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2024年10月09日
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テーマ:ニュース(100162)
カテゴリ:ニュース
人類の歴史で、第一次大戦が終わった後にドイツではワイマール憲法が制定され、日本では「大正デモクラシー」と呼ばれる社会現象が現れ、人々はまさか第二次世界大戦が待ち受けているとは夢にも思わなかった、そういう時代に現代は似ているのではないか、との観点から、東京大学教授の遠藤乾氏は9月24日の朝日新聞で、次のように述べている;


――今の情勢と戦間期の類似点は何ですか。

 「一つはロシアのウクライナ侵攻のように、現状変更を求める勢力が武力を使って実力行使を始めていること。

二つ目は民主主義国家が自滅・自壊し『自由』から逃走していくことだ。戦間期にもドイツはワイマール憲法、日本は大正デモクラシー、イタリアにも19世紀以来の自由主義の伝統があったが、それぞれナチズム、軍国主義、ファシズムに走った。『民主主義の春』のような時期があったが、自ら壊していく過程が現在の情勢と似ている」

 「三つ目は、国際社会のブロック化だ。自由貿易を促進した英国が、1929年の世界恐慌を機にブロック化に転換していく。それに米国が対抗しようとし、フランスも独自の行動をとるなど、ブロック化が帝国の中枢を震源地に広がった。大恐慌後4年間で貿易は7割減り、失業・社会不安を招き、権威主義化を生んでいった。囲い込んで関税を引き上げるというのは、米国のトランプ前政権が実施した政策だ」


――ブロック化が進むと紛争を誘発する理由は。

 「国と国とは本来は相互依存の関係にあるのに人為的に高い壁を設けて遮断するのだから、当然いさかいが起きる。壁をつくったことによる失業者の増加と社会不安が、ポピュリズムのマグマを生む。それは戦間期との類似性との関連で無視できない現象だ」


――逆に、戦間期との相違点は何でしょうか。

 「世界秩序を牽引(けんいん)してきたリベラルな超大国・米国で民主主義が傷つき、右傾化が見られることだ。トランプ前大統領は2020年の大統領選の結果を受け入れず、議事堂襲撃を扇動し、数々の罪で起訴された。最高裁は大統領としての行為を免責する判決を下した。戦間期までの超大国・英国でファシズムに賛意を示す勢力はいたが、極右化に至らなかった」

 「ブロック化にしても、戦間期には日本に石油や鉄を輸出規制・禁輸したABCD包囲網のように、敵対国の封じ込めを目指した。しかし現在は、中国の経済力は並外れており、封じ込めの対象にならない。最近中国経済が不調だといっても簡単にはつぶれない」


――冷戦終結で民主主義の勝利が言われたのに、民主主義の後退が顕著なのはなぜでしょう。

 「一つは社会・経済的な要因だ。分厚かった中間層が富裕層と貧困層に分かれ、多くの負け組が生まれて不満がくすぶっている。もう一つは、移民流入やグローバル化で自分たちのアイデンティティーが失われることに不安感がある。落ちぶれて焦燥感にかられた中間層が極右・極左に引っ張られ、政党政治が分断、断片化、多党化し、政治が不安定になっている」

 「問題は、ルールを破壊しようとする極右に、本来は抵抗するはずの穏健保守派が、票ほしさになびくことだ。トランプになびく米共和党など、輝かしい歴史を持つ穏健保守が極右におもねる動きが顕著だ。日本でも、外国人が増える中、極右支持層の票欲しさに穏健保守が崩れていく動きが顕在化しないか心配だ」
(聞き手 編集委員・佐藤武嗣)

     *

<えんどう・けん> 1966年生まれ。専門は欧州連合(EU)や国際政治。英オックスフォード大で博士号取得。米ハーバード大法科大学院研究員、北海道大教授などを経て現職。著書に「欧州複合危機」、編著に「安全保障とは何か」など。


2024年9月24日 朝日新聞朝刊 13版S 20ページ 「百年・未来への歴史-中間層の焦燥、極右になびく穏健保守」から引用

 この記事の冒頭で、遠藤氏は「ロシアのウクライナ侵攻のように、現状変更を求める勢力が武力を使って実力行使を始めていること」と発言し、あたかも「平和な世界にあって、ロシアだけが武力を使って現状を変更しようとしている」と主張しているが、私はそのような認識に違和感を禁じえません。ロシアのウクライナ侵攻は、アメリカがNATOをそそのかしてウクライナにモスクワを射程にいれたミサイル基地を建設しようとしたために、ロシアは自国防衛の手段として、そのようなアメリカの邪悪な企みを阻止する必要があった、そのために起きたのが「軍事侵攻」であったという重大な事実の見落としがあると思います。アメリカの経済システムには、軍需産業という「病巣」が深く食い込んでいるため、資本家の手先としてのアメリカ政府は、世界のどこかで常に「武力紛争」を起こして、軍需産業を儲けさせなければならないという「宿命」を背負っており、この問題を解決することなしには、世界平和の実現は困難であることを知るべきです。





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最終更新日  2024年10月09日 01時00分09秒
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