カテゴリ:【如水・壺公慷慨】
★忘備忘却録/きょうの過去帳・狂★ ☆ 東京は下谷に日本初の喫茶店「可否茶館」が開店(1888年)。「そういう訳でこの日は喫茶店の日と言うことになっているのです」。☆ ソ連領内に踏み込んだナチスが、ソ連領内カティンの森でポーランド将校4,000人の遺体を発見と報じる(1943年)。当のソ連は「見つけたナチスのエクストリーム・自作自演」と否認していたが、数十年経って「ヨシフ・スターリンと政治局の決定で実行された」と言って認める。 ☆ 北朝鮮が人工衛星「光明星3号」の発射に成功するが、偉大なる将軍様の思想を理解できない人々が多過ぎて衛星打ち上げの確認ができなかった模様(2012年)。 【彷徨癖者/如水の愛犬 “ハクとココ”が悲嘆・感嘆 / 令和4年04月12日】 =ウクライナ戦争= 小泉悠×河東哲夫・超分析/ 対談記事(ニューズウィーク誌)より抜粋 ロシアが戦争に勝てていない理由は、プーチンの「矛盾」にある = NewsWeek_Column_2023年3月30日(木) 小泉 悠(軍事評論家)、河東哲夫(本誌コラムニスト、元外交官)、ニューズウィーク日本版編集部/ ――ロシアの戦意・士気について。現在の銃後の雰囲気をどう捉えていますか。ヒトラーを倒した大祖国戦争的な空気には到底なっていないように見えるのですが。 ■河東 (ロシア大統領ウラジーミル・)プーチンの支持率は表向き今でも70%以上あるんですが、実感はどうか。 戦争だ戦争だと言って大変なことになっているとわれわれは思いがちなんだけれども、日本の戦前を思い出すと......って、僕まだ生まれてなかったけれども(笑)、勉強してみると日華事変が起きた頃は、国民にとって戦争は遠いところで行われていたと思うんです。その前の満州事変はもっと遠いところにあった。自分たちに響くものじゃなかった。生活面からも経済面からも。 ロシアは今そういう感じではないかと思います。遠いシベリアの、少数民族の自治体のほうからたくさん兵隊に取られていて、モスクワやサンクトペテルブルクの大都市から徴兵されている兵士は少ない。 物もほとんどなくなってない。西側のものは並行輸入で勝手に仕入れてきちゃうんだけれども、それで店には並んでいる。だからまだ生活にはそんなに響いてない。ただ、じわじわとは響いていますけどね。 ■小泉 プーチン自身がこの戦争を戦争と呼ぶことをかたくなに拒否していて、特別軍事作戦ですと。法的にも戦時体制を発令していないわけです。本当に国家存亡の日になったときに発動する戦時令という法体系があるんですけど、これも出してない。 動員はするけど、限られた数の人間だけを動員する部分動員であると。総動員という規定もあって、こちらは人間をたくさん動員するだけではなくて、社会や経済を全部戦時モードに切り替える......みたいな措置もあるのですが、それはやってない。 おそらくそれはプーチンが、ある程度民意に支えられた独裁者であるからなんだと思うんです。来年の大統領選はやる気らしいので、ここで国民に決定的に不人気な政策は取りにくい。戦時下なんだと思わせないようにやっている部分も結構大きいんじゃないかと思っているんです。 ここにおそらくプーチンの矛盾があって、この戦争ってやらなきゃロシアが滅びるような、差し迫った戦争ではない。だから全てを戦争に動員するような覚悟がプーチン自身にもないし、国民にもない。そうであるが故に、戦争指導のやり方が非常に中途半端なものになってしまって、全てを懸けて抵抗してくるウクライナになかなか勝てない。そういう構図がずっと続いている。 となるとこの先、勝てはしないんだけど、ずっとウクライナに対して嫌がらせを続けるかもしれない。「傷つける力」という考え方が安全保障にあるんですけど、傷つけ続けて、失血死させる、あるいはもう傷ついてうんざりして音を上げるのを狙っていく。 もしこの春の東部攻勢でロシア軍が決定的な戦果を上げられなければ、こういう戦略に切り替えようとするのではないか、という感じがしますね。 ■河東 そういうなかで西側がやりすぎるとそのロシアの国内世論をかき立てちゃうわけですよね。