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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2013年01月30日
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カテゴリ:夢有無有
「オリエントの神々」序章28・ギルガメシュ叙事詩・第十の書板(前半)
 女主人酌婦シドゥリは海辺に座っていた。彼女は座り、人々は彼女の為に酒壷を造った。彼女は飾り覆いで装っていた。ギルガメシュは行き巡り、彼女の所にやって来た。彼はライオンの皮を着て、彼は体は神の肉を持っていたが、その胸には悲しみがあった。彼は長旅をした人のように疲れた顔をしていた。女主人は遠くに彼を発見して、いろいろと想像して、言葉に出して自問自答した。「あの男は人殺しかも知れない。何をしに、どこへ行こうとしているんだろう。」女主人は彼を見て、門を閉じて鍵をかけた。ギルガメシュは女主人に注意を向け、アゴを上げて、彼女に呼びかけた。「女主人よ、貴方は何を見て、貴方の門を閉ざすのですか。どうして、貴方の門を閉じて鍵をかけたのですか。私は門を壊して鍵を砕きますよ。」女主人はギルガメシュに言った。「門に近づかないでください。」ギルガメシュは女主人に向かって言った。「私は杉の森でフンババを打ち倒し、山でライオンどもを殺しました。」女主人はギルガメシュに言った。「ギルガメシュよ。もし貴方があの、杉の森の番人である森に住むフンババを滅ぼし、山の麓でライオンどもを殺し、天から下った天の牛を捕らえて、これを打ち倒したのなら、なぜ、貴方の頬はこけて、疲れた顔をしているのですか。なぜ、貴方の心はズタズタで、やつれた格好をしているのですか。なぜ、悲しみが貴方の胸に押し寄せるのですか。貴方は長旅をした人のように疲れた顔をしています。貴方の顔は暑さと寒さで焼け付いています。貴方はライオンの皮を着て野をさまよっています。」ギルガメシュは女主人に語った。「どうして、私の頬がこけて、疲れた顔をしていないはずがありましょう。私の心がズタズタで、やつれた格好をしていないはずがありましょう。悲しみが私の胸に押し寄せないはずがありましょう。私が長旅をした人のように疲れた顔をしてないはずがありましょう。私の顔が熱さと寒さで焼け付かないはずがありましょう。私がライオンの皮を着て野をさまよわないはずがありましょう。私の友エンキドゥは狩られた野騾馬、山の騾馬、荒野の豹だ。私たちは力を合わせて、山々を渡り歩きました。都城を奪い、天の牛を討ち取りました。杉の森に住むフンババを滅ぼしました。山の麓でライオンどもを殺しました。私が愛し、労苦を共にした我が友、私が愛し、労苦を共にしたエンキドゥ、彼に死の宿命が襲ったのです。昼も夜も、彼に向かって私は涙を流しました。彼を墓へ運びこませたくなかった。もしや我が友が私の嘆で生き返るのではないかと思いました。七日と七晩の間、彼の鼻の穴から蛆虫がこぼれ落ちるまで。私の友の言葉は私に重くのしかかり、私は遠い道のりを旅しました。エンキドゥの言葉が私に重くのしかかり、私は遠い道のりを旅しました。私はどうして沈黙を保てましょうか。私が愛した友は粘土になってしまった。私が愛したエンキドゥは粘土になってしまったのです。私も彼のように横たわるのでしょうか。私も永遠に起きあがらなくなるのでしょうか。」ギルガメシュはまた女主人に語って言った。「さあ、女主人よ、ウトナピシュティムへの道はどちらですか。向かう手立てを私に示してください。もしその方がよいのであれば、私は大海原を渡ってもいい。もしそれがよくないのであれば、荒野をさまよい行きます。女主人よ、貴方の顔を見たからには、私の恐れる死を見ないようにさせてください。」女主人はギルガメシュに向かって言った。「ギルガメシュよ、決してそこへは行くことができません。貴方の求める生命は見つかることがないでしょう。神々が人間を創られた時に、人間には死を割りふられたのです。生命は自分たちの手のうちに留めおいて。ギルガメシュよ、貴方は貴方の腹を満たしなさい。昼も夜も貴方は楽しみなさい。日ごとに饗宴を開きなさい。貴方の衣服をきれいにしなさい。貴方の頭を洗い、水を浴びなさい。貴方の手に掴まる子供達をかわいがり、貴方の胸に抱かれた妻を喜ばせなさい。それが人間のなすべきことだからです。古来より、誰もその海を渡ることはできません。その海を渡るのは英雄シャマシュだけです。シャマシュの他には誰も渡ることができません。渡航は困難で、そこへ至る道はさらに困難です。その間には死の水があり、その前方を遮っています。ギルガメシュよ、その海のどこを、渡りおおせるというのです。死の水に達したら、貴方に何ができるというのです。ただ、ギルガメシュよ。ウトナピシュティムの船頭、ウルシャナビがいます。彼の傍らには石があって、森の中から小さな杉の木を切り出しています。さあ、お行きなさい、彼が貴方に会えるように。もしその方がよいのであれば、彼と一緒渡りなさい。もしよくないのであれば、引き返しなさい。」ギルガメシュはこれを聞くと、自分の斧を傍らに取り上げ、剣を抜き、忍び寄って、それらを切り出した。矢のように、それらの間で打った。森の中に音が響き渡った。
 ギルガメシュは女主人酌婦シドゥリに言った。「さあ、酌婦よ。ウトナピシュティムへの道はどこか教えてくれ。その道しるべをわたしに与えてくれ。もしその方がよいとおまえが言うならば、わたしは大洋をも渡ろう。もしよくないとおまえが言うならば、再び荒野をさまようだろう」酌婦はギルガメシュに言う「ギルガメシュよ、決してそこに入る術はない。いにしえより、誰もその海を渡らなかった。その海を渡るのは英雄シャマシュのみだ。シャマシュの他には誰も渡らなかった。渡航は困難をきわめ、そこに至る道はさらに困難だ。その間には死の水があり、その前方を遮っている。その海のどこを、ギルガメシュよ、渡りおおせると言うのです。死の水に達したら、おまえに何ができるというのです。ただ、ギルガメシュよ、ウトナピシュティムの舟師ウルシャナビがいる。彼の傍らには<石物>があり、森の中からひこばえ(小さな香柏)を伐りだしている。さあ、行きなさい。彼がおまえに会えますように。もしウルシャナビが案内してくれるとなったならば、彼と共に渡りなさい。もしウルシャナビの案内が得られないならば引き返しなさい。それがおまえの運命なのだから。」地の果ての島に住む老賢人ウトナピシュティムとその妻が三途の川の渡し守、此の三途の川にあたる話は、世界に充ち満ちていて、シュメール神話のなかではウトナピシュティムが大洪水の生存者で神によって妻とともに不死を与えられていたウトナピシュティム(utnapishtim「遠方」の意)がその船頭です。洪水物語では、ウトナピシュティムは、神々が洪水を起したときの話をする。エア神の説明により、ウトナピシュティムは船をつくり、自分と自分の家族、船大工、全ての動物を乗船させる。6日間の嵐の後に人間は粘土になる。ウトナピシュティムの船はニシル山の頂上に着地。その7日後、ウトナピシュティムは、鳩、ツバメ、カラスを放つ。ウトナピシュティムは船を開け、乗船者を解放した後、神に生け贄を捧げる。エンリル神はウトナピシュティムに永遠の命を与えます。そして彼等は2つの川の合流地点に住むとしています。

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最終更新日  2013年01月30日 09時53分21秒
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