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Tough Boy-World of cap_hiro(Subtitle:sense of wonder)

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2022年05月18日
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カテゴリ:絶対存在論
神の存否-413
 定理二五 何びとも他の物(*事物・者etc)のために自己の有(*哲学的な恒常有ではなく人間本性の欲性的有)を維持しようと努めはしない。
 証明 おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力は単にその物自身の本質によって規定される(第三部定理七 おのおのの物が自己の有に固執しようと努める努力はその物の現実的本質にほかならない。により)。この本質が与えられただけでそれから各自が自己の有の維持に努力するということが必然的に起こるのであり(第三部定理六  おのおのの物は自己の及ぶかぎり自己の有に固執するように努める。により)、それは他の物の本質に促されて起こるのではない。その上、この定理はこの部第四部の定理二二の系 自己保存の努力は徳の第一かつ唯一の基礎である。なぜならこの原理よりさきには他のいかなる原理も考えられることができず(前定理二一 何びとも、生存し行動しかつ生活すること、言いかえれば現実に存在することを欲することなしには幸福に生存し善く行動しかつ善く生活することを欲することができない。により)、また、この原理なしにはいかなる徳も考えられえないからである。からも明らかである。なぜなら、もし人間が他の物のために自己の有を維持しようと努めるとしたら、その他の物こそ徳の第一の基礎となるであろう。それ自体で明白なように。このことは(今引用した定理二二の系により)不条理である。ゆえに何びとも他の物のために云々。Q・E・D・此れが証明すべきことであった。
 記一:スピノザは屡々コナトゥス(conatus)、存在者に内在してそのものを動かす原動力、傾向。スピノザでは、意志や衝動などを持ち出します。スピノザは自己保存の欲求を基底にするために「利他的行為」の可能性は存在しないように見えます。しかし他方でスピノザは,「理性の導き(徳)に従って生きる人間」は「自己のために求める善を自己以外の人々のためにも (reliuis hominibus etiam)欲するであろう」 とも、「理性によっても憐憫によっても他の人々を助けるように動かされないような者は、非人間的と呼ばれてしかるべきである」とも述べています。これら二つは一見すると矛盾しているかのようですが、スピノザの真意は果たしてどうなのでしょう。各人は自己の「現実的」あるいは「与えられた」本質に基づいて、「自己利益」を求めて行動しながらも「利他的」でありうるということを意味しているのでしょうか。スピノザの人間本性への善的願望が読み取れます。
 記二:スピノザは人間が世界に存在することを、かつて科学者の大反発を浴びた異端の考え方、この宇宙は人間が存在するようにできているという一見宗教のような見方「人間原理」。この宇宙は人間が存在するようにできているという一見宗教のような見方、21世紀に入った今、理論物理学者のあいだで確実に支持を広げている宇宙世界論の先駆者かも知れません。



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最終更新日  2022年05月18日 06時00分19秒
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