プーチンも(セルゲイ・)ラブロフ外相も、この戦争はロシアじゃなくて西側が仕掛けてきたんだと言い始めた。プロパガンダです。そういうことをラブロフがインドで言ったら居並ぶ聴衆にあざ笑われた。 ロシアの国民も同じで、これは西側が仕掛けてきた、ロシアという祖国を守るための戦争だという当局のプロパガンダにはまだ納得してないでしょう。でも西側が本当に仕掛けてくると、そこはまた危ないことになると思います。 ■小泉 西側が仕掛けるっていうのはその場合どういう事態ですか? ■河東 アメリカ軍の兵士が現場に出てくるとか、そういう状況でしょう。 ■小泉 やっぱそれは確かにアメリカも絶対回避したいと思うでしょう。ロシア人の本当の防衛意識に火付けてしまったときって、手付けられないじゃないですか。第2次大戦におけるソ連の頑張りというのは本当にみんなよく知っているわけだけど、それは絶対にしたくない。 ただ戦車を送ることは決めたので、米軍が出て行かない範囲内でまだ支えることはしっかりやるんだろうと思います。 戦争が始まった直後に、アメリカの(シンクタンク)アトランティック・カウンシルの安全保障専門家たちがリスクを取ることのメリットと、どのぐらいまでやるのかについてマトリックスを作っています。例えば米軍の部隊を送ることはしないけど、武器援助をポーランドで受け渡すんじゃなくて、西部リビウに直接アメリカの輸送機を降ろして渡すということを象徴的にやってみせる。リビウ・ランディングシナリオです。 同じジャベリン対戦車ミサイルを1000発渡すのでも、ポーランド側で渡すのではなくて、ウクライナ領内側まで持っていって渡す。これは一種のエスカレーションで、そこまでやった場合に果たしてロシアの世論がめちゃくちゃ沸騰するかどうか。 そのぐらいまでだったら、私はロシア人をそんなに怒らせず、なおかつ非常に象徴的なデモンストレーションとなる可能性があると思うんです。送る武器の種類だけではなくて受け渡し方も、これから何らかのエスカレーションがあるかもしれない。 ■河東 アメリカ国内では、事をどんどん先に進めようという勢力とウクライナはもういいかげんやめようという動きの2つがあって、どうなるのか分からないです。前者のほうは、ワシントンのいろんなロビイストたちがウクライナに兵器をもっと出すという方向で動いている。 そういうことをやるロビイストたちの数が2倍ぐらいになったと言います。彼らはウクライナのために無料でやっている格好にして、法律的な縛りをくぐって、実際にはアメリカの兵器会社から報酬をもらっている。 止めるほうの動きについて言えば、やはり(ドナルド・)トランプが大統領に復活するかどうか。非常に大きなブレーキになりますよね。まだ可能性は残っている。ロシアは当然それを意識に入れているでしょう。 ■小泉 別にトランプでなくても、トランピアン的な人物であってくれればいいわけですよね。一番しっちゃかめっちゃかにしてくれるのはトランプなんでしょうから、ロシアにしてみれば2016年の再現は考えるでしょう。 来年は大変です。ロシアもアメリカも大統領選。台湾も総統選。本来、実はウクライナも大統領選なんですけど、戒厳令を出しているので、おそらくやらないだろうとみられています。もしそれでもやるんだとなった場合には、ロシア、アメリカ、ウクライナという戦争に関わる全部の国が大統領選挙に......。 ※対談記事の抜粋を最初から読む(第1回:小泉悠×河東哲夫・超分析「仮に停戦してもウクライナが破る可能性もある」: 当ブログ/虎子の誇顧 3192_ 04月08日 URL_ https://plaza.rakuten.co.jp/bogoda5445/diary/202304080000/ )。 古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 ---------下記の姉妹ブログ 一度 ご訪問下さい-------------- ・・・・・
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023/04/13 05:30:09 AM
コメント(0) | コメントを書く |
|