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テーマ:昔の日本映画(74)
カテゴリ:日本映画(1951~60)
日本舞踊の世界を舞台に女達の戦いを描いたもので、ごひいき(^^)の若尾文子がしたたかな女性を好演している。
池袋の新文芸坐で開催された「匠 吉村公三郎の世界 -吉村作品の中の名女優たち-」にて鑑賞(2007/2/10)。 評価:☆☆☆ 戦中、航空隊基地に慰問に訪れていた踊り子の朱実(京マチ子)は、空襲で逃げまどう中、慰問担当士官の若林(根上淳)と結ばれる……。終戦後、東京に引揚げてきた朱実は、日本舞踊の師匠(細川ちか子)に弟子入りし、彼女の立ち回りによってその家元は大きく発展する。数年後、朱実は師匠のパトロン(柳永二郎)を誘惑し、彼の後ろ盾によって独立、その第一の弟子となったのが比佐子(若尾文子)である。舞踏研究所の落成披露をきっかけに、朱美は若林と再会して結婚。「封建的な家元制度反逆」のスローガンの元、全国を公演してまわり、各地で成功を収めるが、借金は大きく増えていく。状況打開のため、日本舞踊同盟を中心となって結成し、彼女は舞踏界での存在感をより強固にしていくが、その裏で、比佐子は若林と関係をもち、新たな舞踏研究所を立ち上げる準備を密かに進めていた……。 当初から才気を溢れさせていた京の演技とは対称的に、若尾はあくまでも師匠に(白々しくも)従順な姿を好演。ラストのきりっと宣言する場面はとくに印象的。 そして、京マチ子もとくに後半は、追われる女の焦りや醜さ、欲望をみごとに演じていて、因果応報、裏切る者は裏切られる有様を切々と演じきっている。 あと根上淳というと、私的にはイコール『帰ってきたウルトラマン』の伊吹隊長なので、若い彼の姿にちょっとビックリ。 映画の最後で京がその全てをかけるヤマトタケルの舞台は、確かに普通にイメージされる日本舞踊の世界からは大きくかけ離れているようなので、映画の中でももう少し正面切って描いて欲しかったように思う。 絶対のお薦めとまでは言えないが、吉村監督が得意とした“女の世界”を象徴する1本として機会があれば。 『夜の素顔』 【製作年】1958年、日本 【製作】大映 【監督】吉村公三郎 【脚本】新藤兼人 【音楽】池野成 【出演】京マチ子、若尾文子、細川ちか子、根上淳、柳永二郎、菅原謙二 ほか お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.06.08 15:49:29
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