「霊魂論」神秘学31
現世世界で「思考・感情・意志」の働きの中に抜きん出て突出したものがあろうが、三者の中に極端に矮小化されたものがあるときには、シュタイナーの持論から推論すれば、其の当の人物の現世からの離脱は危うきこと累卵の如しどころではあり得ません。霊魂の表現上としての必然的に炎上滅失が待ち構えています、此れ等は現世世界で「思考・感情・意志」の働き抱(いだ)いた段階で、自らに其れ其れの均衡を思慮した理性を育成していなければならないということを求めています。とは云え、シュタイナーは救済の道を用意しています。これらの「思考・感情・意志」の充全性を肉体の滅びまでに満たせれば自己の育成した霊魂は焼却滅失の憂き目には出会わない可能性が残されています。いずれにしても、其の目的・意義はどうであれ、人間精神が先霊と築き上げた自己の霊魂は、霊界に参入するときには、自然な「結合」が外れることになるのは、確かなことです。それはまた、意図して参入するのではないが、結果として「霊界の境域(Ambit of the spirit world)」を彷徨うことになるのは必定です。「分裂病的状況」においても、云えることは人格の崩壊は致し方ないが霊魂は「霊界の境域」を彷徨うときの霊性の態度如何(いかん)によっては再生する可能性も多少は残されてはいます。
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