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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2013年01月19日
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カテゴリ:夢有無有
「オリエントの神々」序章20・ギルガメシュ叙事詩・第四の書板
 ギルガメシュ(Gilgamesh)とエンキドゥは20ベール(1ベールは10キロメートル)進んで食事を摂り、さらに30ベール進んだところで夕べの休息を取った。一日に50ベールという健脚だ。一月と十五日の道のりを三日で踏破し、彼らは目指すレバノンの森に近づいていった。二人はシャマシュ神に向かって井戸を掘り、湧き水で体を清めて山に登り、シャマシュ神に捧げものをした。エンキドゥが夢見の床をしつらえ、ギルガメシュがそれに横たわる。彼らは神から夢告を授かるための用意をしているのだ。「山よ、私に夢を、よき言葉をもたらせ」ギルガメシュはそう唱えると、眠りについた。目覚めたギルガメシュは、エンキドゥに語る。奥深い山の中で、いきなり野牛が自分の上に落ちかかってきたと。エンキドゥは、それは吉兆だと言う。その野牛はフンババで、われらはきっとフンババを打ち倒すだろうと。二人は50ベール進み、同じように夢見の床をしつらえ、ギルガメシュが横になった。前日の夢の続きだった。彼は夢の中で野牛を捕まえたが、それは叫びをもって地を割き、巻き起こす砂塵で天は暗くなった。ギルガメシュがその前にひざまずくと、野牛は彼の手をとって彼の傍らに座った。また男が現れ、ギルガメシュに皮袋の水を飲ませて立ち上がらせたという夢だった。エンキドゥは言う。その野牛は実はフンババではなく守護者なる太陽神シャマシュ、男はギルガメシュの父なるルガルバンダで、フンババとの戦いにおいてきっと彼らの加護があるだろうと。二人はまた50ベール進み、同じように夢見の床をしつらえ、ギルガメシュが横になった。彼はまた別の夢を見た。そこでは天が叫び、地が咆えたけり、昼は暗闇となった。稲妻が走り、炎が燃え上がる。炎は天に沖し、死が雨と降り注いだが、やがて火は消えた、そういう夢だった。エンキドゥは語る。それはフンババとの戦いにおける神の威光の顕現のさまである、と。二人はまた50ベール進み、同じように夢見の床をしつらえ、ギルガメシュが横になった。彼は良い夢を見た。彼は夢の中で空を飛ぶアンズー(獅子の頭を持つ鷲)を見た。そして恐ろしい顔の怪物を見た。その口は火で、その息は死。しかし、若者が現れてその怪物を捕らえ、地に投げ落とした。それを聞いたエンキドゥは喜ぶ。その怪物はフンババ、若者はシャマシュ神であると。二人はついにフンババの守る香柏の森に到着した。ギルガメシュは重ねてシャマシュ神に焼き粉を献げて加護を呼びかける。すると、天から声がした。「急いで彼に立ち向え。フンババが森に入らぬようにせよ。彼が森に下って行かぬようにせよ。隠れぬようにせよ。彼はまだ七つの鎧を身につけてはいない。一枚だけ身につけ、六枚は脱いでいる。」二人は森へ急いだ。しかしその時、洪水のごとき恐ろしい咆哮が轟き渡った。森の守護者フンババの叫び声だ。彼らの心は恐怖に満ち、足は止まってしまった。ギルガメシュは怖じ気づいてしまう。今度はエンキドゥが彼を励ます番となった。「友よ、なぜ、私たちは不安にかられて行かなければならないのか。全ての山々を我らは越えて行こう。友よ、戦いを熟知する者よ、百戦錬磨の強者よ、何度も薬草を塗ったからには、あなたは死を怖れなくてもよい。太鼓のように、あなたの名声を高めなさい。あなたの腕の萎えを去らせ、膝の衰弱を立て直すように。友よ、さあ、出発し、我々は一つになって出かけよう。戦いがあなたの心を燃やすように。死をものともせず、生を生きよ。脇を見張り、注意深い者こそ、前を進み、友の身を守り、彼を安らがせる人。彼らは遠く後代まで名をあげるのだ。」こうして、二人は長い旅の後に香柏の森に到着した。フンババが行き来する場所には、歩みの跡がつけられ、道が整えられ、小道は素晴らしかった。彼らは香柏の山、神々の住まい、大女神イシュタルの聖所に見入った。山の前面には香柏の緑が映えていた。その木陰は心地よく、歓喜に満ちていた。下草は繁茂し、森を覆っていた。香柏は天に届くほど高く、その枝を1ベールも広げていた。
 香柏の森が、どこにあったのか。古いシュメール語版によれば、メソポタミアの東部、エラムとの国境にあるザグロス山脈の近くだったとされていますが、後の時代の粘土版ではメソポタミアの西のレバノンだったと書かれています。イシュタルの聖所のイシュタル(Ishtar)とはアッカドの豊穣、愛、戦の女神。また、バビロニア時代には金星を司る天体神ともされました。崇拝の中心地はウルクで、とりわけ女性達の篤い尊崇を受けたそうです。また、ウルク以外の地にも信仰の中心地があり、アルバイル(アルベラ)のイシュタル、ニネヴェのイシュタル等その地名を冠した呼称で区別されました。

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最終更新日  2013年01月19日 06時51分02秒
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