいと、もっと言わなければいけません」

――核兵器禁止条約の締約国会議には、米同盟国のドイツや豪州などがオブザーバー(傍聴)参加していますが、日本は見送っています。

 「日本は核禁条約にオブザーバー参加すればいいと思います。たしかに日本が核禁条約に署名してしまうと、核の傘との整合性がとれなくなるので、完全に参加はできません。ただ、めざす方向は同じで、核軍縮であり、核なき世界です。オブザーバー参加をして、一緒に議論すべきだと思う。それを日本が打ち出すことが世界への義務でしょう」

――日本の義務ですか。

 「いま世界は核軍拡と軍備拡張に向かっています。それではいけないと言わなければ。北朝鮮の核の脅威に対する受け止め方も、米国と日本では異なります。米国にとってみれば、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)をテストしなければ米本土は安全です。それがトランプ大統領(当時)と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長(現総書記)の2018年の合意なんですよ」

 「突き詰めれば、北朝鮮は『ICBMのテストをこれ以上しない』代わりに、米国は北朝鮮を攻撃しないという合意です。その翌日、トランプ氏は『これでよく眠れる』と言いました。日本はそれじゃ駄目です。日本全土を射程に収める北朝鮮の中距離ミサイルでカバーされているのですから」

――だからこそ、外交が大事だと。

 「日本が先頭にたって、北朝鮮の本当の非核化に向けた具体策を考え、汗をかかなければなりません。私はそこに中国も入れるべきだと思います。北朝鮮核問題をめぐる6者協議はそういう思いでやってきましたが、最後は壊れてしまいました。今はもっと難しいと思います。それでも声をあげなければならない。汗をかかなければならない。それが外交だと思います」
(聞き手・小村田義之)

     ◇

<やぶなか・みとじ> 1948年生まれ。外務省アジア大洋州局長時代に北朝鮮核問題の6者協議首席代表。外務審議官などを歴任し、大阪大学特任教授。私塾「薮中塾グローバル寺子屋」主宰。著書「外交交渉四〇年・薮中三十二回顧録」ほか多数。近日中に「現実主義の避戦論」(PHP研究所)を発刊予定。


2024年2月6日 朝日新聞朝刊 13版S 13ページ 「交論・戦争の語られ方-防衛や外交 批判を許さぬムード」から引用

 この記事の冒頭では、インタビューする記者とそれに応じる藪中氏との間で「ウクライナの戦争を機に日本での戦争の語られ方が変わってきた」という会話が交わされているが、私はそれは何か政治的な必然性があって起きた歴史的現象などではなく、経済成長の機会を逸した「日本帝国主義」が軍需産業への投資に「活路」を見出そうとし始めた、そこにたまたま起きたのが「ウクライナ戦争」だったので、「日本も軍備を増強しないと危ないぞ」とばかりに岸田政権を使って「軍備増強キャンペーン」「防衛費倍増キャンペーン」を始めただけのことと思います。記事中で藪中氏が言ってるように「安全保障の手段は軍備によるだけではなく、外交も主要な手段」なのであり、むしろわが国憲法は「武力によって他の国々を威嚇する」ことを禁じていることを、再確認するべきと思います。防衛予算の倍増は、単に戦争の準備をするだけの危険な政策で、我が国の安全を逆に阻害する要因ですから、止めるべきです。武器の製造や販売で軍需産業が潤っても、国民生活に寄与するとは考えられず、国もいくら武器を購入して倉庫に積み上げても、それを使う自衛官が少子化のせいで定員割れとなり、せっかくの武器も使えないのでは、安全保障の「あ」の字もないという結果になりかねません。そういう無駄な金の使い方を改めて、防衛費倍増は止めて少子化対策に取り組むことこそが、将来の安全保障に寄与する道だと思います。





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最終更新日  2024年02月21日 14時49分13秒


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